南紀串本・橋杭岩の夕映え
3年前の12月に訪れた時の模様を中心に特集します。
この日も、昼間はまずすさみを訪れ、撮影していました。冬の時期へのすさみ行きはこの時が初めてでした。
夏とは明らかに、空の明るさも海の色あいも違います。
そして昼下がりに串本に向かうという旅でした。
ここでアクセス上の注意点です。車なら「道の駅・橋杭岩」があってすぐ前に駐車できます。けれども電車の場合、串本駅から橋杭岩まではかなりの距離があることです。2kmほど離れているので、足でも行けない距離ではないですが、近くだと思うとかなり歩かされます。手前に橋杭海水浴場があるので、着いたと思っても岩の近くまで行くにはさらに海岸を歩く必要があるはずです。
駅からバスを利用する方法もあります。
電車なら、さらに一駅先の紀伊姫駅で降りるのがまだ賢い方法です。こちらからは1km。歩く距離も半分で済みます。駅から道路に出れば海岸沿いなので、海の眺望を楽しみながら歩くこともできます。
ということで紀伊姫駅から海岸を歩きながら、橋杭岩に向かいました。
まだ3時過ぎなのですが、1年でいちばん日の短い冬至近くの時期なので、もう夕暮れに近くなっています。
そして、橋杭岩に。
すでに大きく傾いた西日を浴びて陰影が際立ち、迫力が増します。
もう1枚。
まだ3時台なのに、すっかり夕映えという感じです。
昨日の記事で紹介した、同じ年の8月に訪れたときの写真を再掲します。
3時台でも、夏と冬とでこんなに明るさが違うこともよくわかりますね。
さらに日没が近くなると、いよいよ夕映えの色も鮮やかになります。
そして暮色に。
夕暮れ時の撮影はこの時が初めてでしたが、青空の下とはこれまた違う表情を見せてくれました。
では、今日はこの辺で。
今回もご覧いただきありがとうございました。
南紀串本・橋杭岩のさまざまな表情
本州最南端の地・南紀串本。
今年も足を運び、潮岬からの模様をすでにお届けしました。
また過去の旅から、海金剛・樫野灯台もとりあげています。
でも、この地で大事なスポットを、当ブログでまだ特集していませんでした。事情に通じておられる方なら言わずもがなでしょうが、橋杭岩です。
さまざまな形をした巨岩が一列をなして立ち並ぶ奇観。いちど訪れたらまず忘れることのないだろうインパクトがあります。
地質学的な由来としては、地層を貫いて地底から噴出したマグマが固まったために形成された「岩脈」が、周囲の地層をなす堆積岩より硬いので、地上に隆起したさいに波に浸食されずに残ったものだということです。
それが橋を架けるために打たれた杭のように見えることから、この名がつけられました。かの弘法大師が架けようとした橋だという伝説もあります。
南紀に撮影に足を運ぶようになって、最初に訪れたのもここでした。
8年前当時の所持カメラと撮影技術ゆえ、今思えばあまりお見せできるものでもないのですが、まずは。
当時はこれでも「青い空の下で撮れた」というつもりでした。
その後も何度か(多くはすさみ行きと同じ機会に)訪れて撮影しています。
間近から、向こうの海を望みつつ。
カメラの差もあるとはいえ、青空に徹底してこだわっている今からすると、まだ「くすんだ青空」という感じです。
初めて満足のいくものを撮れたのは3年前の夏でした。
この時はすさみで最高の青空と海の色で撮れた思い出の日でもありました。
その後、海金剛に訪れる予定で、バスの待ち時間の間に欲張って橋杭岩まで撮影しようと行ったのですが、串本駅から橋杭岩までは意外に距離があり約2km。それを45分ほどで(当然撮影時間込み)徒歩で往復したのですから、ずいぶん無理したものです。バスもギリギリ間に合ったのですが。
冒頭の写真もそうですが、去年の9月に行ったときのものをもう1枚。
やや満ち潮ぎみだった分、海の透明感もあわせることができ、今まででもいちばん気に入っています。
ここ橋杭岩は、季節によって、また時刻や潮の干満によって、いろいろと違った表情を見せてくれるのも魅力です。それは、これからの投稿で紹介していくことにしましょう。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
移りゆく季節を彩る~雫のプリズム~
過去のこの季節に撮影した雫から、今回も紹介します。
この時期の日差しの角度だからこそ色鮮やかに梢の雫が煌くのですが、夏から秋へ、季節の移り行きを飾るようです。
色とりどりです。
太陽の位置ではほぼ重なる4月の初め頃にも、同じような煌きが見られることは過去にも紹介しました。
思い返すように、その頃の一枚を。
夏から秋への移りゆきというのは、暑さが和らいで過ごしやすくなっていきながらも、どうしても寂しさへの入り口という感覚が伴う気がします。まだまだ秋は始まったばかりですが、秋の深まった先にある冬も思い起こされてしまうからでしょうか。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
朝焼けから夕焼けまで~京の初秋の一日~
昨日に続いて「初秋の雫」を過去の撮影から紹介する予定でしたが、リアルタイムで分かちあいたいものがあったので、そちらを先にします。
今朝目覚めてみると、朝にもかかわらず、西の空が夕焼けのように染まっていました。
外に出て撮影できる場所に移動してみると、ご覧の通り、虹がかかっていました。
昨夜はいくらか雨音が聞こえたので、その名残ということもあるのでしょう。
わかりにくいですが、よく見ると二重虹です。
主虹の方は、紫のさらに内側にもカラフルな色の層が見えて、いよいよ美しさを増します。
日もかなり短くなってきたとはいってもまだ日の出は5時台。これを目にすることができたのも、休日でも早起きすればこその特権です。
「朝焼けは雨」「朝虹は雨」というのは古くからの諺ですが、それを裏切るように、今日は秋晴れの一日でした。台風の影響は、関西にはほとんど及んでいないようです。今朝いくらか風が強かった程度でした。
ということで、青空の映える、いつもの場所へ。
ここは田植えが遅いので、まだ稲は青々としていました。初秋というより晩夏に近いです。
賀茂川・北山大橋から上流を望みます。本当に抜けるような青空が心地よいです。
そして夕方。鴨川・丸太町橋からです。
もう一度、先の田園へ。
今日の雲模様からして夕焼けが美しくなると読み、近場の撮影スポット・宝ヶ池公園へと急ぎ移動します。
その途中の高野川沿い。まだ夏の名残か夕焼けも全方位に近く、東の空の雲も染まっています。
そして宝ヶ池へ。色づき始めです。これは間違いなく焼けます。
いち早く茜色に染まった、西空の雲。
だんだんと西の空が全体に色づいてきます。薄雲がかかっているとこんな感じになるものです。
南東方向にカメラを向けても、入道雲らしい雲の上端が色づいているのが見えます。
そして見事に焼けました。
さらに赤さも増して。
雲の赤みが引いていくと、その代わりに地平線から光条が放射状に放たれます。
いわゆる「残照」です。この日本語好きです。
暗くなってきた空、一日の終わりを飾るようです。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
初秋の煌き~雫のプリズム~
9月に入ったものの、この週末は真夏のような暑さが戻ってきたようです。
晩夏から初秋にかけてのこの季節は、「雨上がりの晴れた朝」という条件が整うなら、とりわけ雫が美しく撮れる時期です。「いつもの樹」にちょうどよい角度で日が射し、まぶしく照らすからです。
まだ季節は「晩夏」だった以前の投稿で、今年撮影できたものを紹介しました。
9月になってからは新たに撮れる機会はまだありませんが、過去の同時期の撮影から、見つけた宝をいくつかここで分け合いましょう。
梢のあたりを、イルミネーションのように飾ります。
真ん中の光が、橙へと色を変えます。
そして今度は紫に。左下の雫が青から橙に変わっていくのも注目です。
そして同じ日、こちらは一粒の煌きの変化です。
目の覚めるような青。これまでの青い輝きでも特にお気に入りの一枚です。
サファイヤからエメラルドへ。
青緑から、黄緑に近くなります。
そして黄色がメインの色あいに。
過ぎし日に出会えた、そして二度とは出会えぬ瞬間の宝です。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
空と海が同じ色~とけあう空と海~ 日本海編
以前に南紀の海での撮影から特集した「空と海が同じ色」の光景。
南紀の海ばかりでなく、日本海でもまたこの趣向で撮れたショットがありますので、今回はこちらを特集します。
まずは、若狭湾から。4年前の夏に旅した時のものです。
これは、初めて「空と海が同じ色」という光景をカメラに収められた時でした。このときはまだ「海が青くて綺麗」というだけで撮っていたのですが、改めて写真で見直してみると空とほぼ同じ色でとけあうような光景となっていて、魅せられたというものです。
画角を変えてもう一枚です。
場所は、この辺り。
もともとは三方五湖の風景を目的に行ったところを、足を延ばして海まで出たものです。いずれその旅の模様も特集したいと思います。
この時はとけあう……とまでいかず、水平線もくっきりしていましたが、でも空と海のいろあいはほとんど同じになっています。
下の地図にもある、大引の鼻展望台から。
岩も島も入れず、空と海だけにするとどこで撮ったのかもわからなくなりますが、それも一興ということでもう一枚。
南紀の海、太平洋はどちらかというと鮮やかに「空とは違う海の青」を主張する感じなのに対して、日本海は空の青さを素直に映したような、穏やかさを感じさせるブルーという違いがあるように私は思っています。
海の青、マリンブルーといっても、奥が深いものです。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。