京の晩夏の夕暮れ
昨日に続き、「晩夏の雫」でもう一記事書く予定でしたが、リアルタイムでお届けしたいものがありますので、変更します。
夏も終わりに近づいたこの日、見事な夕焼けに出会えました。
私の住む京都では、朝は晴れ渡っていたものの午後から雲が広がり、小雨も降るという微妙な天気。西の空も黒雲が広がり、夕焼けは望めないか……という空模様でしたが、なんか行ける気がしたのでとある高台の撮影スポットへ。
そして、こんな光景に立ち会えました。
過去の記事で、夕焼けに出会うためのポイントを特集しました。
この記事を踏まえて言うと、西空に黒雲が広がっていながら、太陽の沈むあたりでは雲が切れていて、晴れていたのがポイントです。
これなら日没後の残照が遮られず、雲を照らしてくれるかもしれない。そう読んだわけです。
地平線近くに黒雲が広がっている日は、こんなふうに一面に赤く染まる光景が見られることがあり、なかなかドラマティックです。白い雲が鮮やかに染まるのとは、また違った趣があります。
次第に、高い所の雲も赤みを帯びてきました。
より広角に空を収めてみるとこうです。今日のような黒雲はだいたい空の低い層にかかっていますが、こういう雲の場合高空にかかる雲に比べても、日没後間もない時間に染まる傾向があります。高い空にかかる雲ほど、後になって照らされるのです。
この辺で、見納めということでしょうか。
日の沈む位置もしだいに南に寄ってきて、秋の近づきを感じます。
ということで、今回もお読みいただきありがとうございました。
晩夏の輝き~雫のプリズム~
お盆を過ぎると、季節は晩夏と呼ぶのがふさわしくなります。朝型ライフスタイルの私としては、明るくなるのが日々遅くなってきているのもはっきり感じとれるところです。
今年はお盆過ぎから、あれほどの真夏の猛暑も少なくとも一時は和らぎ、早くも秋雨を思わせる雨の日が続いていました。昨日も私の住む京都でもかなり激しく降りましたが、今日は休み、午前中は晴れ間も見えたので、また森の宝探しのチャンスがやってきました。
まさに色とりどりです。
相変わらず強い日差しのなかでの撮影でしたが、前に撮った7月の時と比べると、日差しの角度も変わっています。太陽もかなり低くなっていました。こうして光の射す角度が変わるからこそ同じ樹で撮ってもその日その日で違う写真が生まれるわけです。暑さはまだまだ夏ですが、「光の季節」としては秋に近づきつつあります。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
Google Map から消えた地名
Google Map は本当に便利なので、私も色々と利用します。初めて訪れる土地を足でめぐる際にはナビゲーションとしても重宝しますし、それ以前に訪れる前に「予習」もできる。一説ではGoogle Earth を使えば世界中どこの風景もPCの画面上で見られるので、これが若い人たちの旅行熱を減退させた……とも聞きますが、さすがにそこまではいかなくても、訪れる予定の土地をこれで「予習」することは私もよくやります。私の場合目的には何より「写真」ですが。
けれども最近、Google Map で時々問題を感じます。いくつもの地名が消えてしまっていることです。
特に重大だと感じたのは、先の記事で紹介した南紀串本・紀伊大島の一大景勝地である海金剛が、地図上から消えてしまっていたことでした。
表示されませんし、検索しても出てきません(2019年8月22日現在)。
その近くで、「日米修好記念館」のものを貼ります。本来ならその右手に表示されていました。
記念館まで行けば現地の案内で辿り着けますが、そもそもGoogle で検索できないのはまずいでしょう。
私は南紀の景勝地を中心にレビューや写真もよくGoogle Map に投稿していますが、海金剛について私が書いたレビューも、他の人たちのものと同様、消滅してしまっています。投稿した写真も消えてはいませんが、「不明なお店」と表示され、位置情報がなくなっています。店でも何でもない景勝地なのに「お店」となるのが輪をかけて不思議ですが。
同様の事態は他のスポットでもいくつか起きていますが、海金剛というのは橋杭岩や潮岬灯台などと並んで串本を代表する景勝地であり、かつて(当然20世紀です)「21世紀に残したい日本の自然」の一つにも指定された名所です。これが消えてしまっているのは由々しき事態でしょう。串本町の観光事業にとってのマイナスはかなりのものと思われます。私はGoogle に情報追加(実際には再掲)を提案してみましたが、なぜか却下されています。
一因としては今年3月にGoogle が日本の地図作成にあたって従来のゼンリンとの契約を打ち切り、自社のデータに依拠することにしたことがあるでしょう。これに由来するトラブルはウェブ上ではいくつも報告され、ありもしない店名や道路、湖などが表示されることなどが起きているようです。けれども、「地名が消える」事態はそれ以前からも起こっていて、なぜ削除されるのか理由は不明です。
その夏も訪れた、同じ串本の「潮岬の鯨山見跡」も先日見たらやはりマップから消えていました。
かつて行われていた古式捕鯨で鯨の出現を見張った岬で、それだけに眺望も抜群のスポットです。
下の地図で言うと、潮岬灯台から少し小径を進んで岬の先まで行ったところにあり、少し前までは表示されていました。
まさか商業捕鯨を再開した日本の事情を踏まえて……ということでなければいいですが。
いずれにしても、便利なはずのGoogle Map にも大事な地名が抜けていることは少なくなく、かなり欠陥を含んだものであることは心してかかる必要がありそうです。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみの夏~海の表情いろいろ~ その2
前回に続き、この夏のすさみへの旅から。
今回も宿泊は「海のお宿」でした。
こちらからは夜、満天の星も見上げることができました。
そして宿を早々に出て、始発の電車で早朝の見老津駅に移動。朝ならではの海の風景を撮り歩きました。
こちらは駅前の海です。朝早くだからこそ、空の青さも深いものが感じられます。
こちらは前回も紹介した戎島を、国道上から。
方向を変えて、恋人岬方向に足を進めます。
早朝の婦夫波です。波はまだ弱かったのが少し残念でしたが、朝ならではの清澄な雰囲気のもとで撮れたことには満足です。
少し離れて黒島を望みます。
こうして朝の撮影のひとときを過ごしました。まだまだ涼しいなかで撮影できましたが、さすがは真夏というか、7時を過ぎるとすでに太陽は照りつけ、もう暑さが厳しくなり始めていました。
この後に、先の記事で紹介したように串本に向かったわけです。
その後、昼前に再びすさみに戻って最後の撮影機会でした。
こちらは過去記事でも紹介した名もなき絶景スポット。
地名がわからないので、どう呼んだらいいのか困っています。
それはともかく、立浦から黒島まで続く枯木灘の海をパノラマのように見渡せ、荒々しい岩場とともに、夏の空と海がとりわけ映える場所です。
こんな奇岩も。何に似ているといったらいいのでしょうか。
見老津駅、戎島の方向。やや逆光気味なので海面がキラキラしています。
また順光の方向に。岩の上に生える松が風情を添えます。
こちらは日本童謡の園から。
「海」の歌碑がぴったりです。
この日もまた、旧国道42号線へ。
海抜50mの高さから魚眼撮影。元国道ということで転落防止のコンクリートの低い塀は設けられているのですが、それでもこの断崖からの眺めはちょっと身がすくみます。
こちらは私のすさみ撮影の原点ともいうべき、黒島近くの岩棚。
やや逆光で黒島方向を望みます。
海の色も真夏らしくエメラルドを帯びていました。
二つの岩棚の間から。
と、今回もすさみのさまざまな風景をカメラに収めることができた旅でした。
8月最初の週末でしたが、この時すでに遠方では台風が発生し、接近中との知らせでした。少しずつ海も荒れ始めていました。
その翌週にも荒れた海を撮りたくてすさみに足を運んでいて、すでに比較の記事も書きました。
今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみの夏~海の表情いろいろ~
しばらく間が開いてしまいましたが、この夏のすさみへの旅で語り切れていないことはまだ多くあるので、これからその模様をお届けしていきます。
周参見駅から見える山上の高みに鳥居が建っています。
これ自体は今年の春の撮影です。どんな神様が祀られているのか気になっていましたが、現地の友人からの情報で、金毘羅宮とのことです。
いずれこの高さからすさみの海を望んでみたかったということで、朝早くに登っての撮影がこちらです。
稲積島が眼下に望めます。
より南寄りにカメラを向けてみるとこう。海水浴場に設けられた「いなづみアクアパーク」の様子まで見渡せました。
こちらは口和深のあたり。海のエメラルド色がとりわけ映える場所で、今回は海岸まで降りて先に進んでみました。
こちらは黒崎。荒々しい崖の岩肌が目を引くところです。
同じく黒崎から南の方向。岩礁と夏の青い海とのコントラストが映えます。
こちらは道の駅・イノブータンランドすさみの前から。
そしてこの5月に「発見」して以来、定番の絶景スポットとなった旧国道42号線。高浜海岸千畳敷方向です。
断崖から眼下を魚眼レンズで撮ってみるとこう。普通に撮るより絶壁感が増します。
干潮時だったので、この日は南紀熊野ジオパークの一つ・戎島にまで歩いて渡れました。彼方に黒島を望みます。
地図では離れ島となっていて、歩いて渡るには大潮の日の干潮時でないと難しい所です。
紀伊半島の土台をなす付加体の牟婁層群に、マグマが貫入して形成された火砕岩岩脈ということです。
このような岩は見老津の海岸のいろいろな場所に見られ、奇岩の群れなす絶景を形作っています。
惜しむらくはこのこの一帯で撮影に入ったとき、一時的に雲が広がって、青空の下で撮れなかったことでしょうか。
ということで、夏のすさみの表情、まだまだありますが今日はここまで。
今回もご覧いただきありがとうございました。
南紀の夏~串本町・潮岬より~
本州最南端の町・串本町。
先日の記事では過去に訪れた紀伊大島の海金剛・樫野崎灯台のことを語りました。
今回の南紀旅行では、串本町本土の潮岬が中心でした。本州最南端でも、本当に南端の部分です。
そこに広がる「望楼の芝生」から潮岬展望塔を望むとこうです。
海側を眺めれば、青々と広がる太平洋。空も文句なしの青さです。
けれどもこれだけでは足りません。芝生広場の端には、かなり険しいながら、海岸まで降りられるルートがあります。
そこを辿って岩場まで出てみると、こうです。
すでに遠くで台風が近づき始めていたためか波もかなり荒く、岩に激しく打ち寄せていました。
地理的にも紀伊半島の南端だけに波には特にさらされやすく、その浸食がこのような荒々しい奇岩を形作ったのでしょう。
こちらは別のルートから降りた海岸。
芝生の広場に戻り、遠くに海を望みます。
中ではさまざまなヴィジュアルの仕掛を用いて、南紀のさまざまな地形の成り立ちを解説していました。夏休み中ということで子どもたちも多く、見入っている様子でした。
そして潮岬灯台へ。
先の場所と比べると波は控えめだったようです。
ということで、今回は訪れたのは潮岬に限られましたが、青い空の下、荒々しい奇観をカメラに収める目的は果たし、成果十分。この後にすさみに向かいました。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
嵐の後に~雫のプリズム~
台風の影響で一昨日夜から昨日未明にかけては私の住む京都でも激しい雨が降り続きましたが、朝にはだいたい上がっていました。
予報は一日曇りでしたが、それに反して日も差し、青空も広がったので、しばらくぶりに雫を撮る機会も得られました。
雨上がりに晴れた森は、本当に宝箱です。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。