すさみより~穏やかな海と荒れた海~
先の記事で語ってきたすさみの風景は、8月の最初の週末に旅したときのことです。
でもその翌週末も、どうしても撮影に行きたくなってまた足を運んでしまいました。
荒れた海を撮る、絶好の機会と見たからです。台風がゆっくりと接近して海も荒れ模様になりながら、天気はまだ崩れない。そんな海でこそ撮ってみたいのです。
ということで、日帰りで撮影の旅を強行です。
見老津駅前では、ご覧の通りの荒れ模様でした。
この日の波の高さは予報では3mでしたが、手前の高さ3mはあろうという巨岩を超えそうな勢いです。
空が少し曇りがちだったのが気になりましたが、しだいに快晴に近くなってきました。コンディションは整います。
この激しさです。
ご覧の通り、荒れ気味の海のほうが、色鮮やかです。この独特の色あいに私は魅せられたのです。
立浦の岩の尖塔。
高さ10mはあろうという巨岩なのに、その真ん中を超えるところまで波がかかっているところに、この日の海の荒れ模様が分かろうというものです。
この岩棚は海面から3-4mはあるのに、それを優に越す荒波が打ち寄せています。
ここで、前週に訪れた時と、この時と、同じ場所での写真を比較してみましょう。
こちらは、上の岩棚を国道から見下ろして撮ったものです。
荒れるとこうなります。
こちらは恋人岬の婦夫波。
荒れると婦夫波もほとんど夫婦喧嘩です。
そして、海の色の違いにも注目してください。荒れている時の方が、色は鮮やかなのです。
こんなふうに、「荒れた海の美しさ」に魅了されて時々撮影に行っていますが、当然のことながら安全は最優先。確実に安全といえる海辺から離れた場所、高所からの撮影に徹しています。
今の季節はどうしても海難事故の悲しいニュースがたびたび報じられます。特に台風接近で海が荒れている時は危険です。
遊泳やマリンスポーツのように海に入るわけでなく、また磯釣りのように海辺まで出るわけでもない写真撮影でも、シャッターチャンスとばかりに不用意に近づけば、取り返しのつかない事態を招きかねません。
荒れた海の美しさは本当に魅力的ですが、当記事を読んで撮影にチャレンジしてみようと思い立った方がおられたら、くれぐれも海辺には近づきすぎず、波が絶対に届かない安全な場所(可能な限り高所)からの撮影に徹してください。「一発大波」といって、通常の倍以上の高さの波が押し寄せることもあるので、念には念を入れることに越したことはありません。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。