光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

ガイドブックではわからない京都の夕日・夕焼けスポット選

 これまでの夕景記事のまとめも兼ねて。

(注 初出2019年9月29日、2020年9月22日に桂川を増補、10月22日改訂)

 私の住む京都には、夕景を楽しみ、撮影するのに絶好のスポットがいくつもあります。

 京都のガイドブックでは神社仏閣をはじめとしたたくさんの名所は紹介されていても、なかなか「ここは夕日が綺麗」といった情報までは載っていないでしょう。またネット上では京都の夕日スポットをまとめたサイトはいくつかあるようですが、基本的には「有名どころ」中心で(確かに高台寺清水寺あたりから望む夕日は素晴らしいですが)、「この名所なら夕日に映える」といった情報のようです。本当に夕日・夕焼けそのものの美しさを堪能できるところ、そこで望む夕景の魅力を紹介しているわけではないようです。まとめている人もどこまで夕景をこだわって撮影しているのかわからないようにも見受けました。

 そもそも、有名寺社というのは夕景撮影には重大な問題があります。夕焼けが最も美しい時期である夏(秋ではありません)は日没が遅く、午後7時前後。この時間帯にはまず拝観時間を過ぎています。特別拝観期間でもないかぎり、「境内から夕日・夕焼けを撮る」ことはほとんど無理なのです。

 ということで、普段から京都の各所で夕景を撮影し続けている私として、自分の足で撮って回っているからこそわかる、ガイドブックや観光案内サイトでは決してわからないような具体的な情報、それぞれの場所まで含めて、京都の夕日・夕焼けスポットの数々を紹介していこうと思います。

 そこで夕景を撮るベストシーズンの情報もあわせてお知らせします。太陽の沈む方向、空の染まる方角などから、その場所で夕景がいちばん美しい、いちばん撮影に適したシーズンというのがあるものです。

 

アクセス:京都市バス銀閣寺前より火床まで40分程度。「銀閣寺道」下車なら+5分。

ベストシーズン:春夏秋

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 何といっても最高のスポットはここでしょう。そもそも京都でも随一の展望を誇ります。火床からは何にも遮られることなく京の街を一望できるので、夕映えに染まる街並みを見下ろし、空の広がりを楽しみつつ、夕日が西山に沈むまで見届けることができます。

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 山の上なので当然辿り着くまで相応の時間と体力を要すること、夕景を楽しんでから下山すれば当然暗くなるので注意が必要なことは、忘れないでください。

 

アクセス:京都市バス・近衛通/京大正門前下車、徒歩10分

ベストシーズン:春夏(夕日の沈む方角の関係です)

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 京都大学近くで、『徒然草』の吉田兼好でも有名な吉田神社のある吉田山の一帯です。

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 東山に登らずとも、沈む夕日を建物に邪魔されずに見届けられる高台であり、夕日撮影の穴場です。特に「夕日」そのものを撮りたいのであれば格好のスポットといえます。

 

アクセス:京都市営地下鉄烏丸線国際会館駅下車、徒歩10分

ベストシーズン:年中。ただし「全方位の夕焼け」を撮るなら夏です。

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 京都市街地としては北のはずれ、岩倉にあります。でも地下鉄国際会館駅が近いのでアクセスは容易です。

 このスポットの魅力は、なんといっても夕焼けの映り込みです。雲が華麗に赤く染まった日は、これを映す池の水面が美しさを倍にしてくれます。

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 また、夏に時として見られる「空全体が赤く染まる、全方位の夕焼け」を撮影するには最適のスポットです。池自体それほど広くはないので、周囲を回りながらいろいろな方角の染まった空を撮ることができます。

 山が近くまで迫り出しているので、夕日そのものは早く隠れてしまうことも注意です。

 

  • 広沢池

アクセス:市バス「山越」から徒歩5分(最寄りのバス停「広沢池・佛大広沢校前」は夕焼けの時間にはバスが出ていないので使えません)

ベストシーズン:春~初秋

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 洛西・嵯峨にある池。平安時代に遍照寺の池として造営された歴史ある場所です。

 こちらも池の水面への夕焼けの映り込みが絶品です。池の広さは宝ヶ池とほぼ同じですが、こちらは池の向こうに田園地帯が広がり開けているので、空の広がりがより実感しやすいと思います。

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 池の北側には回れないので、夕焼けの空が南寄りになる秋半ば以降は撮りにくくなります。また毎年12月には池の魚をとるための「鯉揚げ」という行事によって水抜きされるため、冬季には映り込みは見られないこともお気をつけください。

 

  • 鴨川

アクセス:京阪出町柳~七条間の各駅。北大路橋付近で撮るなら地下鉄烏丸線北大路駅

ベストシーズン:年中

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 視界が開ける川沿いは、格好の夕景スポットです。東岸から西の空の夕景を眺めるのもよし、また夕焼けがしばしば全方位にわたる夏であれば、橋の上から南北の夕焼け空を撮ると映えます。とりわけ北山の上にかかる雲が染まる光景は壮観です。

 川面まで夕焼け色に染まることがあるのも魅力と言えるでしょう。

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 市街地の川沿いならどこでも撮れますが、橋の上から南北の夕焼け空を撮るのであれば人通りの多い三条・四条大橋は避けたほうがいいでしょう。特におすすめなのは丸太町橋京阪神丸太町駅下車すぐ)です。

 

  • 上高野

アクセス:叡山電鉄三宅八幡駅下車、徒歩5分

ベストシーズン:5月末~7月初め

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 京都でもすっかり郊外になる、比叡山の麓にある田園地帯。私自身が思い入れの深い場所です。

 ここで撮影するなら、田植えから間もない時期が何よりです。水田に映る夕焼けが壮観です。ここの田植えは5月末~6月初めぐらいなので、その時期から7月上旬ぐらいまでがベストです。それ以降だと稲が育って水面が隠れてしまいます。

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 東に目を向けると、西日に映える比叡山もこれまだ美しい。夏なら東の空の雲も赤く染まり、比叡山の上空を飾ることもあります。

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 撮影の折には、くれぐれも田んぼの地主さんにご迷惑とならないようお気をつけください。

 

  • 岡崎疎水・夷川ダム

アクセス:京阪神丸太町駅京都市バス熊野神社前下車、徒歩5分

ベストシーズン:春分秋分の日周辺

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池の上の空が開けているので、季節によっては夕日を沈むまで見届けることができます。ちょうど真西の方向なので、夕日を撮るのであれば太陽が真西に沈む春分秋分の日周辺に限ります。

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なお、疎水沿いであれば、京都市動物園~美術館の辺りでも同じような条件で撮影することができます。

 

アクセス:阪急京都線西京極駅嵐山線嵐山駅、松尾大社駅など

ベストシーズン:年中

 

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 鴨川と並んで、京都の市街地を流れる川です。市街地中心からはやや離れていますが、鴨川より川幅がずっと広いので、空が大きく開けているのが最大の魅力。

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 空一面が染まる夕焼けを堪能するなら、川面への映り込みの美しさもあわせて京都では最高のスポットです。対岸が西山なので自然がいっぱいの風景で撮れます。

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 ほぼ南北に直線的に流れる鴨川と違って蛇行しているので、どのポイントで撮るかが重要。地図とその季節の日没の方向を照らし合わせて撮影場所を選んだ方がいいでしょう。ほぼ東西に流れているところもあるので注意が必要です。

 広い河川敷や中洲が所々にあるので、川面への映り込みを狙う場合はこれらにも気をつけてください。

 また山が近く太陽は早く隠れてしまうので、夕日撮影にはあまり向きません。太陽を狙うならむしろ朝日撮影に向いたスポットです。

 

 と、こんなところです。皆様の夕日撮影のお助けになればと思います。

 こちらの記事にご訪問くださる方は多いようですので、せっかくなので私の夕景撮影へのこだわりもぜひとも見てください。

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 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。