光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

南紀串本・樫野崎灯台

 今回は先の記事の続きです。

naosuke21036.hatenablog.com

 この海金剛を訪れた、その後です。

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 紀伊大島というのも結構広いのですが、海金剛から樫野のバス停まで引き返し、それからさらに1km強歩くとたどり着く、樫野崎の灯台です。

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 この灯台を望むように立つのが、今日のトルコ共和国の礎を築いた英雄、ムスタファ・ケマル・アタチュルクの像です。

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 串本・樫野はかつて1890年、トルコの軍艦エルトゥールル号座礁し惨事となりましたが、住民の懸命の救助活動によって69人の乗員の命が救われ、それ以来続く日本とトルコの友好関係の原点となった地です。アタチュルク像もこちらに移転されたものです。

 串本町全体が日本とトルコとの友好の町をうたっていますが、特に歴史的な地であるここには、トルコにちなんだものがいくつも見られます。

 こちらはトルコ記念館。

 かの海難で犠牲になった人たちの慰霊碑です。

 道沿いの柵にはトルコ絨毯が掛けられ、売られていました。 

 私はかつて出張でトルコを訪れたことがあり、その折にも観光地では土産物屋にトルコ絨毯が並んでいたのを見たことも覚えているので、懐かしいところでした。トルコアイスを打っている店などもあります。

 そして海を望みます。

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 この日の海は、こちらも荒れていました。

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 荒波が夕日の陰影でさらに迫力を増します。この辺りは南紀の他の地域に比べても波が激しいのは、紀伊半島の突端で黒潮の流れをもろに受ける位置にあるからでしょう。

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  この夏も先日、実はすでに串本を訪れているのですが、大島ではなく潮岬が中心でした。その時のことは後日また記事にしようと思います。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

鳥と夕景 その1

 空を入れずに夕景を表現する。そんな趣向で撮る場合、何か主役になるものを立てる、というのが一つの方法だと思います。夕焼け空や夕日という直接の主役がないぶん、別に何か主役になるものがあると際立つ、というわけです。

 ということで、今回を皮切りに、たびたびこちらで紹介していこうというのが「鳥と夕景」の写真です。

 まずは、アオサギ

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 とある夏の同じ日に京都・鴨川で撮影したものですが、すべて別個体です。

 波紋がアクセントになっています。惜しむらくは、左端で見切れてしまったこと。全体を収められればもっと決まったのに、というのが残念ですが、これはこれで良しとしましょう。

 では、今回もご覧いただきありがとうございました。

南紀串本・海金剛という絶景

 今回は、こちらでたびたび紹介しているすさみのお隣・串本町から。

 本州最南端の町・串本といえば橋杭岩も絶景として有名で、こちらもゆくゆく取り上げる予定ですが、今回は紀伊大島にある景勝地・海金剛を紹介します。

 3年前の夏に訪れた時の撮影でしたが、こんな所です。

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 ご覧の通り、鋭角的に切り立った奇岩が海に林立し、荒波が砕ける光景は圧巻です。

 名前の由来は朝鮮半島の名勝・金剛山で、それが海にあるように見えるところからです。

 その一つの岩をズームしてみると。

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 打ち寄せては砕ける波が、この荒々しい光景にさらに迫力を加えています。

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 少しズームを引くと、遠景に樫野崎灯台も見渡せます。

 これだけの絶景ですが、アクセスはちょっと大変です。

 以前はGoogle Mapにも表示されていたのに、なぜか消えてしまっていました。上の地図では、「日米修好記念館」(ここ紀伊大島はペリー来航に先立つ1791年、初めてアメリカの船が来航した場所です)のところからしばらく歩くと展望スポットにたどり着けます(もちろん現地にも案内板あり)。

 けれども、そこまで行くのもひと苦労。

 車でなら記念館の駐車場に停めて歩けばいいのですが、串本まで鉄道で来た場合は、そこからが大変です。

www.town.kushimoto.wakayama.jp

 こちらで案内されている串本コミュニティバスの「大島・出雲線」で串本駅から40分、「樫野」で下車しますが、そこから1km近く歩く必要があります。

 バスは1日6本しかなく、電車の時刻ともあまりかみ合っていないので要注意です。

 串本駅でレンタサイクルを借りる方法もありますが、片道10km程度を行く必要があります。1日2000円と結構かかります。

 まあ1999年の串本大橋の開通以前は紀伊大島とは連絡船で行き来するしかなかったようなので、その頃に比べたら格段に行きやすくなりましたが。

 ということで、展望所から反対側を眺めるとこう。

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「裏金剛」とも呼ばれ、鋭角的な岩はないものの、こちらも十分すぎるほどの絶景です。

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 この日は海もかなり荒れ気味でした。訪れたのが夕方なので、西日が生む陰影が迫力をさらに増している気がします。

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 少し歩くと、下にある阿野木漁港まで降りて、間近から撮影することもできます。

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 この日は昼過ぎまですさみを訪れていて、その後に串本に足を運ぶというスケジュールでしたので、来たのは夕方。いくら日の長い夏とはいえ一部の岩が陰になってしまっていて、もっと早くに来ないといけなかったのか……と思いつつも、西日のおかげで陰影が際立って迫力が増した面もあるので、なきにしもあらずだったかもしれません。

 昨年の3月に再訪しました。

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 この時は昼に訪れたので影なしで撮影できました。

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 前回の撮影時には日陰になっていた、最も鋭く切り立った岩もこの通りです。

 けれどもこの日は海が穏やか過ぎ、初めて来た時に比べると今一つでした。やはり海が荒れていてこそ絵になる風景という気がします。

 ここを訪れるなら、海模様までチェックしておいたほうがいいかもしれません(ただしあまりに荒天だと串本大橋が通行止めになります)。

  ということで。今回もご覧いただきありがとうございました。

京の夏の夕焼け

 以前の記事でも語りましたが、夕焼けのベストシーズンは、私が思うに秋ではなく夏。

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 今年は梅雨明けが遅く、しかもその間曇りや雨の日続きでしたからなかなか機会はなかったものの、梅雨が明ければ夕焼けに出会える日も増えました。

 ということで、私の住む京都で出会った夕焼けを今回は特集です。

 まずこちら。わが家からもほど近い、宝ヶ池公園から昨日の撮影です。

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 西の空には高積雲。この雲は染まるとは、ある程度夕焼けを撮っていると読めます。そこで仕事帰り、ここに移動。

 夕焼け空が水面に映って、美しさが倍になります。

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 さらに色も深まると。

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 ここだとどうしても池を入れたくなりますが、あえて外して空の高い所をカメラに収めるとこう。

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 かなり高い所の雲まで染まっていました。これも夏だからこそです。

 別の日から。

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 360°全方位というまでにはなりませんでしたが、宝ヶ池から見て北にある国際会議場の方角の空まで焼けていて、夏らしい広範囲の空が染まる夕焼けでした。

 池の周りを移動すればいろんな方向の夕空が撮れるので、ここは「全方位の夕焼け」を撮影するには最適のスポットなのです。

 こちらは先週日曜日に久々出会えた真紅の夕日。

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 私にしてみれば「夕日はこの色でなければ撮りたくない」ぐらいなのですが、西空に薄雲がかかっていたこの日は、その絶好のチャンスでした。

 夕焼け空ではなく夕日そのものは開けた場所で狙いたいので、この時は市内のとある高台に移動しました。

 これからも夏の夕焼けはたびたび出会えそうで楽しみです。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

青と紫の光~雫のプリズム~

 以前に公開した当記事が手違いにより消えてしまったので再掲です。

 

 この間の久々に訪れた宝探しの機会に見つけたものが多かったので、何回にも分けてその宝物の数々を紹介してきました。

 緑、そして赤・橙・黄といった暖色へと輝きを変える雫でしたが、今回は青・紫の寒色系です。

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 やはり青の光というのは清冽さもひときわ冴え、いちばん雫の光のイメージにも相応しい気がします。私も撮影機会のたびに、まず求めるのが青い輝きであり、青で満足のゆくものが撮れれば、その日の宝探しは成功だと感じるところです。

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 鮮烈なブルーから、こちらは淡い水色の光に。右上の薄黄緑の輝きとの対比も映えます。

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 少し紫がかりました。右上の方は鮮やかな青になっています。

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 紫に近づきます。

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 こちらは正真正銘のバイオレット。

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 赤紫の光もありました。

 こんなふうに、たった一つの水滴でもこれだけ違った表情を見せて光を放つのが、この「雫のプリズム」の妙。こんな得難い機会をくれた自然の恵みに感謝しきりです。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

 

すさみ海水浴場と稲積島

 近畿でも梅雨も明けて数日、季節はすっかり夏本番。この台風が過ぎると、冷夏などという予想を吹き飛ばすかのような暑い日が続きそうです。

 ここでまた、南紀すさみの話題を。

 夏なら海水浴!という方も多いでしょうから、こちらはすさみ海水浴場。

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 地図ではこちら。JR紀勢本線周参見駅(特急も停車します)から徒歩3分と、電車でのアクセスも非常にしやすい場所。駅を出てちょっと海の方へ歩くだけで、出迎えるように砂浜が広がっています。

 70台分の駐車場もあり、車でのアクセスももちろん大丈夫です。駐車料金は1000円ですが、後述する海の家での食事に使える500円のクーポンが付くので、実質500円といっていいでしょう。

 更衣室やシャワー、バリアフリーのトイレなどの設備面も充実していて便利です。

 上の写真は3月の撮影ですが、こちらは今年の6月に訪れた時の撮影。

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 海開きはもちろんまだでしたが、夏らしく海の色もエメラルドグリーンの濃さを増しています。

 この時は「荒れた海を撮る」ことを目的にすさみに足を運びました。

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 その成果は一連の記事でもご紹介したように十二分だったのですが、そんな海が大荒れの日ですらも、海水浴場のある湾内は上の通り穏やかでした。ですからお子様連れでも安心です。

 そして今年から、海開きの期間(7/19~9/1)には海の家「INAZUMI AQUA PARK」がオープンしました。詳しくは観光協会のFBページ

www.facebook.com

をご参照いただきたいのですが、すさみ特産のイノブタ焼肉・フランクやタピオカ入りかき氷をはじめとして飲食も充実していて、さらに魅力が増しました。

 シーカヤックをはじめとした海のレジャーもここで満喫できます。

 海も美しく、人込みでごった返すこともないだけに、穴場の海水浴場として、ぜひ足を運んでいただけたらと思います。

 まあ私自身は「泳ぎに」すさみへ行くことは基本的にないので、この地の美しい景観をさらに紹介していくこととしましょう。

 海水浴場の正面に見えるのが、稲積島という島です。神武天皇が東征する際に、稲を

この島に積み上げたという伝説からこの名がついています。南国らしく亜熱帯植物の群落があり、国の天然記念物にも指定されています。

 そして、この島をおさめた景観もまた美しい。

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 こちらは海水浴場の左手の道路を進むと行き着く、防潮堤の上からの撮影です。4月末に行った時のものなので、島では新緑色が映えます。

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 こちらは防潮堤の上から海水浴場に向けて撮った一枚。海上の鳥居は弁天さまの神社です。向こうにはすさみ大橋も、そして海沿いまでせり出した山々も望め、絶景ポイントとなっています。

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 防潮堤を伝えば島まで渡れるので、島から広がる海原を望むとこんな感じです。釣り人の姿も時折見かけます。ただ険しい岩場が続くので、先に進むのは大変です。

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 こちらは島とは反対側の海岸に出ての撮影。向こうに見える岬は「オン崎」といいます。

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  こちらは防潮堤の上から、島に打ち寄せる荒波を撮ったもの。昨年9月、遠方に台風が接近していたため海が荒れていましたが、だからこそ絵になるというものです。

 とこんな具合に、絶景としても魅力十分。「すさみ八景」の一つに選ばれているのも納得ということで、海水浴のついでに、こちらの景観を堪能するのもいいものです。

 ということで、この夏、皆様もぜひすさみにお越しを。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

空と海が同じ色~とけあう空と海~ その2

 以前の記事で触れた、空と海がほとんど同じ色で、画面の中で溶け合うような光景。

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 前回は白浜・すさみ・串本と、「紀南」にあたる地域からでしたが、今回は紀北・紀中からです。

 まず、こちらは白崎海岸。海洋公園の展望台近く、「シャクシの浜」と呼ばれるところです。昨年4月末に撮影しました。

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 別の時期(3年前の夏)に撮ったこの一枚と比較すれば、違いはおわかりでしょう。

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 こちらはその白崎海岸近くの、大引の海。
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 空と海の部分がほとんど一体となって、青一色のように見えるのがお分かりかと思います。

 こちらは湯浅駅から少し足を延ばした、西有田県立自然公園内の栖原海水浴場です。

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場所はこの辺りです。

 こちらは、以前に海駅として紹介した冷水浦駅からしばらく歩いたところ。

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 晴れた日だからといってこうなるとは限らず、「狙って撮る」ことは難しいのですが、何度も出会い、カメラに収めてみたい光景たちです。

 では、今回もご覧いただきありがとうございました。