久しぶりに、南紀すさみの話題から。
今までの記事で立ち入って紹介していなかったところで、夏には海のエメラルド色がとりわけ鮮やかに映える、口和深の辺りをとりあげましょう。
これは、2年前の真夏に訪れた時。
ご覧の通りのエメラルド色。エメラルドの海といえば沖縄や南太平洋のイメージがありますが、本州最南端に近いこの地でも、夏ならこうやって出会うことができます。
地図ではこうです。
見た目はエメラルドグリーンであっても写真に撮ると青寄りの色になってしまうことが多く、なかなか写真にうまく目で見た印象を残すことは容易ではなかったりします。
海沿いに道路(国道42号線)が続くのはここまで。この岬の反対側がフェニックスの褶曲に続いています。
海がエメラルド色に見えるのはどんな時、条件かは、こちらの記事で語りました。
海が青く見えるのは、波長の長い色の光は水中では吸収されてしまい、波長の特に短い青の光だけが散乱するからです。でも水中を進む距離が短ければ青の次に波長の短い緑の光も吸収されない。だから浅瀬のあたりは澄んだ水でも緑色がかって見える。
また夏の昼間であれば太陽が垂直に近い角度で射し、それだけ水中を進む距離が短くなるので、緑の光も吸収されきらない。
というわけで、夏の遠浅の海なら、南の島まで行かなくても、エメラルド色に出会えるチャンスがある、ということでした。
ここ口和深は、その条件を満たしているということでしょう。
海岸美もなかなかです。こちらは去年の6月、荒れ気味の海の日に撮影に行ったときのもの。
波が打ち寄せやすい位置にあるためか、荒々しく削られた岩場が目を引きます。
荒れ気味の日の方が、海の色はより色鮮やかです。
同じ場所でも海の荒れ具合で印象が変わります。
なお、ここから道路はしばらく海沿いを離れますが、100mと進むだけでこんな光景も。晩夏の撮影です。
この景色だけを切り取ったら、山村のように見えてしまいます。
でも後ろを振り返ればさきほどの海なのです。
海も山も川も、美しい自然風景が広がるのが、周参見なのです。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。