夕焼けは、西の空だけではない。
これは、夕景撮影では絶対に心得ておいた方がいいポイントです。
特に夏であれば全方位の空が染まることがあり、言い方を変えればどの方角の空が焼ける可能性もあるので、西の、日の入りの方角だけに集中していると、他の方角に現れた素晴らしい夕焼けを見逃すおそれがあります。
単に意識を日の入り以外の方角にも向けるだけでなく、どの方向に撮ってもいい写真になるような撮影ポイントを選ぶのというのも大事です。
まさに今日は、東の空が華麗に燃え上がった日でした。
夕暮れ時に鴨川に足を運んでみたものの、その時間には西の空は晴れ渡っていて、染まる雲もほとんど出ていません。日没方向にカメラを向けても期待はできなさそうでしたが、目を東に転じると。
比叡山のちょうど上空に、夕焼けに染まりやすい巻雲などの高層雲がかかっていますから、これはもしかして、と思い、時を待ちました。
果たして、東の空が、色づき始めます。
燃え上がってきました。
広い範囲が、夕焼け色に染まっていきます。
いよいよ赤みを増して。東の空がこんなに染まるとは、まるで朝焼けです。
京の晩夏を彩る真っ赤な時間です。
南寄りの、大文字山の方向にカメラを向けても。月も写っています。
西の空が晴れ渡っていたので、地平線下に没した太陽の光が遮られなかったこと。
東の空に、落日の光が届きやすい、高空の雲が出ていたこと。
この条件が重なって、東空の華麗な夕焼けが実現したのでしょう。
もう8月も終わりですが、こうやって東空も染まるような夕焼けが見られるとは、季節はまだまだ夏だと実感します。
もちろん気温で言えば、梅雨明けが遅かった分が残暑に繰り越されたかのように猛暑の日々が続いていて、とても秋どころではないのですが。
ちなみに今日は、朝焼けも綺麗でした。
ご覧の通り、夕焼けとほぼ同じ方角の空が焼けています。
朝焼けも夕焼けも同じ方角の空が焼けるとは、これまた珍しい一日でした。
ということで、今日もご覧いただきありがとうございました。