その折に衣奈の山道から海を望む光景について紹介しましたが、時期によっては「みかん畑の山腹がオレンジ色に染まる」光景が見られます。
実は昨日、それを第一の目的に、こちらに再度足を運んでいました。ですが「みかん畑から望む海」も撮るには撮れたのですが、まだみかんの色づきが今一つで、過去訪れた時よりいいものは撮れませんでした。
ですのでその趣向の写真は後にしますが、それを抜きにしても撮影成果十分の旅でした。ということでまず、白崎海岸。昨年の台風で被災し、閉鎖されてから、一部復旧されたとの報せを受けて以前にも特集しました。
その後初めて訪れます。まだ再開されているのは道の駅と展望台のみでした。
でも、絶景は健在です。
晩秋の濃青の空に映える白亜の断崖。
そして展望台から。
シャクシの浜。
公園から少し離れて遠望。
ここで注目していただきたいのが、海の色です。
過去の真夏(7月の梅雨明け直後)に撮れた下の3枚と比べてみてください。
いずれも一日で一番明るい真昼の撮影ですが、画面の明るさに加えて、海の色もこんなに違います。
季節による海の色の違いは、何より光の違いです。光の入射角度しだいです。光が水中を進む距離が長いほど長波長の光は吸収されますが、水深が浅ければ青の次に波長の短い緑の光も吸収されないので、浅瀬ではエメラルド色に見えることがあります。
夏の昼間は日が垂直に近い高さなので、水中を進む距離がそれだけ短くなり、緑の光も吸収されきらない。だから初夏から夏にはエメラルドの海が見られます。緯度の低い熱帯地方では太陽高度は年中高いので、いつ行っても海はエメラルド色であるわけです。
秋から冬にかけての季節は太陽が低いので光は斜めから射し、その分水中を進む距離も長くなりますから、緑の光も吸収されやすく、海のエメラルド色はほとんど見られなくなります。
立冬を過ぎたこの時期は、気温ではずいぶん違いがあっても、光度の点ではほぼ真冬と同じ。日の長さや南中高度は2月初めに相当します。そんなわけで、海も濃紺といっていい色を見せるわけです。
これから冬にかけて続く藍色の海は、視覚的にも寒々とした雰囲気を醸し出しているように思います。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。