光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

早春の鳥毛洞窟

 前回に続き白浜町日置・志原海岸から。今回は鳥毛洞窟での撮影をお届けします。

 鳥毛洞窟については、以前の記事でも紹介しました。

naosuke21036.hatenablog.com

 こちらは2年前の暮れに訪れた時の撮影からでした。1年で最も光の弱い時期だったこのときとは違って、春の陽光の下で撮ってみたい。それが今回のテーマです。

 地図を再掲します。

 ベアーズロックからさらに西へ。降り口まで自転車道が整備されているので、そこまでたどり着くのは容易です。そこからやや険しい勾配を歩いて下って海岸に降ります。

 この辺りは岩場も平坦で歩きやすいところです。向こうの崖の地層を見るとほぼ平行に積み重なっていて、この辺りは大きな地殻変動の影響を受けていないことがわかります。だから下の波蝕棚もほぼ平らです。

 右側には、鳥毛洞窟とは別の海蝕洞も見られます。この辺りには、長い年月をかけて波が崖の斜面を穿ってできた洞窟が点在しています。

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 海食崖沿いに歩いて、洞窟に近づきます。

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 足元を見やると、海底に堆積した泥が岩石として固まるまでについた跡が、そのまま残っています。生き物が這いまわった跡も見られ、「生痕化石」と呼ばれます。

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 振り返ると、遠くにベアーズロックも望めます。

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 そして洞窟の入口へ。何の案内板も出ていないので、初訪時はただの崖の窪みかと思っていちど通り過ぎてしまったこともありましたが、もう間違えません。

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 洞窟の中を覗いてみると。高さ10m、奥行きは30mあります。これだけの穴が穿たれるには、人間のスケールをはるかに超えた年月がかかったことでしょう。自然の造形には、いつも目を瞠らされます。

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 そしてここに来たらこのアングルでの撮影が定番。洞窟の中から青い海を望みます。

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 洞窟は2つあり、もう一方の洞窟の中から。

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 ちなみにこちらは一昨年の12月に撮ったもの。冬至の時期と春分の日の頃とでは、真昼でも明るさはかなり違いがあることがおわかりでしょうか。海の色もなんとなく違います。

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 改めて今回の撮影へ。洞窟の中にすでに海水が入り込んでいます。反対側に渡るには奥まで進んで、水が来ていないところまで行く必要がありました。

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 というのも今回はタイミングとしてはぎりぎりでした。

 前の記事でも書きましたが、ここ鳥毛洞窟を訪れるには、絶対に干潮の時間帯を選ぶ必要があります。潮が満ちていれば洞窟どころか岩場一帯が水没してしまい、たどり着くことができません。

 訪れた春分の日は、気象庁の潮位表ほチェックすると白浜では干潮時刻は10時50分頃。12時に到着予定で、これならまだ余裕があると読んでいました。ところが周参見駅からレンタサイクルで向かう途中、撮りたい風景をいろいろ見つけて、撮影に道草を食いまくった結果、着いたのが12時半を過ぎてしまいました。

 次第に潮も満ち始めていたのです。

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 本当は向こうの志原千畳敷にまで渡って撮影したいところでしたが、これから潮は満ちる一方、引き返せなくなったら最悪ということで、洞窟での撮影までで撤収することにしました。

 その帰路では、岩場から海の撮影を重ねながら。

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 この日は海もやや荒れ気味。海の色は、静かな時よりも荒れている時の方が色鮮やか。以前の記事で触れました。

naosuke21036.hatenablog.com

 今回もご覧の通りです。波しぶきもあがって、いっそう絵になる光景が撮れます。

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  ということで、こちらでも相応に満足のゆくものが撮れて、後にしました。

 ちなみに前回のベアーズロックは、洞窟を訪れる前後にそれぞれ撮ったものです。望遠撮影は洞窟の近くからでした。

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。