先の記事で触れたように、鳥毛洞窟は満潮時には岩場が水没してしまって行けません。着く頃には干潮時刻から1時間以上が過ぎていて、これから潮は満ちてくる一方ということで、とにかく早く着いてこちらでの撮影をまず完遂する。それがもともとの予定でした。
これが車での移動であれば、目的地を目指して一直線だったでしょう。けれども今回は周参見駅からレンタサイクルでの移動。10kmほどの行程にはどうにもカメラを向けたくなる絶景が次々と目に入りますから、つい自転車を停めては撮影するという道草を重ねてしまいました。最高の青空にして、海も荒れ気味という理想的な撮影条件なのだからなおさらです。
天気が崩れそうな気配はまずなく、帰り道で撮ってもいいかもしれませんが、時間帯が変われば太陽も動き、順光で撮れなくなるかもしれない。この条件での撮影は逃せない……ということもありました。結果として目的の鳥毛洞窟への到着が遅れ、潮も満ち始めていて安全に撮れるのはぎりぎりに近いということになってしまったのは、咲の記事で書いた通りです。
そんなわけで、今回はすさみ~日置間のコースで道路から撮った絶景の数々を取り上げていきましょう。だいたい海沿いの県道243号線からの撮影です。
まず周参見駅を出発して、最初のトンネルを抜けたところ。早春の青空と日差しに青い海も映えます。
やや逆光ぎみに撮ると、荒れて波立っている海はキラキラと美しい。日も高くなってきたので太陽が直接カメラの方向に射さず、逆光撮影もしやすくなってきています。
すさみ町と白浜町の境界辺りで。道路沿いに咲いていた黄色い花越しに海を望みます。ここは小石ノ鼻と呼ばれる岬です。先端が細く張り出していることから付けられた名前でしょうか。
岬により寄って。ここからの眺望はかつては公式「すさみ八景」の一つに数えられていた、「潮来橋から望む枯木灘」です。前から撮ってみたい風景でしたが、何度か通った時も天気が今一つだったり逆光だったりでうまくいかず、ようやく満足のゆく一枚が撮れたように思います。
そして日置川の河口へ。ご覧のように河口付近には大きめの中洲があり、中芝と呼ばれます。工場や会社の建物、船着き場などが設けられ、利用されています。
ここまでが往路。魅力的な風景がいくつも入って撮りたい誘惑に耐えられず、30分以上は余分に使ってしまいました。
なんとか鳥毛洞窟も潮が満ちる前に撮影できて、ここからは帰り道です。
ふたたび、日置川河口。橋の上からの撮影です。
橋を渡り切って、河口から広がる海を望みます。漁港と日置の町並み、そして遠景にはさっき撮ってきた志原海岸が広がります。
こちらは安宅崎という岬。地図にも表示されています。降り口には用途は不明ですが建物が一軒あり、その前には自販機もありました。
行きと比べても太陽が西に寄ってきたので、逆光の度合いが増します。左手側のキラキラが眩い。
海岸まで降りて。こちらが左の逆光方向。
こちらが右の順光方向で、岬の側です。
遠景から望むと。この辺りは典型的なリアス式海岸(最近では「リアス海岸」の呼び方になっているようです)なので、行くところ行くところに岬があります。
そして周参見駅も近づき、オン崎を望むところまで。岬の上に立つのは今や廃墟となって久しいホテル・シーパレスすさみですが、遠景ではまだまだすっかり景色に溶け込んでいます。
ということで、移動区間でも存分に海の撮影を堪能できた今回の旅の前半。
この後、当然のようにすさみでの撮影に入りましたが、それはまた後の記事で。
今回もご覧いただきありがとうございました。