すさみ八景プラス八景 まとめ(一覧)
絶景でいっぱい、いたるところに見つけられる魅惑の地・南紀すさみ。
公式の「すさみ八景」では足りない絶景スポットをさらに8つ選んで紹介する企画「すさみ八景プラス八景」でしたが、先の記事で8つ出揃い、ようやく完結しました。
ということで総集編、一覧記事です。「プラス八景」のそれぞれの記事へは、このページからアクセスしてください。
1. フェニックスの褶曲
2. 立浦の岩の尖塔たち
3. 黒崎naosuke21036.hatenablog.com
4. 松の下
6. 高浜海岸千畳敷
7. 旧国道42号線から望む絶景
8. 「おおは」の岩の造形美
全部私が勝手に選んだものですが、このすさみの自然美に魅せられ、好きすぎてその魅力を伝えたいばかりのことなので、地元の方にもお許しいただければと思います。
実際は「プラス八景」ではまだ足りないのですが、ここはやはり公式の「すさみ八景」と数は揃えたほうがいいということで。
ということで、この記事をご覧になった皆様も、ぜひこのすさみという土地に実際に足を運んで、その目でこれらの風景を眺め、そのカメラに収めてみてください。
どの景観も個性的なうえ、ちょっと角度を変えて撮ってみるだけで一つひとつが全然違う風景になることは間違いありません。もちろん「インスタ映え」も保証します。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その8 「おおは」の岩の造形美
風光明媚なすさみ町のなかで、公式「すさみ八景」に加えてさらに八つの知られざる絶景スポットを取り上げる企画「すさみ八景プラス八景」。今回がいよいよ最後となります。
すでに取り上げた松の下、立浦からさらに国道を進んで、恋人岬の手前当たりにある岩礁です。
地名は地図には表示されていません。地元の人に訊いたところでは、「おおは」と呼ぶそうです。「は」は磯釣り用語で磯・岩礁を意味する「ハエ」からきているとのことですが、「ハエ」自体の漢字表記が調べてもわからなかったので「おおは」をどう漢字で書くのかも不明で、とりあえず平仮名で表記しておきます。
磯釣り客向けの看板が立っているあたりに降り口があり、近くには何台か車が停められていることもあります。
降り口のあたりから眺望するとこう。二つの岩棚が海に向かって張り出しており、その間が入り江となっている独特の地形です。
上は早春の撮影ですが、こちらは真夏。空の青さ明るさも、海の色も随分違うのがわかります。
こちらは海が大荒れだった別の夏の日。
海岸に降りるまではかなり急な斜面ですが、補助用のロープが設置されているのでそれを頼りにします。
そして降り立ってみるとまずこんな感じ。地層が何重にも折り重なり、上の層が割れた部分から層面が平らに露出している。このダイナミックな自然の造形が目を引きます。
初冬の夕映えに照らされて。
二つの岩棚の間の入り江。リフレクションも美しい。
間の岩場から、奥の岩棚の方に渡ることができます。
そして岩棚に上って見下ろすと、この海の澄んだ青さに目を瞠らされます。
すさみで初めて本格的に撮影したのが7年前の春、まず私を魅了したのがこの海の青い透明感でした。
続く夏の撮影では、海の色もややエメラルドを帯びます。
岩礁の先端まで進んで、立浦方向の海を望みます。こちらは冬。
こちらは真夏。海が荒れ気味なのが色鮮やかさを増していることもありますが、冬と海の色、空の色、背景の山の緑を比べてみてください。
岩場の先はだいぶ低くなっており、波が打ち寄せるぐらいのこともあります。海がひどく荒れて波が高いときにはこの岩の上でも安全とは言えないので、注意が必要です。
反対側を望むとこう。逆光にエメラルドの海が映えます。
向こうに見えるのは黒島。真夏の陽光をきらめかせる海とともに。
位置を変えて。右手側の岩の造形美にも注目。
岩棚を降りて、立浦の方向に向かっても、奇岩はとりどり。真夏の浅瀬はエメラルド色です
奇岩の上に松が負い告げる荒々しい景観。
逆に恋人岬方向にも、海上にこんな奇岩が見られます。
フェニックスの褶曲ほどではないにしても、この辺りにもところどころ、ぐにゃりと曲がった(褶曲した)地層が見られるので探してみるのも一興です。
ここ「おおは」は、すさみでは見老津駅前を離れて、初めて本格的に海の風景を撮影したスポットなので私には思い入れが深いです。とにかく奇岩が豊富なので、どこで撮っても個性的な一枚になる。同じ岩でもアングルを変えてみれば違った見え方になるので、海や空の条件とあわせて、撮るたびにその時だけの、かけがえのない一枚が出来上がります。だから、今も必ずすさみでは外せない撮影スポットになっています。
皆様もぜひここに足を運んで、自分だけの一枚を見つけてみてください。
最後に海が激しく荒れていた去年の夏の日。このときは岩場に近づくのも危険なほどでしたので、離れた安全な場所からの撮影です。
岩棚の上まで、まともに大波が押し寄せていました。
こういう時は、確実に安全な場所からの撮影を心掛けたいものです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その7 旧国道42号線の断崖から望む絶景
連続企画「すさみ八景プラス八景」も完成が近づいてまいりました。ラストの前は、本当に隠れ絶景スポットとしか言いようがない場所を紹介します。かつて国道42号線として使われていた、今は山中の小径となっているコースです。
地図では以下の通り。
今は道路としては使われていないので、廃道扱いでGoogle Map 上には表示されていません。現在国道の一部になっている黒島トンネルの横です。
地図には載っていませんが、アクセスはもちろん可能です(でなければここで写真で紹介することもできません)。前記事の高浜海岸千畳敷からも入ることはできますが、反対側の、黒島トンネル東側から入った方が近いし、わかりやすいところです。
トンネル入り口の手前に、こんな砂利道があります。ここが入り口です。車でのアクセスの場合、道路を挟んで左側に駐車スペースがあるのでそこを利用するのが良いでしょう(一応途中までこのコースに乗り入れることはできますが、引き返しが大変です)。
進むとトンネル入り口の上を通ることになり、こうやって道路と海が見渡せます。駐車スペースは向かって右側に見えます。
ずっと未舗装の道。国道として使われていた頃からそうだったのでしょう。車一台が通るのがやっとで、すれ違うことはできません。国道として利用されていた時代には、対向車があれば途中の待避スペースを使ったようです。
ということでしばらく進むと、海が見えてきます。海側には一部、転落防止用に膝元ぐらいまでのコンクリートの塀が設置されていて、国道としてそれなりに整備されていた跡がうかがえます。
そして眺望の開ける場所へ。恋人岬や江須崎といった、公式「すさみ八景」の名所も遠望できます。
ここまで来たら、あとは凄まじいまでの絶景の展望をお楽しみください。
正面には、青々と広がる大海原と、左に陸、右に沖と、2つの「黒島」。
上は順光の夏の日ですが、こちらは逆光の早春の日の撮影。雰囲気の違いも比べてください。
ここは、恋人岬の婦夫波を側面から眺められるビューポイント。
正面から見るこちらとは、また違った楽しみ方ができます。
陸の黒島と恋人岬を見やりながら、眼下に視線を移します。
高さは海抜約50m。白浜の三段壁に匹敵し、(初代)ゴジラの頭の上に乗ったのと同じ高さからです。ほぼ垂直な断崖の上から見下ろすと。
吸い込まれそうです。魚眼にしてみるとさらに迫力が増します。こちらは海がエメラルド色だった真夏です。
海が荒れている時に魚眼で撮るとこの迫力。
ご覧のように転落防止用の塀はあるとはいえ、ちょっと身がすくむところです。
右手側の眺望も壮大なのですが、それを楽しむにはもう少し先に進みます。すると芝生の生えた、やや開けた場所に出ます。おそらく国道時代には待避所として利用されたスペースです。ひと休みするのもここがいいでしょう。
ここから望めるのは海辺まで険しく切り立った稜線と、高浜海岸千畳敷。
芝生が青い、初夏の時期の撮影はこちら。
本当に海辺まで険しい山が迫り出しています。
海が荒れ気味の日。
ご覧の通り、この辺りには転落防止の塀も設けられていないので、身を乗り出しすぎないようにご注意。
ここから千畳敷を望遠すると。
千畳敷も全貌を見るには、むしろここから遠望した方がいいようです。
このスポットを「発見」したのは去年の5月に訪れた時。もっと早くから知っておくべきだった、と後悔です。この後、すさみ撮影旅行時には、フルコースで楽しもうと思ったらメニューが一つ加わりました。
ということで、この絶景スポットは、皆様もぜひその目でご覧になっていただければと思います。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その6 高浜海岸千畳敷
絶景でいっぱいの南紀すさみ、公式の「すさみ八景」では語り尽くせない魅力を取り上げた企画「すさみ八景プラス八景」。
今回は第6弾で、千畳敷は千畳敷でも名の知れた南紀白浜のそれではなく、すさみにあるスポットを紹介します。
高浜海岸・千畳敷というところです。
こちらはGoogle Map にも出ています。
国道42号線・黒島トンネルの入り口近くにあります。西から向かうなら、すぐ手前に道の駅・イノブータンランドすさみ。
その前の「大串湾」もなかなかの景観です。
ここからトンネル方向に国道を進むと、この辺りが高浜海岸。向こうに見えてくるのがここで紹介する千畳敷です。
さらに近づくと、はっきり見えます。
ここは「プラス八景」で取り上げたスポットには珍しく、ちゃんと案内板も立っています。右手に立つのはすさみ町のシンボル・イノブータンランド大王の像。海上の安全を呼びかける碑文も刻まれています。
近くには駐車スペースもあるので、車でアクセスするならここに停めます。そこから歩くと、道沿いには黄色い花を咲かせる海岸植物が茂っています。キク科のようですが、名前をご存じの方がおられたらご教示いただきたいところです。
道の途中には、こんな地層の形がそのまま浮き出た巨岩も。そばの崖から切り離されてできたものでしょう。
そして千畳敷を望みます。干潮でも歩いては渡れないので、岩場から遠望するばかりです。渡船があれば上に立つこともでき、たまに磯釣り客も見かけます。
白浜の千畳敷と比べるとそれほどのスケールはありませんが、砂岩が削られて平坦な岩場となっているのは、白浜と同じです。
望遠で、逆光できらめく海とともに。
これだけでも十分見応えのある絶景スポットですが、さらに奥に進むとこちらの眺望も素晴らしいところです。
荒々しい岩場に、右がわに遠望できるのは沖の黒島。
左手側の岸壁は、よくみると地層の重なりがいくつもずれているのがわかります。「不整合」と呼ばれるもので、何度も地殻変動に見舞われ、平らな面が変わったということでしょう。こんな地層が出来るまでにどれほどの悠久の年月が過ぎたかと思うと、大地の営みのスケールも感じられるところです。
さらに奥に進んで。
引き返して、ふたたび千畳敷を望みます。
こちらはとある場所から千畳敷を望遠で切り取ったもの。どこからの撮影かは、次の記事で取り上げようと思います。
「プラス八景」のうちでも比較的アクセスは平易なところなので、すさみに足を運んで、ぜひともこの海岸美を堪能してみてください。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その5 熊野古道・馬転坂から望む枯木灘
絶景にあふれた南紀の田舎町・すさみで、公式に「すさみ八景」に選ばれたものにとどまらない、私の見つけた絶景を並べた「プラス八景」。今回は第5弾で、熊野古道・馬転坂からの展望を取り上げます。
すさみ町には熊野古道・大辺路が通っており、見老津駅近くまで出ている長井坂は、古道歩きの客もしばしば訪れます。古道の中でも海の眺望が素晴らしいコースとしても知られています。
私も歩いたことがあって、前の記事でも取り上げましたが、この通りです。
でも、海の眺望にかけては、熊野古道の一部でもっと素晴らしい場所があります。それが「プラス八景」その5として取り上げる馬転坂です。
周参見駅から国道42号線を海に沿って左手方向に歩き、生コンの向上の横の入り口から入るコースです。ですが途中までは「馬が転びそうな」という名の通りかなり険しい上り坂があるので、ここで紹介する海の眺望が目的なら、国道をさらに進んでトンネルを出たところにある、方向的には出口にあたるところから入った方が楽にたどりつけます。
ということで、地図ではこの通りです。
長井坂とは山中のルートでは繋がっておらず、行き来するには国道42号線に出る必要があります。
ともあれ、このコースを歩くと、山中にこんな開けた場所が出現します。
明らかに何らかの開発目的で切り拓かれながら中途で放棄されたため、こんな草原になっています、所々に松も生えており、このまま人の手が加わらなければ、やがて元の森林に還っていくでしょう。
古道には観音様の像が佇み、道行く人を見守っています。
そしてこの草原からは、海も見渡せます。
彼方に見えるところから、より海沿いに出てみるとこう。青い海に、向こうにはフェニックスクリフのある和深崎まで一望できる絶景です。
ここまでは昨春の撮影ですが、夏に、観音像の立つ高台の上から撮影したものだと。
8月なので草原も青々としていて、夏らしいエメラルドの海との対比も鮮やかです。
草原の広さも実感できます。
望遠で見下ろす海にスポットを当ててみるとこう。トンネルの出口あたりですが、串本の海金剛を思わせる尖った岩が並ぶのもなかなか壮観です。
と、長井坂に比べても、開けた高い場所から海を見渡せるスポットとしておすすめであり、「なかなか紹介されない」という意味でも、「プラス八景」の一つに数えたいと思うわけです。
この下にある国道沿いの海辺は口和深と呼ばれ、海岸に降りて撮っても、こちらも奇岩とりどりで、写真に撮るたびに一つひとつが個性的な絶景になります。
波が激しく打ち寄せやすい場所なので、削られた岩の形もそれぞれ特徴的です。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その4 松の下
絶景でいっぱいの南紀すさみ町で、公式に選ばれた「すさみ八景」にとどまらない、知られざる絶景を紹介する「プラス八景」。
今回の第4弾は、「松の下」と呼ばれるスポットです。
これまた地図には載っておらず、地元の方に教えていただいた地名です。「松の下」という表記で合っているのかどうかもはっきりしないのですが、違っていたらごめんなさい。
紀勢本線・見老津駅で電車を降りると、駅前には最高のオーシャンビューが開けます。
そこから、ほど近くにある隠れた名所です。
駅を出て右手方向に国道を進むと上り坂になりますが、そこで左側に小道があります。この小道に入ると民家が何軒か並んでいます。「白石神社」という小さな神社があって、Google Map にも表示されています。
ここから少し進んでよく見ると、海岸に降りるルートが開かれています。
やや険しくて、ある程度動ける靴でないと厳しいかもしれません。でも途中に石段もあったりして、海岸への降り口としてそれなりに整備はされているらしいです。
すさみに何度となく足を運んだ私も、さすがになかなか気づきませんでした。
ただ国道上から見下ろして、この海岸にもなかなかの奇岩があって、もし降りられるなら見応えもありそうだけど……と思っていた程度です。
最初に気づいたのは2年前の夏。降りてみるとこんな絶景スポットが駅からすぐの場所にあったとはびっくりでした。それ以後、必ず訪れたい撮影ポイントに加わっています。数年前に比べてもそういうスポットが増えて、フルコースで撮影しようと思うとメニューが多くスケジュールもかなりきつくなった感があります。
やや大きめの岩石が転がった海岸です。背後の崖がそのまま崩れて転がっているのでしょう。
立浦のほうはもっと小さめでした。砂利というほど小さくはないのですが、手に取れるほどの大きさの石です。あちらは川が流れていたのか、あるいは打ち寄せる波に削られたためでしょう。
そういうわけで歩くにはちょっと気をつける必要はあります。
遠景には恋人岬、黒島も見渡せます。
そして「青い海に奇岩が群れなす」という、見老津の海らしい光景をここで望むことができます。
いくら海の青さが綺麗でも、ただ一面海が広がっているだけでは没個性的で、面白みに欠ける。こうやってとりどりの形をした岩が並んでいるからこそ、いっそう絵になるというものです。角度を変えればそれだけ見え方も変わるので、一つひとつのショットが個性的な一枚になります。
対岸には「その3」で紹介した立浦があり、岩の尖塔も見えます。
このときは対岸にはかなり高い波が上がっていた様子です。
そしてこの海岸ではランドマークとなっている巨岩。
立浦の岩の「塔」のような形ではないですが、高さは7-8mあり、なかなかの迫力。
頂には松の木が茂っており、ひょっとするとこれが「松の下」という地名の由来かもしれません。
より近づいてみると。
角度を変えて。これを撮影した去年の夏は、海が大荒れでした。
見老津駅方面に向けて撮るとこう。見え方がいろいろ変わるので、同じ岩で撮っても一つひとつが個性的な絶景になります。
奥に進んで望んだ漁港と戎島。なおこの崖が隔てているので、海岸伝いで見老津駅前まで出ることはできません。
こんな奇岩も。
反対方向に向かって進んでみると。
この崖の向こうに「その2」で紹介した立浦があるのですが、隣接していても崖に完全に遮られていて、越えて行くことは不可能です。
ここまではすべて夏の撮影ですが、次の2枚は昨年末に訪れた時の、夕映えに染まった風景。
いかがでしょうか。地図に載らない場所でも、こんな絶景に出会える。そういう体験が何度もできるのが、ここすさみの魅力にほかなりません。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
すさみ八景プラス八景 その3 黒崎
すさみ八景プラス八景、第3弾の絶景スポットは、黒崎です。
その1のフェニックスクリフから近く、1kmも離れていません。
こちらはGoogle Map にも表示されています。
ただし磯釣りの場としてであって、景勝地としてではありません。ですがここではあくまで景観の美しさを語ります。
先に情報を知らなければたどり着くのが困難なフェニックスの褶曲とは違って、こちらは道路から海岸までのルートも開けています。
国道42号線から途中まで舗装されたスロープがあり、駐車できる開けたスペースまで、車で降りることもできます。
道路から見渡せばこんな感じです。海沿いまで迫り出した急峻な崖にはさまれた谷ができています。
海辺まで出てみると。
小さな砂浜ができているので、過去には川が流れていて、運ばれた土砂が堆積したのではないかと思います。
「黒崎」の名の通り、黒みを帯びた岩でできた、荒々しい景観がここの特徴です。
荒々しい海食崖の下に、平らな波蝕棚ができる。地学の教科書にありそうな地形で、波蝕棚が磯釣りには絶好のスポットになるだろうことは、釣りには全然興味の無い私でもわかります。
ひとつ大きな岩山がありますが、これは崖から水の浸食作用で切り離されてできたものでしょう。磯には、この岩山を回り込んで出る必要があります。
この磯や岩山と崖との間に小さな入り江ができています。この水の流れによって悠久の歳月のなかで、過去にはつながっていた崖から切り離されたのでしょう。
岩場に渡るには、この入り江の狭いところを越える必要があります。小さな木の橋がかけられていましたが、去年末に行った時には壊れていました。
過去の記事でも触れましたが、この入り江の水の済んだ美しさが絶品です。
青い水晶、とでも表現しましょうか。
別の訪問時にはここまでの美しさはなかったので、条件によるのかもしれません。
またこの一帯には、いくつも海食洞が形成されています。先の写真でも奥の方に見えた洞窟。
もう一つ。
押し寄せる波によって、長年の間に硬い岩も削られ、穿たれていってできたもので、人間の歳月のスケールをはるかに超えた地球の営みの雄大さを感じ取れるところです。ここが南紀熊野ジオパークのジオサイトに入っていないのが不思議なぐらいです。
陸から見て右手側の海岸もなかなか。
この荒々しい大地の営みを実感させてくれるスポットは、ガイドブックには載らなくても間違いなく絶景で、訪れてみれば威容に目をみはることを保証します。
フェニックスクリフのようにアクセスが難しいわけでもないので、ちょっと国道沿いで海に降りてみるというぐらいで行けます。
ただ満潮で波が高いと岩場までは行きづらいので、潮位表は事前にチェックしておくことがおすすめです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。