すさみ八景プラス八景、第3弾の絶景スポットは、黒崎です。
その1のフェニックスクリフから近く、1kmも離れていません。
こちらはGoogle Map にも表示されています。
ただし磯釣りの場としてであって、景勝地としてではありません。ですがここではあくまで景観の美しさを語ります。
先に情報を知らなければたどり着くのが困難なフェニックスの褶曲とは違って、こちらは道路から海岸までのルートも開けています。
国道42号線から途中まで舗装されたスロープがあり、駐車できる開けたスペースまで、車で降りることもできます。
道路から見渡せばこんな感じです。海沿いまで迫り出した急峻な崖にはさまれた谷ができています。
海辺まで出てみると。
小さな砂浜ができているので、過去には川が流れていて、運ばれた土砂が堆積したのではないかと思います。
「黒崎」の名の通り、黒みを帯びた岩でできた、荒々しい景観がここの特徴です。
荒々しい海食崖の下に、平らな波蝕棚ができる。地学の教科書にありそうな地形で、波蝕棚が磯釣りには絶好のスポットになるだろうことは、釣りには全然興味の無い私でもわかります。
ひとつ大きな岩山がありますが、これは崖から水の浸食作用で切り離されてできたものでしょう。磯には、この岩山を回り込んで出る必要があります。
この磯や岩山と崖との間に小さな入り江ができています。この水の流れによって悠久の歳月のなかで、過去にはつながっていた崖から切り離されたのでしょう。
岩場に渡るには、この入り江の狭いところを越える必要があります。小さな木の橋がかけられていましたが、去年末に行った時には壊れていました。
過去の記事でも触れましたが、この入り江の水の済んだ美しさが絶品です。
青い水晶、とでも表現しましょうか。
別の訪問時にはここまでの美しさはなかったので、条件によるのかもしれません。
またこの一帯には、いくつも海食洞が形成されています。先の写真でも奥の方に見えた洞窟。
もう一つ。
押し寄せる波によって、長年の間に硬い岩も削られ、穿たれていってできたもので、人間の歳月のスケールをはるかに超えた地球の営みの雄大さを感じ取れるところです。ここが南紀熊野ジオパークのジオサイトに入っていないのが不思議なぐらいです。
陸から見て右手側の海岸もなかなか。
この荒々しい大地の営みを実感させてくれるスポットは、ガイドブックには載らなくても間違いなく絶景で、訪れてみれば威容に目をみはることを保証します。
フェニックスクリフのようにアクセスが難しいわけでもないので、ちょっと国道沿いで海に降りてみるというぐらいで行けます。
ただ満潮で波が高いと岩場までは行きづらいので、潮位表は事前にチェックしておくことがおすすめです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。