絶景にあふれた南紀の田舎町・すさみで、公式に「すさみ八景」に選ばれたものにとどまらない、私の見つけた絶景を並べた「プラス八景」。今回は第5弾で、熊野古道・馬転坂からの展望を取り上げます。
すさみ町には熊野古道・大辺路が通っており、見老津駅近くまで出ている長井坂は、古道歩きの客もしばしば訪れます。古道の中でも海の眺望が素晴らしいコースとしても知られています。
私も歩いたことがあって、前の記事でも取り上げましたが、この通りです。
でも、海の眺望にかけては、熊野古道の一部でもっと素晴らしい場所があります。それが「プラス八景」その5として取り上げる馬転坂です。
周参見駅から国道42号線を海に沿って左手方向に歩き、生コンの向上の横の入り口から入るコースです。ですが途中までは「馬が転びそうな」という名の通りかなり険しい上り坂があるので、ここで紹介する海の眺望が目的なら、国道をさらに進んでトンネルを出たところにある、方向的には出口にあたるところから入った方が楽にたどりつけます。
ということで、地図ではこの通りです。
長井坂とは山中のルートでは繋がっておらず、行き来するには国道42号線に出る必要があります。
ともあれ、このコースを歩くと、山中にこんな開けた場所が出現します。
明らかに何らかの開発目的で切り拓かれながら中途で放棄されたため、こんな草原になっています、所々に松も生えており、このまま人の手が加わらなければ、やがて元の森林に還っていくでしょう。
古道には観音様の像が佇み、道行く人を見守っています。
そしてこの草原からは、海も見渡せます。
彼方に見えるところから、より海沿いに出てみるとこう。青い海に、向こうにはフェニックスクリフのある和深崎まで一望できる絶景です。
ここまでは昨春の撮影ですが、夏に、観音像の立つ高台の上から撮影したものだと。
8月なので草原も青々としていて、夏らしいエメラルドの海との対比も鮮やかです。
草原の広さも実感できます。
望遠で見下ろす海にスポットを当ててみるとこう。トンネルの出口あたりですが、串本の海金剛を思わせる尖った岩が並ぶのもなかなか壮観です。
と、長井坂に比べても、開けた高い場所から海を見渡せるスポットとしておすすめであり、「なかなか紹介されない」という意味でも、「プラス八景」の一つに数えたいと思うわけです。
この下にある国道沿いの海辺は口和深と呼ばれ、海岸に降りて撮っても、こちらも奇岩とりどりで、写真に撮るたびに一つひとつが個性的な絶景になります。
波が激しく打ち寄せやすい場所なので、削られた岩の形もそれぞれ特徴的です。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。