光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

すさみ八景プラス八景 その8 「おおは」の岩の造形美

  風光明媚なすさみ町のなかで、公式「すさみ八景」に加えてさらに八つの知られざる絶景スポットを取り上げる企画「すさみ八景プラス八景」。今回がいよいよ最後となります。

 すでに取り上げた松の下、立浦からさらに国道を進んで、恋人岬の手前当たりにある岩礁です。

 地名は地図には表示されていません。地元の人に訊いたところでは、「おおは」と呼ぶそうです。「は」は磯釣り用語で磯・岩礁を意味する「ハエ」からきているとのことですが、「ハエ」自体の漢字表記が調べてもわからなかったので「おおは」をどう漢字で書くのかも不明で、とりあえず平仮名で表記しておきます。

 磯釣り客向けの看板が立っているあたりに降り口があり、近くには何台か車が停められていることもあります。

 降り口のあたりから眺望するとこう。二つの岩棚が海に向かって張り出しており、その間が入り江となっている独特の地形です。

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 上は早春の撮影ですが、こちらは真夏。空の青さ明るさも、海の色も随分違うのがわかります。

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 こちらは海が大荒れだった別の夏の日。

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 海岸に降りるまではかなり急な斜面ですが、補助用のロープが設置されているのでそれを頼りにします。

 そして降り立ってみるとまずこんな感じ。地層が何重にも折り重なり、上の層が割れた部分から層面が平らに露出している。このダイナミックな自然の造形が目を引きます。

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 初冬の夕映えに照らされて。

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 二つの岩棚の間の入り江。リフレクションも美しい。

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 間の岩場から、奥の岩棚の方に渡ることができます。

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 そして岩棚に上って見下ろすと、この海の澄んだ青さに目を瞠らされます。

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 すさみで初めて本格的に撮影したのが7年前の春、まず私を魅了したのがこの海の青い透明感でした。

 続く夏の撮影では、海の色もややエメラルドを帯びます。

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 岩礁の先端まで進んで、立浦方向の海を望みます。こちらは冬。

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 こちらは真夏。海が荒れ気味なのが色鮮やかさを増していることもありますが、冬と海の色、空の色、背景の山の緑を比べてみてください。

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 岩場の先はだいぶ低くなっており、波が打ち寄せるぐらいのこともあります。海がひどく荒れて波が高いときにはこの岩の上でも安全とは言えないので、注意が必要です。

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反対側を望むとこう。逆光にエメラルドの海が映えます。

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  向こうに見えるのは黒島。真夏の陽光をきらめかせる海とともに。

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 位置を変えて。右手側の岩の造形美にも注目。

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 岩棚を降りて、立浦の方向に向かっても、奇岩はとりどり。真夏の浅瀬はエメラルド色です

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 奇岩の上に松が負い告げる荒々しい景観。f:id:naosuke21036:20180817140240j:plain

 逆に恋人岬方向にも、海上にこんな奇岩が見られます。f:id:naosuke21036:20190308133954j:plain

 フェニックスの褶曲ほどではないにしても、この辺りにもところどころ、ぐにゃりと曲がった(褶曲した)地層が見られるので探してみるのも一興です。

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 ここ「おおは」は、すさみでは見老津駅前を離れて、初めて本格的に海の風景を撮影したスポットなので私には思い入れが深いです。とにかく奇岩が豊富なので、どこで撮っても個性的な一枚になる。同じ岩でもアングルを変えてみれば違った見え方になるので、海や空の条件とあわせて、撮るたびにその時だけの、かけがえのない一枚が出来上がります。だから、今も必ずすさみでは外せない撮影スポットになっています。

 皆様もぜひここに足を運んで、自分だけの一枚を見つけてみてください。

 最後に海が激しく荒れていた去年の夏の日。このときは岩場に近づくのも危険なほどでしたので、離れた安全な場所からの撮影です。

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 岩棚の上まで、まともに大波が押し寄せていました。

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  こういう時は、確実に安全な場所からの撮影を心掛けたいものです。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。