海駅対決 見老津駅 vs. 和深駅
当ブログですでに取り上げた、紀勢本線の絶景駅・見老津と和深。
改めて VS方式で、それぞれを比べてみたいと思います。
両駅の最大の魅力である、海の眺めの素晴らしさ。これは互角としか言いようがないでしょう。奇岩が群れをなし、遠景に黒島を望む見老津。
どちらも文句なしのオーシャンビューです。「絶景駅」の名に恥じません。
アクセスの「不便さ」は似たり寄ったりです。どちらも各駅しか停まらない田舎駅ですから当然です。停車する電車は1日8本しかありません。見老津のほうがわずかに関西の都市部に近いですが、2区間、10分程度の差にしかならないので、物の数には入らないでしょう。
海駅ということで鉄道でのアクセスなら、大阪から特急くろしお利用(周参見で普通に乗り換え)で3時間強です。青春18きっぷを利用するなど、オール各駅なら待ち合わせ時間を含めて5時間かかります。
和深駅の何よりもの魅力は、ホームから直接海を眺望できることです。高台に位置しているので、そのまま青々と広がる大海原を見渡すことができます。
電車を入れて撮っても、電線も風景に溶け込んだ感じになるので鉄道写真好きにも絶好でしょう。
ちなみに、今のダイヤだとこの駅で通過電車待ちで数分間停車してくれることもあるので、ここで降りなくてもしばし、ホームに出て撮影するチャンスがあります。タイミングを外さなければ通過する途中で車内から撮影することも可能です。
見老津駅のホームからももちろん海は見えますが、電線などが邪魔して、ここから海そのものの写真を綺麗には撮れません。
どうしてもホームの外に出る必要があります。
その一方、見老津駅からはホームを出れば海はすぐ前、国道を渡れば簡単に海辺まで出られます。
和深駅のほうは海岸まで意外に距離があり、100mほど歩くことになります。
また、見老津駅からは海に沿って国道を歩き、たとえば婦夫波の恋人岬に至るまで海岸美を楽しむことができますが、和深のほうは海沿いに道路が通っていないので、楽しめる範囲は道路から降りられる海岸にほとんど限られています。
近くの和深漁港もなかなかの景観ですが、干潮の時にかろうじて磯伝いで渡れるかどうかです。
道路から行こうとするとかなり複雑です。
駅を出て枯木灘の青い海を堪能するという点では、見老津の方に軍配が上がるでしょう。
というわけで、駅から直接海の眺めを楽しむなら和深駅。駅を出て海岸美をゆっくり味わうなら見老津駅。どちらの駅もそれぞれの魅力があるので、対決といってもここでは「勝敗」はつけずにおくことにしましょう。
ただ一点だけ見老津駅がリードしたかな、と思える点があります。 どちらも田舎駅。すぐ近くには店らしい店はまるで無かったのですが、見老津駅には去年から駅舎を利用して喫茶兼観光案内所「のんびり屋」がオープンし、お茶に休憩、また交流のスペースが出来ている、ということです。ここで降りてオーシャンビューを楽しんだ後、次の電車(間は2-3時間あります)までしばしここで一息することもできます。
和深駅もせっかく絶景駅という絶好の立地だけに、近くに一息できる場所があればいいかもしれません。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。