七色じゃ足りない
久々に雫のプリズムを。
今回も、ひとつの雫に焦点を絞って。
ご覧の通り、透明な雫が、こんなにも違った色の輝きを見せてくれます。
「虹色の雫」で紹介したものもそうですが、ひとつのショットで、いくつもの色の光を四方に放っている様子が見てとれます。
その光条一つひとつの色あいも、これまた微妙です。
虹の七色と言われます。光の色は波長に応じて七つに分けられる、と。けれどもこれは光の連続的なスペクトルに、言葉に応じて区切りを入れたものでしかありません。
言語学を学べば初歩の初歩で出てくる話ですが、言語によって虹の色の分け方は違っています。日本で一般に考えているような七色とは限らず、六色や五色、ひいては二色ということもあります(言語文化によって「見え方」そのものまで違っているという考え方には、今では異が唱えられていますが)。逆に言えば、七つでは足りないぐらい、違った名前で光の色を呼び分けることもできるわけです。
私はできないのですが、色彩語彙が豊かな人なら、どんなふうにこれらの光の色を呼ぶのか、ということも興味深いところです。