紫と赤の煌き
本日も雫の煌きを。
光のスペクトルで、紫と赤は波長の長さの両端。そこから外れると、紫外線あるいは赤外線となり、人間の目には見えなくなってしまいます。
それだけに雫の煌きを撮るときでも、紫や赤の光はなかなか撮りにくいと感じます。
その二つの色が、一枚に収まったショットです。
やや青寄りの紫、橙寄りの赤という感じではありますが、紫と赤、両端の波長の色を一枚に収めて撮るチャンスはなかなかないということで、私にとって貴重な一枚です。
カメラの位置を少しずらすと。左側の雫は、青紫、青緑、黄緑と分かれた光芒を放ちます。
さらにカメラを移動すると、左側の雫も赤い輝きになります。
右側の色はほとんど変わっていないのも注目です。こうして見直しても、一枚一枚、本当に微妙な光のバランスによって成り立っているものと感じます。
一つひとつの輝きの光景は、その瞬間にしか見届けられず、撮れません。
ここで、ここまでご紹介してきた雫の撮影方法について。
読者の方から「特別な方法で撮っているのですか?」というご質問がありましたが、そこまで特別なことはありません。
ただ、今はこの撮影目的専用になっているFUJI FILMの高倍率ズーム機・Finepix S1で、F11まで絞り込むという方法で撮っているというまでです。
もともと50倍ズームが利くので野鳥を撮るためのサブ機として購入したカメラですが、この目的に転用してみたら最高の適性がありました。
・被写体の雫が非常に小さく、また高い木の枝など離れていることが多いので、とにかく高倍率は欲しい。
・望遠端で1.3mまで寄れるので、かなり近くの枝の雫でもズームが利く。
・絞り込んで撮ると、光芒が綺麗に際立つ。
といった点です。
5年来これだけで撮影しています。
もう新品では販売されていないモデルですが、この機種以外で今までのように撮れるかどうかわからないので、そろそろ中古で予備機を買う必要があるかも……と感じています。
光芒を際立たせるためには絞り込む。これは太陽や(人工の)イルミネーションを撮影するうえでも基本の技法ですが、これは雫の煌きにもあてはまります。
ただそのようにして撮るために、背景の玉ボケが角張ってしまうのは仕方ないですね。
そんなわけで、今日はこの辺で。