魚眼で魅せる三段壁
高さ50-60mに及ぶ海食崖が2kmほどにわたって続く壮観です。
ただ、いわゆる「名所」では撮影スポットもだいたい決まっていることも多いので、そこに足を運んで撮っても、もちろん絶景としていい写真には仕上がりますが、そのままでは「誰が獲っても同じ」ような写真になりやすい。ガイドブックや、ネットで既に上げられて写真をなぞるだけになりがちなのが、不満な点です。
自分で探して見つけた絶景を撮るのがいわば素材から料理を作るのに対して、「名所」ではスーパーで既製の総菜やレトルト食品を買うようなものです。
でも既製の食品を買ってもちょっと調味料を加えたり、食材をプラスしたりすれば「自分だけの味」にすることも可能なように、いわゆる「名所」で撮っても一工夫すれば変わることがあります。
ということで、魚眼で撮るということを試してみました。
これによって手前の岬と奥の岬との距離感が際立ち、迫力がいよいよ増します。
普通に撮るとこうです。比較してみてください。
こちらは眼下をやはり魚眼で撮影。
その場で断崖絶壁から見下ろしているような臨場感が、魚眼によっていっそう強調されたように思います。波の躍動感も魚眼によって増した感じです。
逆光に近い斜光だったので、眼下の海面が光を反射し、海面に吸い込まれそうな雰囲気にもなっています。
ぜひとも拡大して、全画面でご覧ください。ちょっと身の竦みそうな気までされたのであれば、この撮影は成功なのですが(笑)。
こういう写真を撮った私も実は高い所は苦手なんですが(笑)。