光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

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ガイドブックではわからない京都の新緑スポット紹介

  新緑というのは本当の見頃はつかの間です。萌え出て間もない時期の、微妙で繊細な淡い彩りが見られるのは、1週間~10日あるかどうかです。その後も新緑といえば新緑の時期はまだ続きます。しばらくは新緑らしい瑞々しさ、さわやかさは堪能できるでしょう。でもできれば、いちばん新緑らしく美しい時期を見逃さずにおきたいものです。それは確実に4月中であって、5月に入ってからでは完全に遅すぎです。

 ということで、季節に先立って新緑の話を続けて上げていますが、今回は私の住む京都で、美しい新緑が見られる穴場スポットを紹介しましょう。ガイドブックや観光サイトではまず知ることのできない情報のはずです。

 巷に言われる「京都の新緑の名所」はだいたい青もみじのスポットです。「新緑を見る=青もみじを見る」というイメージも定着している感があります。でも新緑が見られるのはもみじだけではありません。「青もみじを見に神社仏閣へ行く」だけでは気づけない、新緑の美しさというものがあります。

 ということで、私のおすすめスポットを紹介します。

 

鴨川上流・出合橋付近

 鴨川を市街地からどんどん上流へと遡って、いよいよ市街地も完全に果てたあたり。京産大のグラウンドよりさらに北側、府道61号線から東に望む山腹です。

 めぼしい観光スポットがあるわけでもなく、もしかすると私以外誰も注目していないかもしれません。でもここが、比類なき新緑スポットなのです。

 ここの魅力は、一角がほとんど落葉樹に覆われていて、山一面が新緑色に彩られる光景が見られることです。

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 杉などの常緑樹も点在しているので、新緑色だけの光景は上手く切り取って撮影する必要がありますが、でもこんなふうにオール新緑色といわんばかりの景観は貴重です。

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 こんな繊細な光景はつかの間しか見られません。1週間から長くて10日程度でしょう。それを過ぎると、次第に緑も豊かで、濃くなってきます。

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 平均すれば4月20日を中心とした前後それぞれ数日間というところですが、年によって変動します。桜の咲き時、散り時を例年と比較することを目安に判断するといいと思います。

 道路から見て山腹は東側にあるので、順光でクリアーに撮るためには午後に入ってからがおすすめです。

 もし早めに着いたら、もう少し北に進んだクリーンセンター付近や雲ケ畑寄りの山でも新緑は見られるので、まずこちらの撮影から入ってもいいでしょう。

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 ただ、アクセスが大変です。車なら少し南にある鴨川公園の駐車場が利用できるので、そこから歩けばいいでしょう。でも公共交通機関では、叡電市原駅か、京都バスの柊野別れバス停が最寄りですが、そこから2km ほど歩く必要があり、かなり大変です(すぐ近くの山幸橋バス停は春分の日しか運行されておらず、使えません)。

 タクシーを利用する手もありますが、むしろレンタサイクルを利用して、鴨川沿いに自転車を走らせるのが良いかもしれません。一番近くでは地下鉄北山駅で借りられます。

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 そこから5kmほどですが、自転車なら鴨川に沿って30分と走らせれば着くでしょう。途中までも、舟形の山をはじめとして、山が新緑に彩られる様子を眺めることができます。杉の人工林が多く、当のスポットほどではないですが。

 アクセスは難しいとはいえ、ベストシーズンの山一面の新緑はそれだけの価値があります。

 

八瀬

 京都郊外、比叡山麓の里です。叡電の終点・八瀬比叡山口で下車します。

 紅葉・新緑の名所として注目を集めている瑠璃光院もありますが、むしろ比叡山をはじめとする、一帯の山々こそが見所です。

 こちらの魅力は、カラフルな春色が堪能できることです。周囲は里山の典型的な雑木林なので、樹種も豊富。色づきの異なる緑を楽しめますし、杉などの常緑樹の濃緑とのコントラストも映えます。さらに山桜も至るところに生えているので、淡い桜色から紅色まで、新緑に彩りを添えてくれます。

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 さらに春紅葉も随所で見られ、いい時期に行けば、春とはこんなに彩り豊かな季節だと実感できるはずです。

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 ポイントとしては、駅からすぐの比叡山腹は府道から東に望むので撮るなら午後。駅を出て歩いた先の山々は西の方に望むので午前。つまり、順序的には後者から撮影したほうがいいということです。比叡山腹の新緑を撮るのは、最後、帰りの前にした方がいいわけです。 

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 アクセスは叡電八瀬比叡山口で下車し、あとは道路沿いに山を眺めつつ歩いていくのがいいでしょう。ただ特に新緑が綺麗な八瀬小学校近くまでは2km強あるので、八瀬駅からは大原方面の京都バスを利用するのも一つの方法です。

「ふるさと前」下車です。京都駅あるいは出町柳駅から大原方面の京都バスで、まずふるさと前まで直接行ってから比叡山口駅まで(歩いて新緑を眺めながら)引き返すというルートも考えてみてもいいかもしれません。

 あるいは現地で自由に移動したければレンタサイクルでここまで来る方法もあります。やはり5km ほど離れていますが、地下鉄北山駅が一番近くです。

 新緑は、ある意味では桜以上に、本当の見頃はつかの間です。

 こんなに早くに桜が開花したともなれば、新緑の季節も例年よりかなり早く訪れそうです。投稿もとりあえず今年の見頃には間に合わせましたが、お読みになったみなさま、一度足を運んでみてください。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。