3月に入ってから初めての記事です。
ようやく過ぎた冬は、1年のうちで最も彩りの乏しい季節。春には、すでに各所で梅の花が咲いているのをはじめとして、苦節の彩りもよみがえってきます。
桜、菜の花、タンポポ、春もみじ、新緑といった春の彩りも待ち遠しくなってきますが、ここはひとまず、冬をはさんでの、秋と春の彩りを比べてみましょう。
同じ場所なので、対比もなおさら際立つ。叡電八瀬比叡山口駅近く、府道387号線沿いから比叡山腹を望んでの光景です。
まず昨秋の、秋色の移り行き。色づきが例年よりやや早かったようで、10月末でも赤く染まっている樹がありました。
11月上旬。もみじはまだまだですが、その背後の黄色が秋の深まりを見せています。
赤にレモンイエロー、山吹色、橙色など、色とりどりな時期でした。
11月半ばの、いちばんの見頃。もみじが赤さを増す一方、背景の落葉樹たちも黄色から橙へと秋色を深めていきます。
11月下旬。この秋は落葉が早く、もみじが真っ赤に色づいたころには、ほとんど散ってしまっていたのが惜しまれました。
一昨年のこの色づきが最高だったんですが、これはそれぞれの樹の色づきが絶妙にシンクロしてこそ実現するものだったようです。
同じ場所は、春には違った彩りを見せる。撮影時期としては前後しますが、これから見られる光景ということで、昨春の撮影からです。コロナ禍のただなかでしたが、散歩がてらに行ける場所なのが幸いでした。
4月上旬、桜も満開だった時期。芽吹き始めた新緑と山桜、そして春紅葉のコラボです。
その数日後。山もしだいに新緑に彩られてきます。
4月も半ばに。新緑の色はまだ繊細、山桜と春紅葉のコラボも映えて、山の春色はこの時期が一番美しいと感じます。
4月も下旬に入ると、まだ新緑の淡さは残したまま、しだいに葉も豊かに茂ってきます。山桜は個体ごとに開花時期の違いがあるので、まだまだ随所で見られます。
4月末になると、山桜や春紅葉といった色を添えるものが姿を消し、山も緑一色になってきます。
5月の連休に。この時期になると、まだまだ新緑ではあるものの、完全に緑一色で、春色というよりは初夏の色となります。
これで見てもわかるポイントが一つ。新緑を楽しむなら、5月に入ってからではもう遅い。4月から見ていってこそ、本当の美しさに出会える、ということです。
この辺については、いずれさらに語っていきたいと思います。
今年もこんなふうに撮りたいところです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。