晩秋は、1年のなかでも最も彩り豊かな時期のひとつ。
それを代表するのはもちろんもみじの赤ですが、秋の彩りの美しさというのはもみじだけよりも、もみじもその一つのピースとして、とりどりに色づく樹々のハーモニーにこそあると私は思います。
そんな場所は、もみじだけが人の手で植えられた、いわゆる「名所」よりも、むしろ名も知れぬ山にこそ見つかるもの。
前回の記事で紹介した八瀬駅付近は観光地としてまだ名がありますが、そこからいくらか国道を大原方面に進んだところにある、とある里山が、私にとってそんなお気に入りの場所のひとつ。こちらの秋色を紹介しましょう。撮影日は先々週末の15日です。
上の地図で言うと八瀬小学校の近くの高野川沿いです。
道路沿いから望むと、こんな感じ。常緑樹を地に、赤に橙に黄色に色づいています。
ここから近くで撮影するために川沿いまで出ます。
まずはこんな感じ。黄色とオレンジがビビッドです。
山の最後の祭りともいわんばかりの、情熱的な色あいです。
さまざまな樹々が、燃えるように色づきを競います。
ところどころに生えている常緑樹が、コントラストで秋色を際立たせています。
川沿いに。真打ともいうべきもみじも、この時ちょうど真っ赤でした。
逆の方向から、なだらかな稜線を望んで。このアングルが一番好きです。
山頂のあたりを望遠で切りとると。
こちらは一週後の先週末。葉を散らした樹も出てきていて、冬が近づいているのを感じさせます。
その年の最後の生命を輝かせて。
もみじが鮮やかなところもありました。
向こうに望むは横高山。比叡山に連なる700m級の山です。
もともとは新緑があざやかなスポットとして見いだした場所で、春にもたびたび撮影に足を運びますが、新緑が美しい場所は、紅葉も美しいのは当然です。
こういった季節の彩りが楽しめるのは、実は里山ならではの風景。日本のこの辺りの気候では、もともとの植生は常緑の照葉樹林とのこと。以前から人の手が入ってきたことで「里山」として、落葉樹主体の森林が保たれているのです。里山というのは、いってみれば人と自然の関係性の象徴みたいなもの。山に囲まれた京都では、そうした場所がいたるところにみられます。
ということで、秋のカラフル、お楽しみいただけたでしょうか。
それでは、今回もごらんいただきありがとうございました。