光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

美しい新緑に出会うための6つのポイント

 まだまだ春本番には遠いところですが、だからこそ今のうちに、この記事をアップしたいと思います。

 新緑の季節にリアルタイムで載せると、今年の春に見に行こう、撮りに行こうという方々には間に合わないかもしれませんから。季節にしばらく先駆けてお読みいただけた方がお役に立てると思いました。しかも、後述しますが「新緑の季節」というのは、一般に思われているよりもずっと早く始まり、見頃を迎えますから。

 美しい新緑に出会うためには。その新緑を美しく撮るためにはどうするか。私は新緑をここ数年ほどこだわって撮っていますが、そのなかで気づいたことのわかちあいです。

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 これは「夕焼け」関連の記事でも触れましたが、「出会った新緑をどう撮るか」よりも何より、「美しい新緑にどう出会うか、どう見つけるか」がメインです。出会ってからの撮影テクニックについてはいろんな技法書でもすでに書かれているでしょうし、ウェブサイトにもあります。でも、夕景同様に新緑もそのものが美しい被写体なので、とにかく出会うことさえできればそれだけで十分に素晴らしい光景が撮れるというもの。というか、まず出会えなければ何も始まらないですから。

 紅葉の美しい場所は新緑も美しい

 新緑を撮るためには、何より必要なのは新緑が綺麗な場所を見つけること。その基本は、秋に紅葉(もみじだけではありません)が美しかった場所は、春に芽吹く新緑も美しい、ということです。

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 紅葉と新緑というのは表裏一体。落葉樹だから起こる現象なので、当然といえます。これまでの秋に紅葉を見て綺麗だった場所には、新緑の季節になったらまた訪れてみるといい、ということです。早春までの芽吹き前の季節でも、山を見て木々の葉が散った様子なら、春本番には新緑が見られる期待も高まります。

 

②青もみじだけが新緑じゃない

 これが大事です。「新緑=青もみじ」。新緑を見に行くとは、青もみじを見に行くことだというイメージを持っている人は、少なくないのではないでしょうか。

 

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私の住む京都だと、たくさんの「新緑の名所」が観光・旅行サイトなどで紹介されていますが、そのほとんどは寺社仏閣の、もみじの名所としても知られるスポットです。先の「紅葉の美しい場所は新緑も美しい」から言えばその通りなのですが、そこで見られるのはだいたい青もみじです。

 もちろんもみじの新緑は、とても美しいものです。でも新緑といえば青もみじと決めてかかり、他の樹々の新緑を見逃すのは、これまたもったいない話です。青もみじだけでない新緑の美しさに出会うなら、スポットをお寺ばかりに集中しない。むしろ山の緑に注目したいものです。

 

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 特に近郊の里山はすばらしい新緑が見られるところが多い。もともと日本の自然な植生では常緑照葉樹が主流になるはずで、新緑と紅葉の見られる落葉樹林は人の手がたえず入ってきた里山にこそ多いからです。

 私の住む京都でも、そうした里山は、近郊にいくつも見つけることができます。

 

③萌え出てすぐの淡い色を見逃さない

 新緑がいちばん新緑らしく、繊細でみずみずしい色合いを見せるのは、芽吹いて間もない頃にほかなりません。

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 この微妙なパステルの色合いが見られるのは、つかの間です。ほどなく緑も濃くなってきます。それだけにこれを絶対に見逃さずにおきたいものです。そしてこの淡い色から、次第に緑を濃くし、深緑、万緑へと変わっていくまでを見届けるのも、新緑撮影の醍醐味です。

 

④春のカラフルを楽しむ

 新緑をより美しく見るには、緑だけじゃない。他の彩りと取り合わせると、緑の美しさも引き立ち、相乗効果で風景の魅力が何倍にもなります。

 とりわけ、山桜や春紅葉とコラボさせると、新緑だけでない、春色にあふれた光景を撮ることができます。

 

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 春紅葉というのは、春先の芽吹きの季節に見られる葉の独特の色合い。一部の樹には葉を芽吹かせて間もなくは、葉緑体が十分に合成されていないので、秋に紅葉を見せる時と同じアントシアニンの色素が勝って、赤系の色合いが見られることがあります。

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「はるもみじ」といいますが、樹種はモミジとは限りません。いろいろな落葉樹に見られます。秋の紅葉に比べると赤といってもやわらかな色合いなので、新緑と春色を盛り立てる相性は抜群です。

 

⑤撮るなら4月

 これがいちばん大事な点。詳しくは次の記事で語ろうと思いますが、「萌え出てすぐの淡い色合い」や「春のカラフル」を満喫できるのは、私の住む京都近郊に即して言うなら、4月の半ば~下旬です。三大都市圏周辺であれば条件はほぼ変わらないでしょう。5月に入ってからでは、もうベストな時期を逸しているのです。 

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 これについては、後の記事でさらに立ち入って語っていきたいと思います。

 だいたい桜の季節の終わりぐらいから新緑にも目を向け、カメラを向けはじめたいものです。

 

⑥晴れた日に撮る

 これはこと新緑については鉄板の条件でしょう。明るい光のもとでないと、新緑のさわやかさ、みずみずしさは十分に引き立たないのだから当然です。紅葉なら曇り空でもいろいろな工夫ができますが、新緑については、晴れた日の撮影を選びたいものです。青空の下で順光で撮るのもよし、逆光で葉を透過させるような撮り方もありです。

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 ホワイトバランスは「蛍光灯」を選んで緑をより強調する方法もありますが、私は自然な「太陽光」の方が気に入っています。なまじ緑を濃く際立たせると新緑らしさがなくなってしまうということでもあります。

 新緑についてはまだまだ語ることもありますが、今日はこの辺で。

 今回もご覧いただきありがとうございました。