桜に続いて、季節に先立って京都の知られざる名所を紹介する記事を。
最近は桜や紅葉と並んで、新緑の名所も注目されているようです。主にモミジですが、私の住む京都の各所でも、新緑の見頃情報がネットでも調べられるようになっています。紅葉する樹、つまり落葉樹であれば毎年春先には新たに葉を茂らせますから、そのみずみずしい美しさを楽しもうというのもいいものです。紅葉の名所が新緑の名所を兼ねているのも納得です。
ですがこちらも、名のある神社仏閣とは別に、私のこだわりのスポットをご紹介します。
こちらをご覧ください。
山いちめんが、みずみずしいパステルグリーンに色づく景観が見られる場所です。
ここは鴨川を上流まで遡り、この柊野堰堤をさらに越えて進んだところにある場所。神山(こうやま)のあたりです。
府道38号線で京産大のグラウンドを過ぎ、静原方面へ続く道と雲ケ畑方面の61号線との分岐点・十三石橋にさしかかる少し手前のところです。下の地図の真ん中のあたりとしてご理解ください。
ここが素晴らしいのは、ほとんど落葉樹だけが山腹に生えている一帯があるからです。だから春になると、いっせいに緑の葉が芽吹き、一面が新緑色に彩られた光景が見られるのです。
この清楚で繊細な色あいが見られるのは、ほんのつかの間です。
例年4月20日前後が、まさに新緑のみずみずしさが最も美しい時期です。年ごとの気候によって変動もあり、春の訪れが早かった昨年ではもう数日前でした。今年も暖冬だったので、同じくらいかもしれません。
芽吹いて少し日が経てば、しだいに茂る葉も多くなり、緑も濃くなっていきます。
4月末に訪れてみれば、まだ新緑らしいみずみずしさは十分残っているものの、ずいぶん違った緑色になっていることもおわかりでしょう。
5月の連休頃には、もうほとんど夏と変わらなくなります。
半ばになればもう新緑ではなく深緑です。
桜以上に儚く失われてしまう新緑の繊細な美。それを堪能できるのは1年のごく限られた時期です。
ネットで一通り調べてみたかぎり、ここの新緑に注目している人は、まだいなさそうです。ですが、近くにお住まいでこのブログをお読みになった方は、いちどその目でご覧いただければ、と思います。
山腹は西に面しているので、逆光にならずに撮影するには昼過ぎからです。
私ももちろん、今年も見逃さない予定です。