哀悼の意を込めて
今なお、愕然たる思いを抑えられずにいます。
それは今日、仕事が早く終わったので、日の長いこの季節、比叡山を見上げる田園へと立ち寄った時のことでした。
田植えから間もない今の時期、梅雨の晴れ間なら、水田への映り込みが美しく映えるからです。
ですがその折、この水田の所有主でいらっしゃったおばあさんが、この3月に急逝されたことを息子さんから知らされたのでした。
おばあさんとはこの場所で撮影することを快くご許可くださり、たびたび撮影に赴いた折に触れてお顔も合わせることがありました。その感謝の意を込めて、3年前の暮れにはそれまで撮った写真をアルバムにして、贈呈したこともあります。
戦前からずっとこの地にお住まいで、その頃からのこの比叡山麓の風景の移り変わりをお聞かせいただいたこともありました。
昨年のこの時期にもお目にかかり、お元気な姿をお見せになっておられました。それが最後の機会だったとは、その時には思いもよらぬことでした。
このブログの記事を投稿した時には、もしかするともうこの世にはいらっしゃらなかったかもしれないことを思うと、いよいよ悲しみがこみあげます。
長い間この心和む田園の風景を守ってこられたことに改めて感謝の意を表しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。