夕桜の愉しみ
「夕桜」―この言葉の響きもなかなかいいものです。
3月が異例に暖かかったこの春は、当然のように桜の開花も早く、お彼岸の頃にはもう咲き始めていました。
桜の季節の終わりもやはり早く、例年ならいちばんの見頃となるだろう今の時期には、もう葉桜となっている樹が大半になっています。
ということで、この春の桜の振り返りです。
今年の桜の季節には、たびたび印象深い夕焼けが見られました。
冬の間は夕焼けはほとんど見られないものですが、春に入ると、いちばんの見頃である夏(秋ではありません)ほどではないものの、たびたび夕焼けに出会えるようになります。
そして今年は、ちょうど桜の見頃の時期にうまく合わせたように焼けた日がありました。
まずはこちらから。京都は鴨川・北大路橋からの撮影です。
南から東の空にかけての雲も染まるなど、夕焼けが全方位になるのは夏に多い光景ですが、珍しく春先にもこうなりました。
大文字山をよりアップして。前景に並ぶ満開の桜が、東空の夕焼けに映えます。
こちらは比叡山。やはり東空の夕焼け雲の下、桜とユキヤナギが春を飾っています。
東空まで焼けてくれたおかげで、桜まで順光で撮れたのが気に入った点。
夕桜、つまり夕日や夕焼けとコラボして桜を撮ろうとすると、どうしても逆光になって、桜が暗くなりやすい。肝心の桜が目立たないというのが不満として付きまといます。夕暮れ時に西の方向に撮るとどうしてもそうなってしまうわけです。
夕焼けが東空まで及んだおかげで、それが避けられ、桜も桜色のまま順光で表せることになったわけです。
こちらは東岸から西空の撮影。ご覧の通り夕焼けは待つかで素晴らしかったのですが、桜は暗くなってしまっています。
さて、また別の日。
鴨川デルタから上流側の葵橋の付近での撮影。
この日は春先には珍しいぐらいの焼け方で、川面も赤く染まっていました。
さらに真っ赤に焼け、桜もなんとか暗くならずに桜らしさ残して撮れました。
別の日、こちら側の桜越しに。この日の染まり方はこんなものでした。
これまた別の日。高野橋で染まる雲を見つけ、これは夕焼けが行けるかも、と思い北大路橋付近まで移動。
見頃も終りに近づいた桜越しに撮ります。
西空は真っ赤な染まりようでした。
夕焼けそのものは見事でしたが、位置的に、対岸の桜とともに夕焼けを収めるのは難しい場所だったのが心残りです。移動する時間はありませんでした。
ということで、異例に早く始まり終わろうとしている今年の桜の季節ですが、たびたび美しい夕焼けとコラボできたのが、今年の特色だったと思います。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。