空が霞みやすい早春のこの時期は、真っ赤な夕日を撮るチャンスがあります。
空気が澄んでいると、赤より短い波長の光も散乱されないため、ほとんど黄色のまま沈んでしまう、むしろ残念な夕日になるのです。
この辺のことは、こちらですでに語りました。
そして昨日は、そんな夕日を撮る、久方ぶりの機会でした。
晴天ではあったものの空がくすんだ青で、西の空も霞んでいたので、もしかすると夕日が真紅に染まるかもしれない、と期待。折よく土曜日で休みということで、夕日撮影のスポットに向かいます。
途中、西の空に黒い雲がかかったのでダメか、と思いかけました。けれども雲は山の端近くで切れていて、その下で太陽が顔を出しそうだったので、なんか行ける気がする、というところでした。
そしてスポットに着いてみると、期待に違わず。
肉眼で見るならもう赤く色づいているのですが、この時点では撮ってもこんな感じにしかなりません。写真に撮って赤く染まるかどうかは、これからです。
ようやく、色づき、夕日にグラデーションが現れはじめます。
よりズームを利かせて。グラデーションがより美しくなってきます。
下半分がほぼ真紅に。
こんなふうに夕日を右に寄せるのは、ここまで沈んできた「軌跡」の方を空けることでの夕日らしさの表現です。
こちらも参照。
そしてグラデーションから真紅へ。
理想の夕日となりました。
夕日撮影については、私は「真紅の夕日以外は撮らない」ぐらいのこだわりがあります。初めてデジカメを手にした日、今にして思えばビギナーズ・ラックとしか言いようがない偶然で真紅の夕日に出会えたことがきっかけです。それが滅多に出会えるものではないことに気付いたのは、すっかりカメラにのめり込んだ後でした。
ギャンブルなんかもそうなのでしょうが、ビギナーズ・ラックの怖さかもしれません。
ということでより広角に。周囲の空もほんのりと紅に染まっています。
真紅の夕日が撮れるときは空が暗めになり、背景が完全に灰色一色になってしまうことも多いので、いくらか赤みのある背景で撮れたことのは、今回の満足のいく点でした。
ということで、これぐらいで雲に隠れようというところです。山の端に届く前に。
夕日は地平線に近づくほど赤みを加えていきますが、三方を山に囲まれた京都では、その前に山に隠れてしまい、なかなか赤い夕日というものに出会えません。
真紅の夕日が京都で見られるのは、あって年に数回。それだけに一期一会を噛み締めたいところです。
久しぶりの記事になりましたが、ご覧いただきありがとうございました。