紀勢本線・岩代駅~海はすぐそば~
先の記事で、紀勢本線で海の見える駅として、冷水浦駅を紹介しました。
冷水浦駅から先は、またしばらく紀勢本線でも海の見えないところを走ります。次に海が見えるのは、広川ビーチ駅を少し過ぎたところです。
といっても、その名に反して駅そのものは海沿いにはなく、駅を出ると周囲は山ばかりだというのは、前の記事でもお話ししました。
さらに進んで本格的に海の見えるところを語りましょう。拠点駅の紀伊田辺にかなり近づいた、岩代駅を中心としたあたりです。
岩代を挟んだ切目~南部間は、文字通り絶景区間です。このあたりは千里浜と呼ばれ、線路が渚に沿って続きます。ほぼ180°の視界で大海原を望むことができ、地球の丸さも実感できるところです。
特急くろしおで、乗客が存分にオーシャンビューを堪能できるよう、この区間は速度を落として運転するサービスまで行っているほどです。
この景観を楽しみたければ、何としても海側の座席を確保しましょう。
私は走っている車内からの撮影はあまり得意ではなく、また撮っても電線などが入ってしまいやすいので、写真そのものは岩代駅で降りて海岸を歩いて撮ったものを紹介します。
駅を出てちょっと西に歩き、線路を渡るとすぐに、渚に出ます。
上を線路が通っているので、車窓からの眺めの良さも想像できるでしょう。
見渡す限り大海原。だから、空と海だけの、ちょっと単調な写真になってしまうのが逆に気になるところです。
こちらは2年前の夏の撮影。翌日には台風が来るということで、波も強めでした。
角度を変えると。
浜辺が広がるものの、変に海水浴場などとして開発されていないため自然の景観がそのまま残されているのが魅力です。
なお、岩代駅そのものは海からほど近い距離にあるにもかかわらず、海との間を木立ちが隔てているのでホームからそのままでは海は望めません。
こんな感じ。
跨線橋の上から、ようやく海が見渡せます。
そのために「海の見える扱い」をされないのかもしれません。
視界を開くために木立ちを伐採する方法もあると思いますが、ひょっとすると防災上の理由から残してある可能性もありますが、その必要が無いならお願いしたいところです。
でも、この駅の辺りを通過する列車の車窓から眺める太平洋だけでも一見の価値はありますから、紀州を列車で旅する時には必見のポイントであることに変わりはありません。
ちなみに岩代駅は谷山浩子さんの「テングサの歌」の舞台となっている駅でもあり、そちらで知られていることもあるようです。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。