印南駅より風早海岸へ
0 この一枚。
以前、まだ紀州への海写真撮り旅行を始めたばかりで全然土地感覚がわかっていなかった頃の夏の日に、どこかの駅で途中下車し、撮影した海の風景です。
棕櫚の樹とオレンジ色の花、そして青い空と海が映えていかにも南国らしい景色ですが、どの駅で降りてどこで撮ったのか忘れてしまっていました。
「ここは何処なのだろう?」とかなり長い間、疑問でした。場所を知るのはそれから数年後になります。
私の推しのすさみ町以外にも、串本までなら紀州で海の景勝地はいろいろと調べ、足を運んできた私ですが、印南町にある「風早海岸」というスポットを知ったのはかなり最近のことでした。
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ウェブ上の情報でなかなかの景観だと見ていずれ足を運ぶことに決めていましたが、実際に行くのは去年の6月の今と同時期。梅雨入り前の晴れた週末に紀州への電車での一泊での撮影旅行を計画し、初日は当然のごとくすさみに行くつもりでしたが、間抜けにも電車を乗り間違えてしまいました。
本数の非常に少ない紀勢本線で、一本の遅れは致命的。自分の愚かさを悔やみつつも、特急を利用して挽回する方法もありました。
でもこの際予定の狂いをあえて利用することに決め、すさみ行きは2日目に変更し、ここで風早海岸に行くことにしたのでした。なお以前の記事で冷水浦で撮影したのは降りたのは、この時の電車の時間待ちを兼ねてのことです。
ということで印南駅で下車。駅前には有名なカエルの橋があるのですが、駅ともども写真には収めていませんでした。当時はブログに載せることを考えてもいなかったせいでもありますが、「目的地に着くまでの過程は撮らない」「撮影は結果が全て」という私の姿勢は、よほど意識しないと抜けないようです。ということで1kmほど歩くと当の風早海岸に着きます。
岩礁と青い海原が広がる絶景が、そこにはありました。
なるほど、ここです。岩の形も以前に撮った写真と確かに一致します。ようやくつながりました。そういえばあの時も印南駅で降りてたか……と、今さらのように思い起こしました。「風早海岸」という地名も、その時は知りもしなかったのです。
磯辺の大岩が目を引きます。
こちらは地質的には砂岩泥岩互層(タービダイト)でできているところで、やわらかい泥岩部分が浸食され、硬い砂岩が残ってギザギザとなっています。地殻変動の結果としてほぼ層が横向きになっています。
そのため細く残された砂岩の硬い部分の上を歩くしかなく、結構歩きにくいです。靴も傷めやすいので、ここを訪れるさいにはその点はお気を付けを。
海岸が続いているので、そのまま切目、岩代方面に向かって海辺を歩いて撮影を続けたのですが、それはまた別の記事で。