蔦紅葉の美しさ
「蔦紅葉」という言葉をご存じでしょうか?
秋に赤く色づくツタの葉の美しさを表す言い方です。
もともと「もみじ」というのは木の葉が色づくことを意味する「もみづ」という古語の動詞に由来し、そうした植物全般に当てはまる言葉です。色づき方によって「紅葉」とも「黄葉」とも漢字を当てます。
だから、前の記事で触れた「桜紅葉」という表現もあるわけです。
そのなかでも、特に紅葉の美しいカエデ科の植物を指して「モミジ」と呼ぶようにもなり、代表的な「イロハモミジ」をはじめとする種名にも使われるようになったという次第です。
ということで、秋の「もみじ」が美しいのは「モミジ」ばかりではありません。
「蔦紅葉」の美しさというのは、たとえばこんな感じです。
こちらは京都御苑の南西角、閑院宮邸跡の庭園にて。現在公開中です。
これまた綺麗に黄色く色づいた、樹高20mはあろうというエノキの大樹。その梢にまで伸びたツタが赤く色づいて、見事な秋色のコラボを演出しています。
上の写真は御苑の外の道路から望遠撮影したものですが、同じく道路側から角度を変えて。
モミジとも合わせて。赤色の色調の違いも見所です。
庭園内からはこちら。下から見上げるように撮ったものです。
庭園内にイロハモミジも植えられているので、こんなふうに合わせることもできます。
唱歌『もみじ』に「松を彩る楓や蔦は」という歌詞がありますが、こちらはまさにその通り。
いま紅葉シーズンただなかですが、「モミジ」ばかりが紅葉ではない。そうしてみると、さらにこの季節の楽しみも増えると思います。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。