ユリカモメたちのいる夕景 その3
京の冬の風物詩・ユリカモメの夕景シリーズ、今回もです。
年によっては、彼らは夕暮れ時には、五条と七条の間の、正面橋の辺りに集うこともありました。
その折の光景からです。
できるかぎり彼ら自身の目線に近づこうと、河原まで降り、水面すれすれまでカメラを近づけて撮影した一枚。ご覧の通り、彼らの足が立つほどの浅瀬です。
このアングルだと、一部のユリカモメたちの白い羽も、ほんのりと茜色に染まって見えます。
よりズームで、2羽にフィーチャーして。茜色もより鮮やかになり、ユリカモメの白とのコントラストが映えます。
こちらは遠近。背後の大群は、飛び立とうとする何羽かもいます。
水面の染まりようも、さらに赤みを増しました。なんとなく絵画的な光景になった感じです。浅瀬だからより染まりやすくなってもいるのでしょう。
群れのただなかの様子をズームで強調。
冬の間はなかなか空の雲の方が赤く夕焼けに染まってくれることがないだけに、こうして水面に注目して夕景を撮ってみるのも面白いところ。
「鳥と夕景」はお気に入りの撮影テーマの一つですが、そのなかでもユリカモメたちのハマリ方は別格という気がします。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
ユリカモメたちのいる夕景 その2
前回に続いて、私の愛する鴨川のユリカモメたち。これも過去年の撮影からです。
やはり、夕暮れの茜色に染まる水面に。
河川敷に集う。左下の波紋がちょっとしたアクセントになっています。
夕焼け雲を背に舞う。まだ空高くは飛び立っていません。
こちらは別の日。大群で輪を描くようにしながら大空に舞い上がっていきます。
1羽1羽が、すっかり小さく見えるところまで上昇しました。
西日を浴びて、うっすらと色づいた姿が大空に浮かびます。
こうやって千変万化のスペクタクルを見せてくれる彼ら。この冬も会えましたが、今後もずっと、鴨川にはやってきてほしいものです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
茜色の水面に~ユリカモメのいる夕景~
京都の冬の風物詩、鴨川のユリカモメたち。
この冬の撮影ではないですが、夕景の中で映える、彼らの姿をご覧いただきましょう。
こちらは丸太町橋南の河川敷。夕日で茜色に染まる水面に集うています。年によってはこのまま飛び立って琵琶湖に帰ることなく、鴨川で夜を越すこともありました。
鮮やかな茜色と、ユリカモメたちの白のコントラスト。
そのなかでの2羽にスポット。
こちらは一羽だけです。
こちらは別の日。一羽一羽が粒にしか見えないほど、高く、夕空に舞い上がっていった光景です。
夕焼け雲を背に、群舞。
ただ見るだけでも白くて愛らしい鳥ですが、こうやっていろいろな光景を演出しては、寂しい冬に見るものを見せてくれるユリカモメたち。大好きです。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
この冬も鴨川のユリカモメ
京の冬の風物詩のひとつ、鴨川のユリカモメたち。
毎冬の私の楽しみのひとつとなっていますが、繁殖地(ロシアのカムチャツカ半島)の環境変化その他の要因で、最盛期に比べると年々渡来数も減っています。また以前であれば11月に入った頃には鴨川で見かけたのに、最近では12月になっても姿を見かけないこともあり、ひょっとして今年は来なくなったのか……と気になってもいました。
でも、数は減っても、ちゃんと出会えました、今年も。先週末、寒波のただなかでの撮影から。
鴨川・丸太町橋から北山を望んで。青空も寒々としていました。
そしてユリカモメたちは橋のすぐ下流の河川敷に、群れなしていました。他の場所を回っても見かけなかったので、ひょっとするとこれが今年の鴨川のすべてかもしれません。以前ならこれぐらいの群れが川のあちこちに見られたことを思い出します。
例年1月10日前後がユリカモメが鴨川にいちばん集まる時期。その理由は、隣を流れる岡崎疎水が清掃のため水抜きされることにあります。
底が現れると、干潟とよく似た環境になって恰好の採餌場所となり、ユリカモメたちが集まってくるのです。
それも数日ぐらいで、ここの餌を食べ尽くすと、川の方に戻るようです。
この日はたびたび飛び立って、川と疎水を行き来していました。
こちらは川に戻って着水した様子。
これからもずっと、京の冬を飾ってもらいたい鳥たちです。
こちらは、かつてなら鴨川では珍鳥扱いでしたが、今やすっかり常連の冬鳥となったカワアイサ。これからさらに増えていくでしょう。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
地図にない絶景と関係人口~南紀すさみ町・黒崎~
南紀すさみに寄せて。
先日、SNSのとあるグループで投稿したこの一枚には、地元の南紀の方々も含めて、たくさんの方々からの反響をいただきました。
まるで青水晶という、この澄んだ水の色。
すさみ町の、黒崎にて撮影したもの。川ではなく海で、岩礁が侵食されてできた入江です。
このあたりは砂泥互層がだいたい水平に重なっていて、水底に白い砂岩層が露出していることが、水の透明度もあわせて、こんな繊細なブルーを演出していると思われます。
でもこれは、いわゆる「名所」ではありません。ガイドブックに載るような場所でもなければ、地元の観光協会でも見所として案内されているわけでもない。すさみ町には南紀熊野ジオパークのジオサイトがいくつも指定されていますが、そのなかにも含まれていません。一応Google Map には表示がある程度で、そこに訪れた人のレビューもありません。
そういう意味で、まさに「地図にない絶景」であって、もしかするとここを絶景として語っているのは、私しかいないかもしれません。
いま地域活性化のキーワードとして注目されている「関係人口」という概念。
一時訪れるだけの「観光人口」と、そこに至るまではハードルの高い「移住人口」との間にあるもの。都市部に住んでいながら、ある地域に魅力を見いだして繰り返し訪れ、その土地と人びとに持続的な関わりをつくっている人たちのことを言います。こうした関係人口の広がりこそが、これからの地域の活力には欠かせないものという認識が広まりつつあります。
そのひとつの意義が、その土地の魅力を、地元以外の立場から発信できること。
わけても、地元の人々にとっては見慣れた、あたりまえの光景でも、外部の人たちにとっては絶景そのものとなるようなスポットを見つけ、その魅力を伝えていくというのは、大きな意味があることと思っています。
私が魅せられたすさみ町は、まさに地図にない絶景があふれている場所ですから。
青く美しい海に、悠久の大地の営みが造りあげた奇岩の数々が、いたるところに唯一無二の個性的な景観を織りなしている。それで私が見つけた奇観の数々を、地元で公式に指定された「すさみ八景」に加えて、「プラス八景」という形で紹介してもいるわけです。
先の写真の投稿が地元の方々からも反響をいただけたというのも、外部から、新鮮なものとしてその土地の光景を眺められる、「関係人口」の立場ならではないかと思っています。
もともと私は今在住している京都でも、いっぱいある「名所」よりも自ら見つけた「隠れた絶景スポット」を探しては撮るという流儀でやっていますから、その延長でもあるわけですが。
関係人口の地域に対する寄与のしかたはいろいろあると思いますが、私としてできることはまずこういうことではないかなと感じます。
黒崎の入江が、先の写真ほど美しいブルーを見せてくれるのは、どうやら冬のようです。
こちらは早春、3月に訪れた時の撮影。
これでも水が澄んで十分綺麗なのですが、先の写真ほどのブルーは出ていません。これが夏だったらもっと緑が濃い色合いになってしまいます。
水の透明度なのか、それとも底に藻などがついているかどうかなのか、まだ理由はわかりませんが、見に行くなら冬です。
今年はコロナウィルスのため、恒例の冬のすさみ行きを見送らざるをえなかったのが残念でした。次の冬には収束して、もう一度このブルーを見に行けるようになっていることを願わずにはおれません。
ということで、この黒崎の入江のブルーを、さらに。
夏の撮影からですが、海岸を見渡すと。
やや荒れ気味の海とともに。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
ふたつの宝石、魔法の瞬間
新年のご挨拶のあとでは、今年初めての記事になります。
この2つの煌きがさまざまな色の宝石となって贈る素敵なひとときをお楽しみください。
青緑がふたつ。
澄んだブルーの輝き。
大きく輝く、ふたつのオレンジ。
片方が青に。
入れ替わるように、オレンジと緑。
2つの虹色の煌きが、最高の瞬間でした。
昨秋の撮影からです。
冬も本番に入ったばかりですが、今年は雫の素敵な瞬間にはどれだけで会えるでしょうか。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
2021年 明けましておめでとうございます
みなさま、明けましておめでとうございます。
桂川にて撮影した、今年の初日の出をお届けします。
年末はわが家の近くもご覧の通りの寒波襲来、元日にも続いて、予報は曇りだったので初日の出撮影に行くかどうかは迷ったところですが、未明に空を見上げれば晴れ渡っていて、この天気が日の出まで持つことを祈りながら、酷寒の中、桂川までたどりつきました。
桂川については、初日の出撮影スポットとしてこちらの記事でも触れました。年末年始にはこの記事へのアクセスがかなり多かったようです。
とはいえこちらの記事にはまだ桂川で撮った初日の出写真を載せていなかったので(過去に撮ったものはデータとして残っていませんでした)、今年は撮るならここにしようとは決めていました。
ということで、選んだポイントは上野橋。
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ご覧の通り南北にかかっている橋なので、日の出を撮るなら橋の上からです。ということで到着時。
京都の日の出は7時5分。15分ほど前に到着しましたが、ちょっと早く着きすぎた気もしました。もう明るくなってはきているものの、酷寒の中、日が出るのを待つだけでも厳しいものです。日の出が5分とはいっても実際に山から顔を出すのはさらに数分後になりますから。
ということで日の出時刻になったぐらいでこんな感じ。
橋から北東の方向にカメラを向けると、朝焼け雲の下、愛宕山が朝日に染まりつつありました。山の方が先に日が当たるようです。
いよいよ、2021年の初日の出。
川面への映り込みもあり、撮影成功です。
こちらは2日の模様。ほんのりとした朝焼け。
そして上高野の、比叡山を望む田園。まだ雪も残っていました。
ということで、年明けの模様です。
コロナ禍で撮影のために遠出できない状況が続きそうなこと、これまでのストックの多くをすでに使ったこともあって、今年は投稿ペースは落とすことになりそうですが、当ブログを今後ともよろしくお願い申し上げます。