前回はリアルタイム撮影の記事を入れたので、今回から昨週末のすさみへの旅でカメラに収めたものを取り上げていこうと思います。
土日とも、初めは曇りがちな天気でこの日の撮影は駄目かも……と思わせて途中から見事に晴れ上がり、絶好の撮影日和となりました。
2日目の日曜日も10時頃まではこんな感じでしたから。
ということで、撮影の時系列にこだわらず、特に今回の撮影旅行で気に入ったものを何度かの記事で語っていきます。今回は、黒崎。
地図はこちらです。
周参見駅と見老津駅のちょうど中間地点ぐらいにある岬で、フェニックスクリフから少し東へ行ったところにあります。磯釣り場にもなっているためか、国道42号線から車も降りられるスロープが設けられていて、海岸近くまで車でも降りることができ、駐車スペースもあります。
5月に訪れた時も、ここでいくらか撮りました。
この日はあいにくの曇り空。その後も何度か立ち寄る程度の撮影はあったものの、今回の旅ではこのスポットでの撮影に力を入れようと決めていました。
ということで。
このような荒々しい断崖は、それだけでも十分に絶景の名に値します。
岸壁には海の浸食作用でできた洞窟が点在し、悠久の年月を経た自然の造形を感じさせます。
ということで海岸に降りて左手側の磯へ。
岩質は砂泥互層が中心のようで、海食崖の下に比較的平坦な波蝕棚が広がる地形。磯釣りにも適した場所なのももっともです。
奥の左手側の岩山は、実はその右に見える入り江によって、陸地から隔てられています。長い年月をかけた海水の浸食作用で、崖から切り離されたのでしょう。満潮時にはその下の磯ともども、島のようになります。入り江の幅も1mほどなので、飛び移れる程度ですが。
こうした海岸美だけでも十分に堪能できる絶景スポットなのですが、今回の見どころはこちら。
この入り江の水の、澄み切った色をご覧ください。
海の青ともこれまた違った、繊細で清楚なブルー。ここまでの水の美しさは、そう見られたものではありませんでした。
より広角に。
角度を変えて。
この透明感にあふれたブルーをカメラに収めることができただけでも、今回の旅は大収穫といえるものでした。
この色の秘密は、底の面や散らばる石の白さにあると思われます。南国の白い砂浜の上に広がる海がよく似た色に見えるのと同じで、底が白ければ底面で反射した光も水中で散乱して、このようなブルーを演出します。
冬なので底に茂っていた藻などもなくなって、海水に洗われた白い底が露出したことで見られた光景なのでしょう。
ここは砂泥互層でも、白い砂岩層が露出して底になると、こんなふうに見えるのかもしれません。
こんなふうに黒い泥岩層が剥がれ、その下の白い砂岩層が現れている部分は、所々に見かけますから。
こうした浅瀬には、魚も泳いでいました。
続いて、浜辺から右手側に渡ります。
ここにも海食洞が開いています。
こちらの荒々しい威容もなかなかでした。
やはり水も澄んでいます。
ここ黒崎で時間をかけて撮影したのは実質今回が初めてでしたが、ここまでの絶景スポットとは予想以上でした。これからのすさみへの旅でも必ず訪れるべき場所に加わるかもしれません。そうなれば毎回ますます欲張らなければならなくなりそうです……。
まだまだお届けしたい撮影成果はありますが、今日はこの辺で。
今回もご覧いただきありがとうございました。