夕焼けが美しい季節は、朝焼けも美しい。
それはほかならぬ、今の時期です。夕焼けも朝焼けも原理は同じ。湿度が高い、つまり「大気中の水分が多い」。それが波長の短い光を散乱させ、赤い光だけを届かせる。そうして空を赤く染める条件が整っているので、当然のことです。
しかも、「全方位の空が染まる」という、夏の夕焼けならではの光景は、朝焼けでも同じように見られます。
ということで、今朝現れた、鮮烈な朝焼けをご覧いただきましょう。
こちらは最初に見た北西の空。普通なら夕焼けに染まる方角ですが、全方位が染まる今の季節にあっては、こちらも鮮やかでした。
東の、比叡山の方角。鮮やかさではやはりこの方向が一番です。
目を北西に転じると、こちらも鮮やかさを増していました。
南東の方角。こちらがいちばん雲が広がっていたので、これだけ染まっています。
数分で北西の空も色が変わっていきます。
ピンクからオレンジへ。
比叡山の方角も、真っ赤からオレンジへ。
そして黄色っぽく。
朝焼けの色の移り行きは、夕焼けのいってみれば逆回しです。クライマックスに向けて黄色からオレンジ、そして赤やピンクへと変わっていくのが夕焼けなら、まず真っ赤に染まったところから、明るくなるにつれてオレンジ、黄色と、より波長の短い光の色に変化して消えるのが朝焼け。
つまり、朝焼けでは最初からクライマックスなのです。
(わかる人にはわかると思いますが、当ブログでは、表立っては語っていませんが私の「別の方面」の趣味の用語を時々盛り込んでいます)
ここにきて題名についてのお話。これはもちろん、「早起きは三文の徳」にあたる英語のことわざ "The early bird catches the worm" が元ネタです。
一年で最も日の長いこの時期に朝焼けを見るためには、かなり早く起きる必要があります。
私の寝室は西窓なので、「目覚めたら窓越しに真っ赤な朝焼け空が見えて……」というわけにはいきません。でも全方位の空が染まるいまの時期なら、西空も朝焼けが広がっていて、その鮮やかさに目が覚めたということは何度もあります。そうなってからでは撮影には手遅れになりかねないので、もっと早く起きて待つ必要がありまする
私の住む京都であれば、4時半に起きてようやく間に合います。これだけの朝焼けに出会えるなら、間違いなく三文以上の価値はあるでしょう。
早起きの私としては「いつもより多少起床時間を早める」程度の時間調整で済むのですが、人によってはこれだけ早く起きるのは大変かもしれません。
元ネタの英語のことわざですが、直訳すれば「早起きの鳥は虫を捕まえる」。実際に本当に早起きの鳥たちは多く、この朝焼けを撮った際にも、近くの森からメジロやカラ類、民家周辺からはスズメやセキレイ、イソヒヨドリなど、いろんな種類の鳥の声が聞こえていました。"worm" といえば代表的にはミミズですが、これらの生物も朝早くにはよく地上に出てくるそうで、当のことわざは、野鳥の生態にちゃんと合致しているという話です。
誰かは不明ですが、最初にこのことわざを言い出した人も有言実行、ちゃんと早起きして野鳥の生態を観察していたからこそでしょう。
では、この季節にこれまで撮れた朝焼けをさらに。
昨日ですが、今朝にあれだけ華麗なものを目にするとずっと控えめだったようにも思えてしまいます。
先週のある日。
同じ日、時間を経ての変化です。
先々週のある日。
というわけで、早起きすればこんな光景に出会えるかもしれないので、みなさまもお試しください。
実は今日は、朝焼けばかりか、こんな情熱的な夕焼けにも出会えたのですが、そちらはまた後の機会に語ることにしましょう。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。