すさみでの絶景さがし その1
すさみは、絶景を探せる場所。
それが、私がこの地に思い入れる何よりの理由です。
もとより青く澄み渡る海は、その美しさだけでも語り尽くせません。
さまざまな種類の地殻変動によって、悠久の年月が形づくった個性豊かな岩が至るところにあり、海沿いまでせり出した紀伊山地の険しい山並が背景をなして、どこをどう撮っても唯一無二の絶景になる。
有名な観光地であれば、いくら華麗な絶景であっても、そこへ行って撮影すればどうしても「誰が撮っても同じ」写真になりがちです。撮影スポットもだいたい定番化しているものですから。
けれども、名もつけられていないところに、自分だけの絶景を見つけ出せる。それが、すさみのオーシャンビューだと思っています。
そんなわけで、まず一つ。
こちらは見老津駅から国道42号線を西に1kmほど行ったところにあります。前に紹介した恋人岬よりも500mほど手前。主に磯釣り客が利用する、海岸まで降りられる小道があります(かなり険しいので、補助用にロープが設置されています)。
下の地図の、中心です。
降り口から望むと、こんな感じ。こちらは早春。
ほぼ同じ画角で、盛夏に撮影。夾竹桃の花も咲き、画面の明るさも海の色もだいぶ違います。
手前に平らな岩棚が広がり、水の入り組んだところを挟んで、向かい側にも細長く岩棚が張り出しています。この岩の造形もなかなかの見ものです。
というわけで、降りてみるとこんな感じです。
二つの岩棚の間には満潮でも水没しない岩場があるので、向こうまで簡単に渡れます。
地層の重なりも、はっきりとわかります。層面ごとに平らに割れたか削られたかで、平坦な面が至る所に現われているのが印象的です。
ほぼ平坦なので、磯釣りのスポットとしても絶好。たびたび釣り人の姿も見かけます。私は釣りはしないので、降りる目的はもっぱら撮影なのですが、他に写真目的の人には出会ったことはありません。絶景が開かれている場所なのに、勿体なくも寂しい気がします。
こちらは夏の撮影。空の色も海の色も、より明るく鮮やかです。
岩棚から海を望むとこれまた壮観なのですが、これはまた別の機会に。
最後に、夕映えに照らされて、よりダイナミックさを増した一枚を。こちらは一昨年の12月に撮りました。