光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

すさみでの絶景さがし その1

 すさみは、絶景を探せる場所。

 それが、私がこの地に思い入れる何よりの理由です。

 もとより青く澄み渡る海は、その美しさだけでも語り尽くせません。

 さまざまな種類の地殻変動によって、悠久の年月が形づくった個性豊かな岩が至るところにあり、海沿いまでせり出した紀伊山地の険しい山並が背景をなして、どこをどう撮っても唯一無二の絶景になる。

 有名な観光地であれば、いくら華麗な絶景であっても、そこへ行って撮影すればどうしても「誰が撮っても同じ」写真になりがちです。撮影スポットもだいたい定番化しているものですから。

 けれども、名もつけられていないところに、自分だけの絶景を見つけ出せる。それが、すさみのオーシャンビューだと思っています。

 そんなわけで、まず一つ。

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2016年8月撮影

 こちらは見老津駅から国道42号線を西に1kmほど行ったところにあります。前に紹介した恋人岬よりも500mほど手前。主に磯釣り客が利用する、海岸まで降りられる小道があります(かなり険しいので、補助用にロープが設置されています)。

 下の地図の、中心です。

 

 降り口から望むと、こんな感じ。こちらは早春。

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 ほぼ同じ画角で、盛夏に撮影。夾竹桃の花も咲き、画面の明るさも海の色もだいぶ違います。

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 手前に平らな岩棚が広がり、水の入り組んだところを挟んで、向かい側にも細長く岩棚が張り出しています。この岩の造形もなかなかの見ものです。

  というわけで、降りてみるとこんな感じです。

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 二つの岩棚の間には満潮でも水没しない岩場があるので、向こうまで簡単に渡れます。

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 地層の重なりも、はっきりとわかります。層面ごとに平らに割れたか削られたかで、平坦な面が至る所に現われているのが印象的です。

 ほぼ平坦なので、磯釣りのスポットとしても絶好。たびたび釣り人の姿も見かけます。私は釣りはしないので、降りる目的はもっぱら撮影なのですが、他に写真目的の人には出会ったことはありません。絶景が開かれている場所なのに、勿体なくも寂しい気がします。

 こちらは夏の撮影。空の色も海の色も、より明るく鮮やかです。

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 岩棚から海を望むとこれまた壮観なのですが、これはまた別の機会に。

 最後に、夕映えに照らされて、よりダイナミックさを増した一枚を。こちらは一昨年の12月に撮りました。

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