光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

すさみと出会いと「関係人口」

 今回から、先週末にすさみを訪れた折のことを書いていこうと思います。

 雨上がりの澄みわたる青空の下、荒れ模様でこそなお色鮮やかな海の景色をいくつもカメラに収めた今回の日帰りの旅は、それだけでも大収穫でした。

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 見老津駅前から、戎島の方向を望みます。激しい波が打ち寄せ、また荒れてこそ海は鮮やかなエメラルド色を帯びます。

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 こちらは見老津駅のホームから撮影した一枚。激しく波立った海面が逆光を乱反射して、海の青さをより鮮烈に魅せます。

 条件的には今までのすさみへの撮影旅行の中でも、もしかすると最良だったかもしれません。

 そうした写真を続けてお届けする前に、今回は帰り際に得たひとつの出会いから。

 

 復路の電車の時刻から、間に合うほとんどギリギリまで撮影を続け、発車より7-8分前に見老津駅に到着。あとは駅に昨秋オープンしたカフェ「のんびり屋」の店主の方に挨拶し、電車を待つだけ……のつもりでした。

 と、店主さんからもっと早く来ていたら……と惜しむ言葉。店内には、若者たちの一団の姿がありました。

 同じ大学の先輩・後輩(すでに卒業して社会人になっている人もいました)ということです。なんでも、東京と名古屋という大都市部から、このすさみを、しかも何度も訪れているとのこと。若者たちによる何かのローカルプロジェクトを行っているのかと思えば、ただこのすさみを好きになり、訪れているとのことでした。「サンセットすさみ」の常連といいます。

 これはまさにすさみの「関係人口」。一過性の「観光人口」でもなく、またハードルの高い「移住人口」でもなく、都市部からその地方を好きになって何度も訪れ、土地と継続的な関係を作り上げているような人たちのことをいいます。仕事の一部をその地域で行っている、たびたびその土地で何かのローカルプロジェクトを行う。あるいはその地域が大好きで、都市部にいながらその魅力を精力的に発信している、など。

 この「関係人口」こそが、人口減に直面する地方に活力を取り戻すためのキーワードとして注目されている。このすさみ町もまた、「関係人口」がもっと増えていけば、未来に明るい展望が開けるに違いありません。

 私自身がすさみの「関係人口」のひとりとして、たとえばこのブログを通してすさみの魅力を発信しています。

naosuke21036.hatenablog.com

naosuke21036.hatenablog.com

「関係人口」という概念については、私が紹介したことを通じて、地元の人たちも地域振興のキーワードとして使っていただいているようで、それも一つの役立ち方かとも思ったほどです。

 そして、今回出会ったように、若い人たちにもすさみの「関係人口」が出てきている。代表の人とはFBで繋がり、彼のページも拝見しましたが、若者らしい視点から、すさみの未来のことも考えておられるようで心強いです。

 名の知れた観光地ではなくても、探せば絶景をいくらでも見つけられる枯木灘の地。それだけでも測り知れない魅力があるのがこのすさみ町です。もっとその魅力に気づいて、関心を持って足を運ぶ人が増えればとは、かねてから思っています。

 このたびであったような若い人たちを通じて「関係人口」の輪が広がっていけば、希望もさらに大きくなるに違いありません。

 それだけに、電車待ちの数分間という、ほんのわずかな時間しか今回は顔を合わせて交流できなかったことが心残りでした。また何かの機会に会えればと思います。

 

 改めて、見老津駅にカフェ「のんびり屋」が出来た意義は非常に大きいと感じます。

susami-shokokai.com

 最高の絶景駅でありながら無人で閑散としていた見老津駅にこの店が出来たことで、地域の人たちの間でも、また訪問者との間でも、格好のコミュニティ・スペースが生まれる。いろんな「出会い」を生む場になっていることを、訪れるたびに感じます。

 何か場があれば人は集まり、交わることができる。そんな見本といっていいでしょう。

 では、次回からは本格的に、今回の旅でカメラに収めた絶景を紹介していきます。

 ご覧いただきありがとうございました。