すさみの名所より
この海の青さをご覧ください。
5年前の春にふと訪れてみたときに撮ったものですが、この澄み渡る青が、南紀すさみに魅せられ、以来何度となく足を運ぶことになったきっかけでした。
すさみの魅力は、これからもどんどん紹介していきますが、「名もなき絶景を探せる地」であることにあると、私は思っています。
でももちろん、名のあるスポットでも、必見の絶景はいっぱいです。中上健次の小説の題名にもなっている「枯木灘」として知られ、景勝地となっています。以前は「枯木灘県立自然公園」と呼ばれていましたが、最近、吉野熊野国立公園に組み込まれることになりました。南紀熊野ジオパークの一部ともなっていて、地球の悠久のいとなみが築き上げた、自然のモニュメントがいっぱいです。
まずは、そちらからひととおり紹介していくことにしましょう。いずれその一つひとつについても、立ち入って語る予定ですが、今回はインデックス的にいきましょう。
先の記事で紹介した、見老津駅前に広がる海だけでも十分な絶景ですが、こちらは見老津駅から1.5kmほど西に行ったところにあるスポットです。
恋人岬での婦夫波。
黒潮の流れが黒島のところで2つに分かれ、両側から波が打ち寄せては出会う。
合掌波というもので、なかなかの壮観です。
こちらはさらに4kmほど行った先にある、「フェニックスの褶曲」。「フェニックスクリフ」とも呼ばれます。
ご覧の通り、地層がさながらバウムクーヘンのごとくにぐにゃりと曲がっています。
堆積してできた地層が十分な固さになる前に地殻変動の圧力を受けてできたもので、間近で見ると、その自然の造形美に圧倒されます。
ちなみにここはGoogle Map にも載ってはいるものの、実はアクセスは大変なのが難点です(事情を知りたければさしあたり、「フェニックスクリフ」「フェニックスの褶曲」で他を検索してみてください)。
こちらは見老津駅から反対に東方向に2kmほど行ったところにある、日本童謡の園。
童謡をテーマにした公園で、近づくと「夕焼け小焼け」や「めだかの学校」のような童謡が流れる仕掛けがあったり、童謡をもチーフにしたモニュメントが置かれていたりします。
海食崖の上に位置しているので、ここからのオーシャンビューも見事です。
こんなふうに、「名のある」スポットをちょっと取り上げるだけでも、知られざるままでいるには惜しい絶景は豊富です。地元でも、新旧の「すさみ八景」を定めて、その魅力をアピールされています。
熊野古道では大辺路(おおへち)歩きのコースにもなっていて、古道歩きの人たちと、訪れた際に出会うこともたびたびです。
カツオやイセエビをはじめとする海の幸、イノブタ飼育発祥の地にちなんだ「イノブータン王国」、ダイビングなどのマリンスポーツや磯釣りの絶好の地であること、全国唯一の「海中郵便ポスト」が置かれているなど、魅力は語ればいくらでもあります。よろしければ、「リンク」にも挙げてある「すさみ町観光協会」のサイトを覗いてみてください。
私は都会住まいながらこのすさみの魅力に魅せられた「関係人口」のひとりとして、これからもすさみの魅力を発信していこうと思います。
その魅力は、名のあるスポット以外でも、いくらでも「絶景」を探せる。そんなところにあります。