夕焼け祭りの初夏の日
夕焼け祭り。
昨日の光景は、そう呼んでいいものでした。
前回の記事でハイライトだけご紹介しましたが、ここで改めて、そのプロセスまで含めて、存分にお楽しみいただくこととしましょう。
曇りのち晴れという予報に反して、ほぼ一日曇りだった昨日の京都。土曜ながら私は在宅での仕事だったので窓から外を眺めるのみでした。その仕事も終わって、夕暮れ時に買い物を兼ねて出歩きました。
あるいは……とも考えてカメラを持って行っていましたが、曇り空の中、西の地平線近くから光が射しています。視界を確保するために鴨川・北大路橋まで移動すると、この様子。
すでにほんのりと雲が染まり始めていますが、これで今日は確実に焼ける、と予感できました。
ポイントはこの記事にありますが、地平線近くから光が射している、すなわち空を染め上げる落日の光を遮るものがない。そして染まるべき雲が一面に広がっているともなば、これは華麗な夕焼けが出現する条件が整っています。
今までの私の夕焼け撮影経験からすれば、「なんか行ける気がする」というレベルではなく、「これで決まりだ」というものです。
そして色づいてきました。さあ、ショータイムです。
北の空が染まるのは、日の長い季節の夕焼けの特徴です。だからこそ南北に流れる鴨川の橋の上は、ベストな撮影スポットなのです。
ここまで染まってくれば、この日は凄い夕焼けになることは間違いなし。「勝利の法則は決まった」と言ってもいいところです。
こちらのブログではとりたてては語っていない、私のいま一つの趣味の方面のネタも仕込んでいますが、わかる人にはわかりますよね。
川面も染めて、空間が夕焼け色に包まれてきます。
さらに茜色を深めて。
いよいよクライマックスに突入です。
こうなれば、夕焼けが全方位になってきます。他の方角を撮ろうと、信号を渡って橋の南側に移り、下流方面を撮影。西空ほど華やかではないですが、こちらも美しく色づいています。
大文字山方面を特にフィーチャーして。
橋の北側に戻る前に、街の景色ともども。灯りはじめた街灯や車のライトが、一日の終わりを感じさせます。
そしてこれがクライマックス、燃え上がる空です。
東岸から、いちばん燃えている部分をズームで。
橋上の情景。
もう一度南の方角にカメラを向けて。
橋の下流側から望んだショットも。
赤からピンクに。刻々と色の移り行きを楽しめるのも、「祭り」といえるほどの夕焼けの日の魅力。
ピンクモーメントが深まり、しだいに光度も落ちてきます。
だんだん名残惜しさも感じられてきますが、終演が近づきます。
フィナーレです。
ここまで華麗な夕焼けが見られるのも、空一面に雲が広がっているからこそです。
曇りの一日のどんよりとした気持ちも吹き払うような、「一発逆転系」の夕焼けというものです。
今年に入ってからでは、間違いなく最高の夕焼け。もともと晩秋から春先までは夕焼けはあまり見られない季節であり、春になってからもこちらで取り上げるほどの夕焼けはなかなか現れませんでした。夕焼けがとりわけ多く、また美しい季節は夏であり(秋ではありません)、季節も夏に近づきつつあるということでしょう。
というわけで、今回もご覧いただきありがとうございました。