夕景を撮るのには「諦めの悪さ」が大切
夏も終わりに近づきましたが、夕焼けのベストシーズンは、秋ではなく夏です。
そして夕景の名所として、京都は嵯峨・広沢池のことは以前の記事でも紹介しました。
先日、ここに久しぶりに夕焼け狙いで行った時のことです。
夕景の名所であることは知る人ぞ知るようで、常連のカメラマンから通りがかってスマホで撮る人まで、夕暮れ時には結構多くの人が来ています。
美しい夕焼けが見られるかどうかは、もちろん自然にゆだねるしかありません。
そういうわけで、今日は染まるかどうか、西空の行方を私も含め多くの人が見守っています。
日の長い今の季節、7時前になりましたが、西空はこんな様子。
染まるには染まりましたが、今日はこんなものだろうと見切りをつけて、足を返す人たちも見かけるようになりました。
当たり外れもありますから、この程度の染まりようでは撮るほどのものは見られなかったと判断しても、無理はありません。でもここで帰ってしまった人は、これからの写真をみればきっと後悔するでしょう。
上の写真から約10分後に、ようやくこんなふうに染まりだしたからです。
その2分後にはさらに夕焼けは広がりました。
ますます華麗になったのが7時10分頃。
ここではシンメトリーに撮るのが醍醐味。ということでズームで。
こんなふうに、見事な夕焼けが見られた日でした。日没から20分後です。
ここで言えるのは、夕焼けの撮影には「諦めの悪さ」が大事だということです。
夕焼けというのは、地平線下に没した夕日が雲を照らし上げることによって生じる現象です。ですから、見られるのはあくまで日の入り後。もっぱら夕日だけを狙って、太陽が沈んだら引き上げてしまうのは残念なやり方だというのは、まず夕景撮影の初歩です。
しかも、空が華麗に染まるのは、日の入り時刻からしばらく経ってからのことが多いのです。今日はこれまでか……と思ったら、いきなり鮮やかに空が染まってくるということも少なくありません。
ですから、かなり後々まで諦めずに待つ。それが大事なことも多々です。
この時も、今日はダメか……と帰ろうとしかけた矢先に染まりだし、これほどの夕焼けになりました。
そういう意味でも、日が沈んでから20分は待つ。それぐらいの諦めの悪さこそがチャンスを増やします。
なお、「日が沈んでから」というのは、あくまで日の入り時刻からということです。三方を山に囲まれた京都などでは早々と山に太陽が隠れてしまうので「日が沈んだ」と感じる時刻がどうしても早くなってしまいます。
ですから、日没時刻は事前にチェックするなり、その場でスマホで調べて確認するなりして、正確に把握しておくことが大切です。
これが、みなさまの夕景撮影でも参考になればと思います。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。