森のイルミネーション
今日も雫の煌きをお届けします。
思い起こせば、学生時代に住んでいたアパートの窓から、雨上がりに晴れた朝、窓から電線に残った水滴が虹色に輝くのを眺めた頃。
野鳥を見に森に入ったとき、その日も雨上がりだったので森の木々に残った水滴が色とりどりに輝いて、まるでクリスマスツリーのように見えたこと。
まだ写真を撮ることを覚えていなかった頃でしたが、その頃に見いだした美が、今こうして一瞬だけの輝きを撮ることに心を注ぐ原点になっているように思います。
ということで、今回は私が「イルミネーション」と呼ぶ趣向のものから。
たくさんの雫が、色とりどりの輝きで樹の枝を飾る、そんな光景です。
光源はもちろん太陽。だから夜の街を彩るのではなく、雨上がりの晴れた森を彩ります。
雨が上がった後ならではの清冽な空気に、降り注ぐ日差しが色あざやかに煌かせる無数の雫。
いつまでも眺めていたくなるような光景ですが、時がたって太陽の位置が変わると、もとの透明な雫に戻り、そしてやがて消えてしまいます。
まるでおとぎ話のなかで、魔法が解けて宝石がただの石ころに戻ってしまうように。
だからこそ、時の中にしかない輝きを、写真のなかにとどめます。
ということで、自然のイルミネーションを違った色でも。