光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

香住海岸 鎧の袖

 ここ2回の記事で紹介している香住海岸ジオパークとして指定されている範囲は広く、奇勝はまだまだあります。

 とりわけ、国の天然記念物にも指定されており、絶景として名高い「鎧の袖」を紹介します。

 とはいえ、ここはアクセスが大変。地図をご覧の通り、道路には面していません。

 かつては遊覧船「かすみ丸」に乗って海から眺めるのが王道でしたが、今は運航されていません。距離的には一番近いJR鎧駅は駅名も鎧の袖にちなんでいますが、ここから直接アクセスできるわけではありません。

 香住-鎧間の線路で海沿いを走る区間があり、通過する時に電車の中から撮影するチャンスはありますが、わずか100m程度。数秒しかなく、逃したらおしまいですし、構図を工夫する余裕もありません。

 ということで方法は、林道を分け入って観望できるスポットに出るしかありません。

 

 Google Map のクチコミに書かれていた案内を頼りにします。地図上で示してある香住斎場の側に林道の入り口があり、そこから進めば東から眺められるスポットがある、とのことです。

 ということで今子浦とは反対の、駅から見て左手、西方向に進みます。

 矢田川の河口。海に入る前からすでに日本海ブルーが鮮やかです。

f:id:naosuke21036:20200702104441j:plain

 そして林道に入り、眺望が開けたところ。今子浦方面が見渡せます。

f:id:naosuke21036:20200702104428j:plain

 木々の向こうに、鎧の袖が見えてきました。

f:id:naosuke21036:20200702104415j:plain

 でも、これではせいぜい証拠写真。探しても、訪れた先人のネット記事にあるような、俯瞰できる高所に出るための尾根道の入り口が見つかりません。

 その場でスマホで調べ直して何度も辺りを回りましたが、駄目でした。

 このままだと鎧の袖を木立越しに望みながら無念とともに帰路に就く……ということにもなりそうでした。案内人もいないとこういう場所はいかに大変かを思い知らされます。

 ところが、林道から尾根道を登るコースは発見できなくても、反対側、海岸へと下っていくルートがあることを発見。ビニール紐が結ばれた樹がいくつかあり、ここがともかくも道であることはわかり、辿っていくとやや険しい坂ながらロープも設置されたコースに出ました。ローブを慎重に掴みながら降りてみると線路沿いまで。

 線路の整備作業に使われる法面でしょうか。Google Map のクチコミに書かれていたのもこのコースのことだと思います。

 ということで、ついに見えました。

f:id:naosuke21036:20200702104344j:plain

 青空と日本海ブルーに聳え立つ、高さ65m、傾斜角度70°の断崖。

f:id:naosuke21036:20200702104332j:plain

 火山活動によって形成された白い流紋岩の崖です。柱状節理と板状節理、つまり縦と横の規則的な割れ目が交差していて、日本の武士が着た鎧の縅(おどし)のように見えるからついた名前です。

f:id:naosuke21036:20200702104320j:plain

 崖のてっぺんが入るギリギリまでズーム。迫力十分でした。

f:id:naosuke21036:20200702104358j:plain

 崖の下には、切り離されて出来ただろう小島が点在しています。

f:id:naosuke21036:20200702104306j:plain

 こちらは鎧の袖の右手にある「兄弟赤島」と名付けられた無人島。海の色もとにかく美しいです。

f:id:naosuke21036:20200702104252j:plain

 この撮影旅行の目的は完全に鎧の袖だったのでこのまま帰っても満足だったのですが、予定時間からして少し余裕があったので、帰路で香住海岸の他の絶景スポットにも。

 ということで地蔵鼻展望台というスポットから撮影。

 小島の並びが美しい景観。右から弁天島、そして但馬松島。あの松島に似ているところから付けられた名前です。

f:id:naosuke21036:20200702104136j:plain

 今子浦方面を望みます。海に突き出た荒々しい岩場も見どころです。

f:id:naosuke21036:20200702104213j:plain

 早春の日本海の青も堪能。

f:id:naosuke21036:20200702104237j:plain

  ということで、3度目の香住海岸の撮影旅行も成果十分に終わりました。

 では、今回もご覧いただきありがとうございました。