新緑の名所は紅葉の名所~京都・鴨川上流より~
今日は11月30日。気象学上は、また世間一般的にも、今年の秋はこれで終わりです。
けれども、まだしばらくは、季節感は晩秋という時期も続きそうです。私の住む京都には紅葉の名所がたくさんありますが、12月上旬が見頃というところも少なくありません。紅葉の季節に合わせた特別拝観の期間を、12月上旬まで設定しているお寺も多いようです。明らかに気候変動の影響で、紅葉の季節も本州中央部では12月まで確実にずれ込んでおり、「紅葉と言えば11月」というのも当たり前ではなくなっています。というか、11月でも上旬はとても見頃とはいえず、文化の日頃に京都を訪れようという知人にも「その時期には紅葉は期待しないで」と言わざるを得なかったこともありました。
ということで、こちらのブログでも12月に入ってもしばらくは、あくまで晩秋の季節感で語っていきます。
春に書いた記事で、京都の知られざる新緑の名所として、鴨川を上流まで遡って市街地を抜け出たところにある、神山(こうやま)付近のことを紹介しました。
地図でいうとこの辺りからの眺めです。
ここはガイドブックなどには絶対に載っておらず、もしかしたら私以外に注目した人がいないかもしれない、新緑の時期の絶景スポット。毎年4月20日頃に訪れれば、こんなふうに山一面が新緑のパステルグリーンに彩られた光景を目にすることができます。
新緑らしさは5月上旬ぐらいまでは残るものの、芽吹いて間もない、淡くも繊細なこの色合いが見られるのは年のうち数日間しかありません。
これだけ新緑が美しいのも、一帯が落葉樹林だからにほかなりません。秋に葉を落としては、春に新たな葉を芽吹かせる。それを繰り返す木々だからこそです。
ということは当然、晩秋には色づく姿も見られます。今日この場所に足を運び、秋色に染まった山を目の当たりにしてきました。
だいたい同じ位置から撮ったものですが、新緑の時期と比べてみてください。新緑が美しい場所は、秋の紅葉も美しい。考えてみれば当然です。
また別のアングルからの2枚。
優しくも繊細な春色と、燃え上がるように華麗ながら、どことなく寂しさも感じさせる秋色。みなさまはどちらのほうがお気に入りでしょうか。
せっかくなのでもう一つのペアを。
この秋色に一年の生命を燃やし尽くした木々は、ほどなく葉を落として冬をくぐり抜け、次の春に葉を芽吹かせる日を待ちます。また私もこの地で新緑を撮れる日を楽しみに待ちます。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。