春色と秋色の三段重ね~京都・八瀬の里山より~
今回も、季節の彩りをお届けします。
この季節、紅葉で華やかに彩られる京都の比叡山麓・八瀬。
叡電の比叡山口の辺りも秋景色は先の記事で紹介したように華麗そのもので、大勢の観光客で賑わいます。でも、そこから離れて大原方面に向かっても、知られざる絶景というのがいくつか見つかります。
今回がその一つ。先週末の撮影でさらに足を延ばしたところですが、まずはご覧ください。
山でも麓のあたりは杉の、いかにもという人工林で、深緑一色。常緑樹なので、いつの季節にも変わりません。それに対して上の方は落葉樹の雑木林なので、晩秋にはとりどりの秋色に彩られます。
その上の青空とあわせて、この三段重ねというべき光景が気に入っていて、この季節にはしばしば撮影に行っています。ガイドブックや一般のウェブでの観光情報では絶対にわからない、自分で見つけたからこそ撮れるポイントです。
南紀すさみで見つけたものもそうですが、「自分だけの絶景スポット」を見いだすこと。これは風景写真撮影の醍醐味というものです。
これは過去のものですが、さらに秋が深まって初冬に近づいた時期にはこんな色に。
まるで三色の国旗のようです。この配色通りの国旗はさすがに無いですが、強いて言えばアゼルバイジャンの国旗に近いかもしれません。
落葉樹林で秋色に染まるということは、春には新緑の美しさも見られるということです。こちらは芽吹いたばかりのころ。
さらに緑が深まると。
まだ新緑で、杉林の深緑と、同じ緑でも対比が鮮やかです。
人工林と自然林との対比という感じもしますが、実際には落葉樹林の里山というのも、人とのかかわりによって成り立った自然の景観です。でも、手つかずの自然だけが尊いわけではない。里山というのは、長らく人と自然が関わって生きてきたことの象徴でもあり、その風景もまた、美しさも尊さもたたえていると思います。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。