光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

イチョウとメタセコイア~生きた化石コラボ~

 月替りにちょうど合わせたかのように、12月に入ると冷え込みが厳しくなった今年ですが、物寂しい季節にこれから入っていく中、しばらくは華麗だった秋色を振り返っていこうと思います。

 ということで、この一枚。11月中旬に、京都の北白川、大津まで出る「志賀越道」をちょっと進んだところで撮影したもの。イチョウメタセコイアの秋色コラボです。

 この2つの樹種には、共通点があります。どちらも裸子植物でありながら落葉樹で、このように秋には色づき、葉を散らすこともそうですが、それに加えて、いわゆる「生きた化石」であることです。

 どちらも、かつては恐竜たちも見ていた樹。彼らが栄えた中生代にも生い茂っていました。といっても往年の繁茂にもかかわらず、私たち人類の時代には、中国の一部で細々と生き残っていただけです。それが人間の手で見いだされ、この日本も含めて、世界各地に植えられるようになって繁栄を取り戻したのでした。

 こちらは八瀬でのモミジとのコラボ。黄色と赤とのコントラストが鮮やかです。

 こちらは山科疏水での撮影。京都には有名寺社以外にも秋色の名所はたくさんありますが、ここはその一つです。

 同じ場所で。人との関わりの歴史はイチョウの方が古く、中国で1000年ほど前に知られるようになり、諸説はあるものの14世紀頃に日本にも渡来したとされます。

 今では街路樹や公園、学校の植樹などでもおなじみで、どこにでも見られる樹の一つとして知られているイチョウですが、国際自然保護連合(IUCN)には、なんと絶滅危惧種に指定されているということです。

 これは原産地の中国にのみ残る野生種が、まさにそういう状態だから、とのこと。

 こちらはまた、八瀬の里山から。こんなふうに山中にも自生するようになっていて、すっかり自然の風景の一部になっている感もあるので、「外来種」という感覚もなくなっているかもしれません。

 メタセコイアも恐竜時代だった中生代白亜紀まで遡る歴史がありますが、人との関わりはごく近年。化石種として知られるようになってから、それが中国に細々と生き残っていることは戦後まもない時期に発見されたとのこと。それが世界中に植えられるようになって今に至ります。

 こちらは琵琶湖畔のメタセコイア並木。

 かつて私の通った小学校でも、体育館前にメタセコイアの大樹が何本も植えられていたことを思い出します。

 こちらはまた八瀬の九頭龍神社の裏山。モミジや他の落葉樹の秋色ともすっかり溶け込んでいます。

 こちらは比叡山腹。こんな山中に人がわざわざ植えたとも考えられないので、たぶん鳥に種子が運ばれた結果として自生したのでしょう。イチョウも見えます。

 億年の歴史を持つ樹々をこうして眺め、ある意味では恐竜たちと体験を共有するのも、ちょっと不思議な気分です。

 

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました