光つかまえて~雫と海と季節のフォトブログ~

写真を通してつかまえた光をお届けしていきます

山桜から新緑へ、季節の移り行き~京都・八瀬にて~

 これと決めた、定点で撮る。

 その醍醐味は、「季節の移り行き」をウォッチできることです。

 春と秋、わけても4月と11月というのは、日々刻々と季節の彩りも変化していく季節。数日経てばまるで装いを変えてしまうことがありますが、それを見届けるという趣向です。

 それができるスポットを、私は近場にもいくつも知っています。

 ということで、そのメインフィールドの一つ、八瀬のとある里山から。

 

 まず、3月末。

 例年なら新緑には早すぎる時期で、まだ冬枯れのままの樹木のも多いですが、わずかに芽吹き始めた緑も見られます。そしていち早く山を彩る山桜。

 

 こちらは4月初旬。

 ちょうど平地のソメイヨシノ満開の時期でしたが、山桜もほぼ満開。そして新緑の色づきもはっきり見られるようになってきています。

 

 その翌日。

 たった1日違いでも、ご覧のように緑の色は確実に深まっています。日刻みで装いを変えていくのが春の息吹き、みなぎる生命力というものでしょう。

 

 4月も中旬に入ろうという時期。

 山桜は散って春紅葉に。そして新緑の淡く繊細ながら瑞々しい色合いは、これぐらいが一番の見頃というところでしょう。

 

 4月下旬。

 山もすっかり緑一色に。けれども緑の色合いにまだ微妙な違いが見られるのが、新緑の時期らしさでしょう。けれどもこれだと4月中に色づききってしまいそうで、今年の季節の進みの早さです。

 

 春色が美しい場所は秋色も美しい。新緑と紅葉は表裏一体の現象なのだから当然です。

 ということで、せっかくなので去年撮影した、11月初めから12月初めまでの、秋色の移り行きもお目にかけましょう。

 いかがでしょうか。

 名所として知られているわけでもないのですが、このような季節の彩りの変化を見届けられるスポットが近くにあって良かったところ。それで、読者のみなさまにもお届けしたいと思いました。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

 

5月の桜、まさかの京都で

新緑の振り返りとか、連休前半の撮影など、このブログで語りたいことは他にもありますが、まずはこちらで話題にしたいことがあります。

 

それが、こちら。

 桜の花です。

 ですが、撮ったのは今日、5月3日です。

 つまり、5月に入ってなお、咲き続けていた桜ということになります。

 寒冷地ならまだしも、これは京都でのことです。高野川の桜並木、松ヶ崎橋付近での撮影です。

 

 今年は3月から暖かかったため桜の開花も例年になく早く、春分の日の頃にはもうかなり咲いていました。

 

 いちばんの見頃は3月末ぐらい。

 

 4月に入って1週間ほどで見頃は過ぎ、中旬に入るとほとんどが葉桜になっていました。

 それでも、まだ残っている花はないかと、当の高野川の桜並木で見つけては撮っていたものです。

 こちらは4月も半ば、16日の撮影。すでにほとんどが葉桜になっていましたが、こんなふうにまとまって残っている花もありました。

 これもあと数日もすれば散り、完全に葉桜になるだろうと思っていたのですが、4月末でこちら。

 まだこれだけまとまって咲いている花が残っていたのです。

 これは、「5月の桜」も夢ではない。そんな期待も高まってきたのです。

「桜チャレンジ」とでも名づけましょうか。5月まで、持つかどうか。

 これを撮った後京都ではひと雨降るとの予報、これを乗り切れるかどうかが気がかりでした。

 5月に入って1日、2日と撮りに行く機会がなかったので今日足を運んでみましたが、最初は残る花は見当たらず、やはりもう全部散ってしまったか、やはり「5月の桜」は叶わなかったか……と諦めかけたとき、見ると高いところの葉に。

 かろうじて残っている花びらがありました。

 これでともかくも「5月の桜」は実現、「桜チャレンジ」は成功というところでしたが、探してみると、まだまだ花びらはちらほら残っていました。

 細々と散らずにいるだけとはいえ、5月に入っても桜が見られるとはびっくりです。

 それも北国とかではなく、京都でのことなのです。

 3月の春分の日頃から咲き出したので、ほぼ1か月半、咲き続けていたことになります。実は例年になく息の長い今年の桜でした。

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。

新緑の彩り豊かさを求めて~京都・八瀬より~

 前記事で先週日曜の新緑撮影のことを語りましたが、その前日、土曜日も好天に恵まれたため、絶好の新緑ウォッチング日和でした。

 もっとも、土曜日は午後から仕事だったので、近場での限られた時間での撮影となりました。ということで、季節写真の私のメインフィールドともいうべき八瀬へ。

 新八瀬橋の上から。藤色が緑に彩りを添えます。

 やはり新緑は、青空とともにあってこそ映えるものです。

 手前のケヤキの二本の樹をはじめ、新緑もすっかり緑を深めてきた感じです。

 このアングルでの撮影が定番なのですが、新緑らしいさわやかで明るい色合いをとどめつつも、藤の花のほかは、ほとんど緑一色の光景となりつつあります。

 稜線。この対角線構図もここでは好んで撮っています。

 道路側から少し遠望してのショット。しばらく前は山桜も咲き乱れていましたが、今ではほとんど緑一色で、常緑のスギとも、それほど変わらない色になっています。

 これぐらいになると、新緑の見頃もほぼ終盤。あとは秋に色づくまでほとんど変化のない景観が続き、「緑の深まる過程を楽しむ」ことができる時期は、終わりに差し掛かっています。

「新緑は5月より4月」というのも、この過程を楽しめるのは4月中だからですが、それは例年なら4月いっぱいぐらいなのに、今年は月末の1週前でおしまいのようです。

 新緑の彩りの本当の見頃はいつかということで、4月の2度目の週末に同じ八瀬で撮った光景をご覧いただきましょう。

 同じく新八瀬橋のあたりから。

 上にもほぼ同じ画角で撮ったショットがありますが、緑の色づきもまだ浅い。低層は鮮やかでみずみずしい萌黄色、上層は淡いパステルグリーンと、スギの深緑とあわせ、緑と言ってもとりどりです。

 こちらも上の写真とだいたい同じ構図で撮った、稜線。

 このアングルも、上の写真にありますよね。

 淡くも繊細な、芽吹いたばかりのミントグリーン。この色合いが見られるのは、ほんの僅かの期間です。

 いろんな緑が春の山を彩る。こういう時期こそ新緑が一番美しいと思います。散りきらない山桜と春紅葉も彩りを添えています。

 山腹の一角を切り取って。この繊細な彩りは1年で数日間しか見られない儚さです。

 新緑ならではの春のカラフル。例年なら4月20日前後なのに、10日ほど早く訪れた見頃。4月だからこそ見られるものといっても、さすがに早すぎでした。

 まだ緑が深まる前の遠望です。

 いかがでしたでしょうか。新緑の本当の味わいは4月にこそある。そして同じ4月でも、半月ほどでこれだけ変わる。それを堪能していただければと思います。

 それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。

 

嵐山の新緑、二つの表情

 今日は昼過ぎまでは快晴で、絶好の撮影日和。

 長期予報ではゴールデンウィークの天気はあまり良くなさそうなので、その前の休みを最大限に生かそうということで、まずは嵐山に出かけました。

 もちろん目的は新緑です。

 ということで、いかにもという感じの渡月橋からの撮影。季節の進みの早い今年では、4月下旬にしてもう緑はほとんど色づききっていて、これ以上はほとんど季節の色合いの変化は見られないぐらいになっています。

 新緑の見頃も、もう完全に終盤という感じです。

naosuke21036.hatenablog.com

  新緑の見頃は5月より4月とは言っても、ここでもう終盤とはさすがに今年は早すぎです。

 まだ新緑らしいみずみずしさは残しているとはいえ、もうほとんど緑一色で、かなり濃い。芽吹き具合、色づき具合によって緑でも濃淡差が見られる時期は完全に過ぎています。

 この辺りに、まだどうにか緑の色合いの違いが残っているというところでしょうか。

 そして、新緑の山に彩りを添えるのは藤の花。

 より上流に進んでみると。新緑も随分濃くなった山肌です。

 屋形船とともに。

 ここ3年と比べてもコロナ禍がひとまず落ち着いたおかげか観光客も多くなっており、外国人の姿もたくさん見かけました。

 ということなのですが、嵐山には4月の初めにも一度足を運んでいます。

naosuke21036.hatenablog.com

 この記事でも触れましたが、高雄にミツバツツジを撮りに行く前のことです。

 この時の嵐山の新緑模様と比べてみると違いもよくわかるので、ここで改めて特集します。

 まずは定番、渡月橋の上から。新緑も淡く、まだ若葉を芽吹かせていない樹もあり、また山桜がそれに先立って山腹を彩っています。

 桜の名所として知られる嵐山ですが、ソメイヨシノの並木だけでなく、こうした山桜も味わい深いものです。自生しているものもありますが、奈良・吉野から持ち込まれたものもあるということです。

 まだ芽吹いたばかりの淡い新緑と山桜のコラボ。

 山桜は個体差があるので、花の色もそれぞれ違います。

 いち早く芽吹いた緑も、まだ深まりが浅い萌黄色。

 より上流で。今日撮ったのと同じ場所から。

 とりわけ山桜をフィーチャーして。

 ちょうど満開だった桜と、まだ淡い青もみじ越しに。

 新緑も3週間でこれだけ変わります。その違いを楽しんでいただけたでしょうか。

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。

彩りの新緑〜京都・八瀬より〜

 新緑は5月より4月。

naosuke21036.hatenablog.com

 アクセス解析を見るとこちらの記事は多くの方にご覧いただいているようで、また「新緑 4月」で検索しても上位に表示されるようになっていて、「新緑を撮るなら4月のうち」という認識もちゃんと広まってくれていると嬉しいところです。

 もっとも、桜の開花と同じく新緑の季節の訪れも今年は例年よりかなり早く、4月後半に入った今はもう先の記事で触れたようなベストな見頃は完全に過ぎてしまっています。こちらの記事を読んでから、まだ4月だから新緑を撮ろうと思った方もおられるかもしれませんが、それでは残念なことになっているかもしれません。

 私にとっては、もう新緑の季節はふりかえりモードに入りつつあります。

 ということでこちらのブログでも、今年の新緑の彩りをいろいろと特集していくことにしましょう。

 私が季節の彩りを撮るうえでメイフィールドにしている京都郊外・八瀬にて。

 今回の写真は4月初めの撮影であり、例年なら桜も咲き初め、新緑の芽生えはまだまだ先という時期なのですが、今年はこんなに早くから彩り豊かな新緑が見られました。

 手前のケヤキはもうずいぶん若葉が芽吹いています。まだうっすらと新緑に色づきはじめた背後の山ですが、山桜もちらほら見られます。

 山桜が山のいたるところを飾っています。

 まだ緑は淡く、早春という雰囲気です。

 でもよく見ると、冬枯れから少しずつ緑を芽生えさせているのがわかります。

 過去の時代には「花見」と言えば、山桜を見ることでした。

 こんなふうに稜線を撮る画角が好きです。淡い新緑と山桜のコントラストが映えます。

 手前のケヤキをメインとして撮ると、他の淡い春色とのコントラストも際立つところです。

 名も無い里山の頂に向けて。

 淡い新緑と山桜が奏でる春のハーモニー。

 芽吹きはじめた青もみじもあわせて。

 このあたりは随分緑も色づいていました。

 新緑の色づきはまだまだこれからという時期でしたが、例年ならこれぐらいになるのは4月でも10日前後。季節の移り行きが10日ほど早いのが見てとれます。

 これからさらに季節が進むと、どうなるでしょうか。また後の記事でご紹介しようと思います。

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。

3月の桜 4月の藤

 3月は桜。

 4月は藤。

 これは、花札での月と花の対応です。

 ですがもちろんこれは、旧暦に基づいたもの。花札は16世紀、南蛮文化渡来の時代にポルトガル人によって伝えられたトランプを原型として江戸時代に成立したものであり、当時の日本人はまだ旧暦に基づいた生活を送っていたから、当然です。

 旧暦は現在の新暦とは1ヶ月強ずれていますから、現在の月と季節の対応とは、それだけずらして理解する必要があるはずです。

 それなのに、新暦が定着して久しい現在の日本で、「3月の桜」「4月の藤」が普通に見られるようになっているのが何とも。

 気候変動の影響を、ありありと感じるところです。

 特に今年の桜の季節は、異例に早いものでしたから。

 

 こちらは、鴨川沿いで比叡山を望んで。

 3月末ならまだしも、春分の日の頃の撮影です。

 3月の桜が当たり前になって、旧暦に基づいていたはずの花札に対応するようになってしまっています。

 そして、今日の撮影から。

 4月の藤。桜の季節が早ければ初夏の訪れも早いわけで、まだ4月の半ばというのに、初夏の季節感を代表する藤がこんなに咲き誇っています。

 八瀬の辺りでの撮影です。

 

同じく八瀬で、新緑を撮りました。

 ここまで緑も鮮やかになってくると、新緑の見頃もそろそろ終わりというところです。

「新緑は5月より4月」というものの、平年ならこれぐらいになるのは4月の代わり頃、25日ぐらいです。あとの新緑撮影は緑がすっかり濃くなって消化試合も同然となると思いますが、それがこんな時期に来てしまうというのはさすがに季節の移り行きが早すぎです。

 

名残惜しいので、探せば見つかった散り残しの桜を。

 高野川沿いの桜並木です。

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。

京都・桂川の桜2023

 前回の鴨川に続き、今年の桜のふりかえり。

 今回は京都の知る人ぞ知る桜の名所、桂川のJR鉄橋付近の背割りを特集します。

 このスポットは、以前の記事でも紹介しました。

 

naosuke21036.hatenablog.com

 検索でこちらの記事を覗いてくださる方も多いようです。

 

 このスポットの魅力は、濃いピンクの河津桜ソメイヨシノなどの淡い桜色の樹種がともに植えられていて、紅白濃淡の桜色が堪能できること。

 

 今年も、こんな具合です。

 こんなふうに交互に植えられているところもあります。

 例年、河津桜の方が開花・見頃とも早いので、満開の時期が一致しない年もあり、ソメイヨシノが見頃の時期にはもう河津桜は散りかけているということもあります。

 見頃が重なるのは、あってもごくわずかの期間。今年は3月の異例の暖かさゆえにどちらの開花もかなり早かったのですが、ちょうどその時期に、しかも最高の青空の下で、撮影する機会が持てました。

 しかもこのスポットの魅力をさらに増すのは、土手に菜の花(セイヨウカラシナ)が群生していて、その黄色も合わせた春色のコラボが見られること。

 こんなふうに紅白の桜と、菜の花の黄色とを取り合わせる春色いっぱいの光景も楽しむことができます。

 アングルを変えて。文句なしの青空のため最高に映えるところです。

 3月末という早い時期にもかかわらず、もう芽吹きはじめたケヤキの新緑を背景に。

 こちらは白い花の桜で、オオシマザクラでしょうか。

 こちらの新緑はもうかなり色づいています。

 せっかくなので、菜の花から新緑を見上げるコラボも。

 というわけで、かなり早かった今年の桜の季節ですが、このスポットでも満足なショットを数々得る事ができたように思います。
 足を運べなかった人に、この記事を通してお届けしました。

 

 ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。