初冬の夕焼け~宝ヶ池公園にて~
晩秋から冬にかけては、夕景撮影は基本的にシーズンオフです。
というのも、
- 日没が早く、休みの日でなければ見ることも撮ることもできない。
- 低層雲が主で、夕焼けに染まりにくい。
- 湿度が低いので、鮮やかに赤く染まりにくい。
といった理由があるからです。
こちらの記事で触れた、夏が夕焼けにはベストな季節であるのと、ほぼ真逆の理由からです。
ということで、10月末ぐらいからは、夕焼けはさほど撮影対象としては期待しない状態でしたが、だからといって全くチャンスがないわけでもありません。
日曜日の今日、久しぶりに出会えました。
朝からずっと曇りで、夕焼けなど予想もしていない天気でしたが、4時半ぐらいにとある店から出て眺めてみると、思いのほか晴れ渡ってきて、今日は行けそう。
というわけで、そこからわりと近い場所にある定番撮影スポット・宝ヶ池公園へ。
確かに、焼けました。
北側の、国際会議場から比叡山の方向も。
さらに染まると。
日の沈む方角が夏とは異なっていて、夕焼けが現れる方角も南寄りの空が中心になっています。
水面のカモが、ちょっとしたアクセントになっています。
空気が澄んでいる分、どうしても赤の光だけが散乱されずに残るということがなくなり、染まり方も控えめになる。夏なら鮮烈に真紅に焼けるのと比べると、これが夕焼けの季節感というものでしょう。
この週末にも、まだまだ秋の名残はありました。昨日の撮影から。
11月の後半にはすでに散紅葉になっていた場所もあった一方で、今年の秋も意外と息が長いものでした。週明けから降雪も予想される冷え込みなので、今度こそ見納めでしょう。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
紅の色彩空間
今回は、こんな趣向でどうぞ。
先週の「残された秋」を探しての撮影の折、まだまだ出会えた見頃そのもの紅葉。
ぼかした背景も紅葉にして、空間を真っ赤に彩ったショットです。
こちらはより主役の葉をフィーチャーして。
この趣向で今年も撮ってみたかったんですが、「低い位置に葉があって、陰になっていない」「背景にも一面を覆うように紅葉が広がっている」という条件になかなか出会えずにいました。
こちらは別の場所で。真紅といっていい上のもみじとは違って、こちらは朱色と形容した方がよさそうです。
背景の赤にとけこむように。
こうやって、「赤の空間」をつくるの、大好きです。
こちらは色づききる前の、オレンジ色の葉で。
ということで、「紅の空間」、お楽しみいただけたでしょうか。
春になれば、今度は青もみじで、「新緑色の空間」もつくってみたいところです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
残された秋を探して 続
12月に入った先週末でも、秋はところどころに残っていました。
前回記事に引き続き、今回は日曜日に見つけた「残された秋」をご覧いただくことにしましょう。
この日もやはり近場でしたが、より南に下り、北白川のあたりを中心に迫り出した東山に秋を求めました。
もう完全に散紅葉の場所もある一方で、こんな鮮烈な秋色が、特に名もない里山に見られました。
まだまだ山の秋祭りは続いています。秋色には秋晴れの空がよく似合います。
頂の赤と黄のコントラスト。望遠を持って行って良かったところです。
この辺りは、志賀越道をだいぶ進んだところで撮りました。このまま進むと比叡平の団地を経て、琵琶湖畔まで抜ける道です。
やや逆光気味に、秋色のとある山。
この辺りの鮮やかさは、もう12月だとは思えないほどでした。
一面秋色の山。
市街地近くに戻って、公園の黄葉した樹越しに、大文字山を望むスポットを見つけて。こうして見ると、近場でもまだまだ知らずにいた撮影ポイントはたくさんあるような気がしてきました。秋色が綺麗ということは、間違いなく春色、新緑も綺麗なはずで、季節がめぐって春になったら、また訪れてみたいところばかりです。
山門のアップです。
さらに南へ進んだ、安楽寺です。
こちらも山門をフィーチャーして。
先週の記事で「秋色のフィナーレ」と銘打ったのは、いささかフライングだったのかしれません。あるいは、このときを「アンコール」と呼ぶべきなのか。
今年の秋色の季節は終わりが早かったというより、不安定な天候のため、所々のばらつきがあった。早々に葉を散らしてしまったところもあれば、遅くまで残っている秋色もある。そんなふうに言った方がいいのかもしれません。
実際、場所によっては、まだ青みが残っているモミジの樹もあったほどです。
その年ごとの季節の違いへの気づきも、また自然写真の楽しみといえるでしょう。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
残された秋を探して
今年は近場のメイン紅葉撮影フィールドである叡電八瀬駅前の落葉が早く、その他の場所でも先々週ぐらいから散紅葉目立っていました。そのため「今年の秋は先週末で終わり」と決め込んでか、「秋色のフィナーレ」なる記事まで書いていました。
でも、この週末も続けて快晴の小春日和。撮影に行かないのは勿体無い気がし、まだカメラに収めるものは残っているかも……という思いで、出かけてみました。
テーマは「残された秋を探す」。
そうしてみると、意外とまだまだ、秋色で見るべきものはところどころ残っていたようです。
こちらはわが家からほど近くの森にて。散りかけではありましたが、それでもこうやって広角で収めてみるとまだまだ見ごたえのある赤です。
同じ森で、見頃そのもののようなこんな鮮やかな紅もありました。
八瀬の、お気に入りの秋色撮影スポットでも。落葉した樹も目立つもののまだまだ冬枯れには早く、黄色と赤の秋色は十分に楽しめました。
先週がこちらなので比べてみてください。
同じ場所の別角度。もう散りつくした樹もありますが、鮮やかな黄と赤のコントラストも目を引きます。
同じ場所で新たに開拓した、横高山を見上げる紅葉。ススキも入れて、秋そのものの光景です。
今回は川原まで降りてみました。
八瀬駅前はこの通り、まだ赤は残ってはいるものの、シーズン終了間際です。
場所を移して、鴨川上流。春色スポットは秋色スポットでもある、という場所。
先週がこうだったので、秋色はまだ深まっていました。
川原の秋色。
ということで、秋はまだまだ残っていたようです。
この記事では土曜日に見つけた秋の名残を紹介しましたが、今日、日曜日の撮影についてはまた別の機会に。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
街をイルミネーションが飾る頃に
12月に入って最初の週末へ。
前回の記事でも語ったように日暮れが1年で最も早いこの季節は、私としてはそれだけで気分も沈む時期。
ともあれ街中ではクリスマスに向けて、ところどころにイルミネーションが飾られるようになってきました。
それに合わせて、雫の輝きによる自然のイルミネーションを、こちらのブログでもお届けしていきましょう。
撮影は先月ですが。
とりわけ真ん中からやや右寄りの、ひときわ大きい光の色の変化にご注目。
虹のような輝きを放ちます。
ダイヤモンドも思わせますね。
光源はひたすら太陽光、夜ではなく朝に見られるイルミネーションですが、こうして光り方も彩りも変えていく様子を眺めるのは、なんとも貴重なひとときです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
実は1年でいちばん嫌いな月
12月に入りました。今年は紅葉の季節の終わりが早かったうえ、朝の冷え込みもこの時期からかなり厳しく感じ、すでに冬が訪れたといってよさそうです。
去年などは12月半ばまで紅葉が見頃といっていい場所もちらほらあったことを思うと、年ごとの気候の違いを実感します。
季節の話題として、ひとつの定番ともいえるのが「1年でいちばん好きな月、嫌いな月」というもの。
理由は、いろいろあるでしょう。何よりも気候の過ごしやすさという自然的な要因。
5月や10月がたいてい上位に来るのも、日本の気候では最も快適なのはこの時期だからでしょう。逆に、ある調査ではワースト3が8月、2月、6月だったというのも、それぞれ暑さ、寒さ、梅雨ゆえであることは明白です。
桜や新緑や紅葉、海水浴やウィンタースポーツ、クリスマスやお正月など、その季節ならでは楽しみやイベントがあるから、というのも納得できる理由でしょう。
暑さゆえに嫌われる8月も、子どもや学生に聞けば、夏休みだから好きという人も多くなるに違いありません。
また社会的な理由として、その時期は公私で特に忙しいから嫌いという人もいるでしょう。年末年始の時期(12月、1月)とか、年度の変わり目(3月、4月)を、それを理由に嫌いだという人もいると思います。
誕生日とか記念日のような、思い入れのある日があるという個人的な理由がかかわることもあるかもしれません。
で、私の場合は、好きな月はさておいて、1年でワーストな月はこの12月。理由は簡単です。
冬至のある月であり、1年のうちで、最も日が短い時期だからです。問題は寒さではなくて日の短さにあります。
すぐに日が暮れ、暗くなる。それだけでも気が滅入ります。たとえ仕事中で屋内にいても、窓から暗くなっていく外に目をやるだけでも 気が重くなる。それがすべてです。
この辺は、明るさに対する生物学的な感覚に近いです。室内をどれだけ明るくしようが関係ありません。
もちろん気温なら来たる1-2月の方がはるかに寒いですが、冬至を過ぎればともかくも日は長くなっていく。それだけでも少しはましな気がするのです。
「温度の季節」でなく「光の季節」に対する感覚でしょうか。
実は12月初旬のこの時期は、1年のうちで最も日暮れの早い時期。冬至ではありません。
私の住む京都で16時45分。10日を過ぎた頃から、冬至に先立って少しずつ、日の入りは遅くなっていくのです。ただその後も日の出が遅くなり続けるので、日の長さ自体は冬至のときが最短になります。初日の出は冬至のときより遅く、1年で最も遅い時間帯の日の出です。
日の短さを感じるのは日の出よりも日の入りの時間。そういう意味でも、一番早く日が暮れるこの12月初めというのは、私の嫌いな季節の中でも、底の底ということになります。
これから新型コロナの第3波が厳しくなることも予想されるだけに、その意味でも大変な冬になりそうです。みなさまお気をつけて。
こういう話だけでは寂しいので、この時期街をイルミネーションが飾るようになってきたのに合わせて、雫の煌きのイルミネーションを1枚。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。
秋色のフィナーレ2020
11月最後の週末。曇ったり晴れたりの1日でしたが、たびたび晴れ渡るひとときにも恵まれて、秋色を撮りに。
今年は、紅葉をはじめとする秋色も、これで見納めかもしれません。
山でも神社仏閣でも、もう葉を散らした木々が目立ちます。とあるスポットでは、今年は色づきも今一つ、散るのも早く残念という嘆きも繰り返し耳にしました。
例年なら12月上旬までは十分見頃、去年は12月中旬ぐらいまで鮮やかな紅葉が見られるところもあったかと思うと、違いはいやでも感じます。
早々と冬が近づいたような冷え込みのあとで夏日にも達するほどの小春日和が続くなど、イレギュラーな気象が一因かもしれません。
そのせいでしょうか。すっかり葉を散らしてしまったもみじの樹も目立つ一方で、こんなふうに色づき始めのような、青葉も残る樹も見かけたりします。
だから個々の樹を見ればまだまだ紅葉を楽しめる時期は続くかもしれませんが、「秋色」として、もみじの赤も含めた景観のなかで撮りたい私としては、そろそろ季節も終わりと受け止めざるを得ないようです。
ということで、前回の記事でも紹介した、近場の八瀬の秋色スポットから。
去年の同時期に比べても、やはり華やかさは今一つという気がしました。
このアングルで、横高山を望んでもみじを撮る景観を見いだしたことは、今年の成果でした。ということで前回と違えて、手前のススキを入れた構図を。
紅葉とススキ。秋らしいものを取り合わせると季節感も相乗効果で増します。
場所を変えて、2週間前と同じ真如堂にも足を運んだのですが、木々の方はかなり散りかけで、むしろ見所は散紅葉でした。
ここから、今季まだ未訪だった、鴨川上流へ。まず秋色の河原。
そして神山の山腹です。
春には毎年新緑を撮りに訪れる場所ですが、春色が美しい場所は秋色も美しい。一帯が落葉樹林だということですから当然です。
こちらはまだ、秋色たけなわといってよかったかしれません。
1年の生命を最後に完全燃焼させるかのように、華麗な彩りを競った山と樹々は、間もなく静まる季節を迎えます。
季節がめぐって、こんな日を迎えるまで。
ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。