京都・大原の里の秋桜
京都は北の郊外、大原の里。晩秋の紅葉の季節になればいよいよ観光客で賑わいます。でも紅葉にはまだ早い秋に、この里でも所々に秋桜が花を咲かせます。
高野川沿いには人の手で植えられた「コスモス畑」もありますが、里のあちこちには、自生したコスモスが色とりどりの花を咲かせています。私は、こちらの方が好きです。景観に溶け込んだものとして絵になりますから。
こちらはとある年の秋、大原の里での撮影では特にお気に入りの一枚。
群生するコスモスの背景に刈り入れを終えた田畑、そして彼方には比良山系を望む、山里の秋らしい一景です。
こちらは道端に咲く一群。
青空と里の民家。
秋が深まる前に、まずは見届けておきたい季節の楽しみです。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
秋風に揺れるコスモス~京都・嵯峨野より~
今日は、この一枚。
前回紹介した嵯峨・広沢池の西より。これまでの撮影でお気に入りの一枚。
秋風に靡く姿が撮りたかったので、風が吹くのを待っていました。背景の青空に、白い雲がなにか風と逆方向に見えるのが気に入った点です。
今週末ぐらいから見頃になってくると思います。
そこまでリアルタイムではないようですが、こちらのまとめサイトで開花情報を知ることもできるようですのでご参考に。
コスモス特集【洛西/亀岡】 ~嵯峨野/広沢池/亀岡夢コスモス園など|MKタクシー - OpenMatome
地図を再掲します。
撮影に行かれる場合は、午前中がおすすめです。道沿いから西の方角に向かって撮ることになるので、順光となる時間帯を考えてのことです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
京都・嵯峨野の秋桜
まだ夏の名残のような暑さが感じられますが、今日から10月。
この季節ならではの楽しみの一つが、コスモスです。外来語なのに「秋桜」とはよく言ったもので、春の桜のように、季節の彩りを演出してくれます。
ということで、これから何度か、コスモスは特集していこうと思います。ご覧になった皆様がこれから撮りに行けるよう、見頃の時期に先駆けて過去の撮影から。
私の住む京都でも秋桜が美しく咲くスポットはたくさんあるのですが、特に好んで撮りに行くのが嵯峨・広沢池近くの場所です。
過去の撮影からですが、毎年この時期に、こんなふうに咲き誇ります。
広沢池についてはこちらで夕景の名所としてたびたび紹介していますが、池の西側の道路沿いです。
もともとは人の手で種が蒔かれたのでしょうが、今はすっかり自生しているので、「咲き乱れる」という表現が相応しくなっています。
赤、ピンク、白と色とりどり、まさに百花繚乱。背景に北嵯峨の田園が広がり、遠くに愛宕山を望むという、構図的にも素晴らしい撮影スポットとなっています。
見頃は例年10月中旬。今年はまだこの目的では訪れていませんが、次の週末ぐらいから十分に見られると思います。
先の道沿い以外でも咲いている場所はいくつかあるので、刈り入れを終えた田園地帯を獲り歩いてみるのもいいでしょう。
なお広沢池の東岸・南岸ではキバナコスモスが咲きます。
ということで、間もなく見頃ですので、皆様もよろしければお出かけください。
では、今回もご覧いただきありがとうございました。
ガイドブックではわからない京都の夕日・夕焼けスポット選
これまでの夕景記事のまとめも兼ねて。
(注 初出2019年9月29日、2020年9月22日に桂川を増補、10月22日改訂)
私の住む京都には、夕景を楽しみ、撮影するのに絶好のスポットがいくつもあります。
京都のガイドブックでは神社仏閣をはじめとしたたくさんの名所は紹介されていても、なかなか「ここは夕日が綺麗」といった情報までは載っていないでしょう。またネット上では京都の夕日スポットをまとめたサイトはいくつかあるようですが、基本的には「有名どころ」中心で(確かに高台寺・清水寺あたりから望む夕日は素晴らしいですが)、「この名所なら夕日に映える」といった情報のようです。本当に夕日・夕焼けそのものの美しさを堪能できるところ、そこで望む夕景の魅力を紹介しているわけではないようです。まとめている人もどこまで夕景をこだわって撮影しているのかわからないようにも見受けました。
そもそも、有名寺社というのは夕景撮影には重大な問題があります。夕焼けが最も美しい時期である夏(秋ではありません)は日没が遅く、午後7時前後。この時間帯にはまず拝観時間を過ぎています。特別拝観期間でもないかぎり、「境内から夕日・夕焼けを撮る」ことはほとんど無理なのです。
ということで、普段から京都の各所で夕景を撮影し続けている私として、自分の足で撮って回っているからこそわかる、ガイドブックや観光案内サイトでは決してわからないような具体的な情報、それぞれの場所まで含めて、京都の夕日・夕焼けスポットの数々を紹介していこうと思います。
そこで夕景を撮るベストシーズンの情報もあわせてお知らせします。太陽の沈む方向、空の染まる方角などから、その場所で夕景がいちばん美しい、いちばん撮影に適したシーズンというのがあるものです。
アクセス:京都市バス・銀閣寺前より火床まで40分程度。「銀閣寺道」下車なら+5分。
ベストシーズン:春夏秋
何といっても最高のスポットはここでしょう。そもそも京都でも随一の展望を誇ります。火床からは何にも遮られることなく京の街を一望できるので、夕映えに染まる街並みを見下ろし、空の広がりを楽しみつつ、夕日が西山に沈むまで見届けることができます。
山の上なので当然辿り着くまで相応の時間と体力を要すること、夕景を楽しんでから下山すれば当然暗くなるので注意が必要なことは、忘れないでください。
アクセス:京都市バス・近衛通/京大正門前下車、徒歩10分
ベストシーズン:春夏(夕日の沈む方角の関係です)
京都大学近くで、『徒然草』の吉田兼好でも有名な吉田神社のある吉田山の一帯です。
東山に登らずとも、沈む夕日を建物に邪魔されずに見届けられる高台であり、夕日撮影の穴場です。特に「夕日」そのものを撮りたいのであれば格好のスポットといえます。
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線・国際会館駅下車、徒歩10分
ベストシーズン:年中。ただし「全方位の夕焼け」を撮るなら夏です。
京都市街地としては北のはずれ、岩倉にあります。でも地下鉄国際会館駅が近いのでアクセスは容易です。
このスポットの魅力は、なんといっても夕焼けの映り込みです。雲が華麗に赤く染まった日は、これを映す池の水面が美しさを倍にしてくれます。
また、夏に時として見られる「空全体が赤く染まる、全方位の夕焼け」を撮影するには最適のスポットです。池自体それほど広くはないので、周囲を回りながらいろいろな方角の染まった空を撮ることができます。
山が近くまで迫り出しているので、夕日そのものは早く隠れてしまうことも注意です。
- 広沢池
アクセス:市バス「山越」から徒歩5分(最寄りのバス停「広沢池・佛大広沢校前」は夕焼けの時間にはバスが出ていないので使えません)
ベストシーズン:春~初秋
洛西・嵯峨にある池。平安時代に遍照寺の池として造営された歴史ある場所です。
こちらも池の水面への夕焼けの映り込みが絶品です。池の広さは宝ヶ池とほぼ同じですが、こちらは池の向こうに田園地帯が広がり開けているので、空の広がりがより実感しやすいと思います。
池の北側には回れないので、夕焼けの空が南寄りになる秋半ば以降は撮りにくくなります。また毎年12月には池の魚をとるための「鯉揚げ」という行事によって水抜きされるため、冬季には映り込みは見られないこともお気をつけください。
- 鴨川
アクセス:京阪出町柳~七条間の各駅。北大路橋付近で撮るなら地下鉄烏丸線北大路駅。
ベストシーズン:年中
視界が開ける川沿いは、格好の夕景スポットです。東岸から西の空の夕景を眺めるのもよし、また夕焼けがしばしば全方位にわたる夏であれば、橋の上から南北の夕焼け空を撮ると映えます。とりわけ北山の上にかかる雲が染まる光景は壮観です。
川面まで夕焼け色に染まることがあるのも魅力と言えるでしょう。
市街地の川沿いならどこでも撮れますが、橋の上から南北の夕焼け空を撮るのであれば人通りの多い三条・四条大橋は避けたほうがいいでしょう。特におすすめなのは丸太町橋(京阪神宮丸太町駅下車すぐ)です。
- 上高野
ベストシーズン:5月末~7月初め
京都でもすっかり郊外になる、比叡山の麓にある田園地帯。私自身が思い入れの深い場所です。
ここで撮影するなら、田植えから間もない時期が何よりです。水田に映る夕焼けが壮観です。ここの田植えは5月末~6月初めぐらいなので、その時期から7月上旬ぐらいまでがベストです。それ以降だと稲が育って水面が隠れてしまいます。
東に目を向けると、西日に映える比叡山もこれまだ美しい。夏なら東の空の雲も赤く染まり、比叡山の上空を飾ることもあります。
撮影の折には、くれぐれも田んぼの地主さんにご迷惑とならないようお気をつけください。
- 岡崎疎水・夷川ダム
アクセス:京阪神宮丸太町駅/京都市バス・熊野神社前下車、徒歩5分
池の上の空が開けているので、季節によっては夕日を沈むまで見届けることができます。ちょうど真西の方向なので、夕日を撮るのであれば太陽が真西に沈む春分・秋分の日周辺に限ります。
なお、疎水沿いであれば、京都市動物園~美術館の辺りでも同じような条件で撮影することができます。
ベストシーズン:年中
鴨川と並んで、京都の市街地を流れる川です。市街地中心からはやや離れていますが、鴨川より川幅がずっと広いので、空が大きく開けているのが最大の魅力。
空一面が染まる夕焼けを堪能するなら、川面への映り込みの美しさもあわせて京都では最高のスポットです。対岸が西山なので自然がいっぱいの風景で撮れます。
ほぼ南北に直線的に流れる鴨川と違って蛇行しているので、どのポイントで撮るかが重要。地図とその季節の日没の方向を照らし合わせて撮影場所を選んだ方がいいでしょう。ほぼ東西に流れているところもあるので注意が必要です。
広い河川敷や中洲が所々にあるので、川面への映り込みを狙う場合はこれらにも気をつけてください。
また山が近く太陽は早く隠れてしまうので、夕日撮影にはあまり向きません。太陽を狙うならむしろ朝日撮影に向いたスポットです。
と、こんなところです。皆様の夕日撮影のお助けになればと思います。
こちらの記事にご訪問くださる方は多いようですので、せっかくなので私の夕景撮影へのこだわりもぜひとも見てください。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
京都・鴨川の夕景
京都の夕日・夕焼けスポットとしては、まだ大事な場所がありました。市街地を流れる鴨川です。
川の上は空が開けているので、街中でも建物や電線に邪魔されずに夕景を撮るには最適な場所の一つなのです。また水田や池と同様、川の水面への映り込みで、美しさが倍になることがあるのも魅力です。
鴨川は市街地ではほぼまっすぐに北から南に流れています。ですから西空の夕焼けを撮るなら、基本は東岸からということになります。
でも、そればかりではありません。
こちらのブログではたびたび強調しているように、夏なら全方位の空が焼けることがしばしばです。「360°の夕焼け」を撮るのにも、鴨川は絶好です。
橋の上に立って、北や南にカメラを向けてみる。
こちらは丸太町橋から望んだ北の空。
水面も赤く染まっています。
こちらは五条大橋の西岸から、北の方にカメラを向けたものです。
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
京都・大文字山からの夕日
前記事でも取り上げた京都・大文字山。
ここ大文字山は、おそらく京都では最高の夕日スポットでしょう。火床、つまり送り火に「大」の字を灯すところから何ひとつ遮るもののない高台から街を一望しながら、西山に没してゆく夕日を見送るのは至高のひとときです。
ということで、今回は今までの撮影より、大文字山から望んだ夕日・夕景を特集します。
こちらはちょうど今ぐらいの時期、はじめて夕日撮影目的で登った時のもの。秋らしく、芒越しです。
その日の夕日が、西山に隠れようというときです。
こちらは別の日、夕空を飾る虹色の彩雲。
こちらはまた別の日。幾重にも折り重なる西の山々に沈んでゆく夕日。街並みの中でまだわずかに光を浴びている部分にも注目です。
さらに別の日、こちらは火床まで登る途上に見上げて。夕映えに照らされています。
まさに「この色の夕日を撮りたい」という日でした。
街並みも夕暮れの中に沈んでいきます。こうして広がる街並みともども夕日を望めるのがこのスポットのいちばんの魅力です。
最後はまさに「真紅の夕日」となりましたが、ズームで撮影して夕日にフォーカスするとどうしても暗くなるうえ、街が入らなくなって「大文字山で撮りました」感が薄れてしまう。それがディレンマでした。
とこんな感じです。
ここに登って夕日を撮ろうという場合は、くれぐれも下山時にはお気をつけください。火床から下山して麓の登山口にたどり着くまで25分程度かかります。
当然日が沈んでから山を下りることになるので、どんどん暗くなっていきます。日没直後に火床を出発すれば、まだ残る明るさでなんとか麓まで降りられます。けれども夕焼けまで見届けようとするなら日没後しばらく(20~30分後)になりますから、いざ下りる時にはかなり暗くなっているはずです。その場合は懐中電灯は必須です。
というわけで、今回もご覧いただきありがとうございました。